エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.115 ロックフリーの「A8-3870K」でオーバークロックを楽しむ

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｜ベンチマークソフトを使って気になる性能をチェック（2）

■消費電力をチェック

　最後に消費電力の違いについても確認をしておくことにしよう。いつもどおり測定は「Watts up? PRO」を使用し、アイドル時は30分放置して最も低い状態、高負荷時は「3DMark 11 Version 1.0.3」実行中で最も消費電力が高かった時点とした。

　アイドル時の消費電力は、省電力機能によって、いずれもCPUクロック800MHz、コア電圧1.004V、GPUクロック約280MHzとまったく同じになることから、ほとんど差がでなかった。特にオーバークロック時でもアイドル時の消費電力が変わらない点は、実際の運用を考えた場合には大きなメリットだ。
　次に、高負荷時の消費電力だが、こちらは「A8-3850」の123.4Wから「A8-3870K」の131.6Wへと8.2W増加している。消費電力については個体差あるため、一概には言えないものの、CPUコアが100MHzしか上がっていないことを考えるとやや残念な結果といえる。
　オーバークロック時の消費電力は、電圧を変更しなかったことから138.6Wと定格動作時から7W増と比較的低く抑えられている。オーバークロックによって、特にグラフィックス性能が大幅に向上していることを考えれば、この程度の消費電力増は十分許容範囲内だ。

｜CPU/GPUコアともロックフリーで遊べるAPU「A8-3870K」

　「A8-3870K」だが、これから新規に購入するなら性能も高く、価格も「A8-3850」とほとんど変わらないことから定格運用・オーバークロック用途にかかわらず「AMD Aシリーズ」では最もおすすめだ。一方、「A8-3850」からの買い替えを考えた場合、CPUクロックが100MHz向上しただけということで、定格運用ではほとんど効果が無いだろう。やはり、オーバークロックを前提とした買い替えをおすすめしたい。

　「A8-3870K」の場合、ロックフリーということで、CPU/GPUコアとも簡単にオーバークロックが可能でかなり遊べる製品となっている。特に今回チェックした個体ではGPUコアの耐性が非常に高く、軽めの3Dゲームであれば、1920×1200ドットの高解像度で楽しめるレベルまで性能を引き上げることが可能だった。
　また、消費電力の面でもかなり優秀だ。TDPこそ100Wと比較的高めに設定されているが、オーバークロック状態でもアイドル時で約45W、負荷時でも140W弱とかなり低く抑えられている。特に内蔵GPUの性能が高いことから、一般的な用途であれば別途グラフィックスカードを用意する必要がなく、システム全体として考えた場合、十分省電力といっていいだろう。
　当初不安視された供給面も、初回の流通量が比較的多かったこともあり、原稿執筆時点（2012年1月8日現在）では特に問題はなさそうだ。「A8-3870K」自体バランスのとれた良い製品のため、今後も安定した供給をAMDにはぜひともお願いしたい。

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