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3モデル展開の「Turbine Masterシリーズ」外装パッケージ下部には日本語表記シールが貼られ、800rpmは赤、1200rpmは青、1800rpmは紫で色分けされている |
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|ブレード枚数を増やす事で、低速回転時の風量を増量
ここからは実際に用意した「Turbine Masterシリーズ」の外観をチェックしながら、その特徴をつぶさに見て行く。
一般的な汎用120×120×25mmファンのブレード枚数は9枚前後だが、ジェットエンジンを模した「Turbine Masterシリーズ」は16枚で構成され、外観を見ても分かる通り密度が非常に高い。羽枚数を増やし、密度を高くするという事は、風を生み出す物理的な力が増強することになる。つまり低速回転で大きな風量を得る事ができるという仕組みだ。先に紹介した「セミフレームレス設計」との組み合わせにより、これまでにない発想を取り入れた点こそが「Turbine Masterシリーズ」最大の特徴となる。
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密度の濃いブレードデザインと、セミフレームレス設計で構成するという斬新さが「Turbine Master」の特徴と言える |
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前述の「セミフレームレス設計」がよくわかる画像。通常ファンと違い、横からも空気を取り込むことができ、低速回転でも多くの風量を得ることができる |
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ラウンド形状の「Turbine Master」。フレームはリブ有り形状となっており、Cooler Masterのロゴがある面に風が抜けて行く |
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|メンテナンスが容易なファンブレード着脱式を採用
「Turbine Masterシリーズ」のギミックとしてフレームとブレードの着脱機構もチェックしておきたい。Cooler Masterブランドの汎用ファンで、この着脱機構を備えたモデルは120mm口径ファン「Excalibur」(2010年2月発売)に続き2モデル目となる。
言うまでも無く、ブレード着脱の利点は長期使用で軸部に溜まったホコリが除去できる点。剥き出し状態となる駆動部分の回転軸には、静電気の発生等によりホコリが溜まりやすい。これを放置するとファンの能力を十分に発揮できなくなるだけでなく、異音の元となり、寿命低下最大の原因になってしまう。せっかくのギミックだけに、PCパーツの交換等でサイドパネルを開く機会があれば、こめまめにメンテナンスを行いたい。
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ブレードの着脱はワンタッチ。フレームを両手で包み込むように持ち、平均的に軽く力をかけ、ブレードの中心部を押し出せばノッチが抜けるような感覚で軸が外れる。なおフレームは4本のスポークで構成されているが、無理なテンションを掛けると折れてしまう恐れがあるので注意が必要 |
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|Barometric ボールベアリングの採用で長寿命低騒音
ブレード着脱機構に加え、「Turbine Master」の製品寿命延長に貢献するのがファンの性格を決める重要な箇所となるベアリングだ。
“ファンの性格を決める”の意味は、ベアリングの機構により回転軸から発生される音質が変わってしまうからだ。
一般的な軸受け機構には、スリーブベアリングとボールベアリングが挙げられる。前者には派生版の流体軸受(ハイドロベアリング)等があり、オイルを封入した筒に軸をレイアウトさせ、固体との摩擦を無くすことで滑らかに回転させようというもの。比較的安価で静音ファンと呼ばれるモデルの多くはこのスリーブベアリングが採用されている。
ボールベアリングは、軸を回転させるためにボールが埋め込まれており、軸が安定すると共に、スリーブベアリングに比べ長寿命と言われている。反面ボールと軸が接触しながら回転をするため、その音が気になると言われる事があるものの、実際に稼働させている場合、ファンに耳を当てているわけではないため、それほど気にする事も無く、以前に比べれば静音技術も格段に進歩している。
さて「Turbine Masterシリーズ」では、前出「Excalibur」で初めて採用された「Barometric ボールベアリング」が採用されている。特許技術となるこの軸受け構造は、長寿命と静音性が両立されており、通常のボールベアリングに比べ約2倍から最大5倍の寿命を実現すると言われている。ちなみに「Turbine Masterシリーズ」の製品寿命は公称値100,000時間。これはこまめにメンテナンスを行えば、常時稼働でも計算上10年間以上も動作する事になる。ここまで使い切るユーザーは希だとは思うが、それだけ長寿命設計がなされている事を覚えておきたい。
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特許技術「Barometricボールベアリング」の内部構造 |
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ブレードを外した「Turbine Master」の心臓部。中心の黒い筒の下にはボールが埋め込まれている |
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外周に見えるのはラバーマグネット。4ブロックで構成されており、それぞれの軸にはコイルが巻かれている事が分かる |
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|PCケースへの振動をカットする防振ゴムパッドの同梱
ここで同梱品をチェックしておこう。「Turbine Master」は汎用ケースファンなので付属品の量は少なく、ブリスターパッケージ内の上部スペースに、ジッパーパックで全てが収められていた。
敢えて紹介するならば「取り付け用ゴムネジ」だ。PCケースに装着する際、ネジの代わりに使用できる“ゴム製のネジ”で、ファンの駆動振動をPCケース側に伝導させない効果がある。一般的なテーパーネジも付属されているが、これを使う事でPCケースに直接接触(密着)させる事無く、フロート状態で稼働させる事ができる。
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「取り付け用ゴムネジ」はPCケースに接触(密着)させる事無くフロート状態で稼働できる |
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3pin→4pin変換コネクタ。ケーブルと呼ぶにはやや短いが、マザーボード上3pinコネクタが無い場合などには重宝する |
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「振動防止用ゴムパッド」は、ゴム製のワッシャー。くり抜かれたゴムワッシャーには両面テープが貼り付けられている |
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ファン中心部にはめ込む名称不明なキャップ。テクニカル要素は恐らく無く、タービンエンジンを模したファンデザインのためのアクセサリー。ファンのデフォルト状態では装着されていない |
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付属品ではないが、コネクタも確認しておく。「Turbine Master」は3pin仕様で、パルスセンサーを装備し、回転数が検出できる。なおケーブル長はファンの付け根から55cm(実測値)だった |
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