|コア電圧やBCLKを調整して更なる高みを目指す!!
次にコア電圧や「CPU Base Frequency」(以下BCLK)を調整して、さらなる高みを目指すことにしよう。まずはコア電圧を徐々に上げてCPU倍率を探ったところ、コア電圧1.380V、倍率47倍までは安定動作することが確認できた。
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今回のCPUでは4.60GHzから急激にコア電圧の要求が増え、47倍では1.380Vが必要だった |
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CPU倍率は47倍が限界。ちなみに48倍ではコア電圧を1.450Vまで上げてもベンチマークは完走しなかった |
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次にBCLKを徐々に上げ、最終調整を行ったところBCLK 101.68MHz、動作クロック4.77GHzまで引き上げることに成功。コア電圧やベースクロックの調整により、最終的に定格動作から1GHz以上の大幅なクロックアップを実現することができた。
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倍率の調整が終わったところで、さらに“もうひと伸び”を期待してBCLKを調整 |
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最終的にはコア倍率47倍、BCLK101.68MHzの4.77GHzまでオーバークロックが可能だった。なおコア電圧はCPU-Z読みで1.360Vと大幅に上昇している |
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|「CINEBENCH R11.5」でオーバークロックの効果を確認
オーバークロックの設定も終わり、その効果を確認するため「CINEBENCH R11.5」でスコアを測定してみることにしよう。
「CINEBENCH R11.5」はCPUの性能がリニアに影響するベンチマークということもあり、いずれも順調にスコアを伸ばしている。特に4.77GHz動作では、シングルコアで約21%、マルチコアでは約28%と大幅にスコアが上昇しており、動画エンコードや大きなファイルのレンダリングを行う場合、オーバークロックは非常に効果的であることがわかる。
|消費電力をチェック
オーバークロックにより、どの程度消費電力が増加するのか確認しておこう。このテストは、アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R11.5」実行中で最も高い値を計測してみる。
オーバークロック状態では、アイドル時でもコア電圧が下がらないため、定格から大幅に消費電力が増加しているのは少々残念なところ。また高負荷時は、電圧が1.200V前後の4.40GHzまでは、20W前後の増加にとどまっており、性能向上のトレードオフとして十分許容範囲内に収まっている。一方、コア電圧を1.380Vまで上げた4.77GHz動作では、72.4Wと大幅に増加しており、性能と消費電力のどちらを重視するかで意見が別れるところ。実際にオーバークロックをする際には、今回の結果を参考に、消費電力と性能のバランスを考慮したい。 |