|オーバークロックによる消費電力の変化を確認
今回2133MHz動作では1.65Vとメモリ電圧がかなり高めとなっているが、これが消費電力にどの程度影響を与えるのか最後に確認しておくことにしよう。
1866MHzの場合、定格と同じ1.50V動作のため、1333MHz(1.50V)からアイドルで0.8W、高負荷時でも1.6Wとそれほど消費電力は増えていない。一方、2133MHz時は1.65Vへと電圧が上がっていることから、1333MHz(1.50V)との比較でもアイドル時で1.5W、高負荷時では4.2Wとかなり増加していることが分かる。特に1333MHz(1.25V)との比較では高負荷時に8.7Wもの差がついており、省電力PCでは無視できない増加量になるだろう。
|省電力PCで力を発揮する「HyperX Genesis LoVo」シリーズ
|パフォーマンス重視ならオーバークロックを狙ってみるのもアリだ
Kingstonの省電力向けメモリ「KHX1600C9D3LK2/8GX」について検証を行なってきたが、1333MHz(1.25V)で定格より最大4.5W、1600MHz(1.35V)でも最大1.4Wほど消費電力が削減されており、低電圧化の効果がはっきりと現れている。
今回はテスト環境として、TDP 95WのCore i7-2600Kを使っていることから、全体への影響はそれほど大きくないがTDP 35WのTシリーズやAtomを使用した省電力PCでは大きな違いになるだろう。また、消費電力が減れば発熱も少なくなるわけで、HTPCのような小型マシンの場合には冷却面でのメリットも大きい。
さらに、今回の個体では2133MHz動作も可能となるなど、オーバークロック耐性も期待できる。個体差があるため、すべての製品で同等のクロックを実現できるかは不確定だが、実売価格4,500円前後と比較的安価なことからオーバークロック狙いのパフォーマンスを重視するユーザーにもかなり魅力的な製品となるだろう。 |