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編集部:
実際の出荷数もしくは売上にどの程度変化があったのでしょうか。
Addy氏:
正確な数字は分かりませんが、おそらくここ数カ月は3倍〜4倍にはなっていると思います。これは世界規模でHDDの代替えという動きが出ている証拠でしょう。
編集部:
昨年10月に参入したSSD市場ですが、現在も非常に競争の激しいカテゴリーとなっています。あえてこの分野にチャレンジする理由はなんでしょうか?
Addy氏:
光学メーカーとしては、今後主要なデバイスのひとつになるであろうSSD市場への進出は至上命題です。かといってSSD市場への参入は後発組となることから、速さ以外にもなにか特徴が必要になるわけです。そこで、PLEXTORの安定性、高品質というブランドイメージを全面に押し出すことにしました。
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PLEXTOR SSDのセールスポイントは大きく分けて3つ。「Plextor True Speed Technology」、「品質」そして「保証」 |
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編集部:
ご存知の通り、日本市場ではIntelやCrucial、OCZなどが人気や実績のあるメーカーです。最近はそこにPLEXTORが食いこんできたという印象ですが、現在の状況をどのように捉えているのでしょうか。
Addy氏:
日本だけではなく世界的にもIntelやCrucial、OCZは人気ですね。ただ、PLEXTORが光学ドライブの時代から持つ品質に対するこだわりはSSD世代となった今も変わりはありません。これは前述のライバルメーカーさんよりも優れている、負ける気がしないと自負できるものです。
|PLEXTOR製SSDの胆、それはファームウェア開発力
編集部:
編集部では初代モデル「PX-M2S」シリーズと現行モデル「PX-M2P」シリーズの両方をテストしました。両者には基板サイズなどに変更があるようですが、いずれもTOSHIBA製(最近はMicron製のNAND FLASHモデルもある)のNAND FLASH、コントローラも同じMarvell製「88SS9174」を採用しています。にもかかわらず大幅にランダムアクセスが高速化されていますが、最大の要因は何でしょうか。
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Marvell製のサーバーグレードコントローラ「88SS9174-BKK2」。「PX-M2S」シリーズから変わらず、現行モデルである「PX-M2P」シリーズでも採用されている |
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Addy氏:
弊社のR&D(Research and Development)が日々研究して開発したファームウェアの恩恵です。具体的には「PX-M2S」シリーズのファームウェアをベースとしたものではなく、「PX-M2P」シリーズの投入にあたって、全く新しいファームを開発しています。
編集部:
では「PX-M2S」シリーズのファームウェアのアップデートなどで、ランダムアクセスの高速化などは検討されないのでしょうか。
Addy氏:
Crucialのようにですね(笑)。弊社はファームウェアのアップデートと同時にハードウェア設計にも変更を加えています。現時点ではファームウェアのアップデートのみを提供することは考えていません。
編集部:
「PX-M2P」シリーズの「128GB」モデルと「256GB」ではNANDフラッシュの搭載枚数は同じですが、ライト性能が異なっています。これはNANDフラッシュメモリが容量によって速度が変わってくるためなのでしょうか?それともファームウェア的な要因なのでしょうか?
Addy氏:
NANDフラッシュのスピードの違いです。ファームウェアは基本的に「128GB」モデルと「256GB」のどちらも共通なので、大容量になるほど高速ということになります。
編集部:
では、重要なポイントを確認したいと思います。PLEXTORのSSDに搭載されている「Instant Restore」機能では、実際にどのような事を行い、パフォーマンスの低下を抑制しているのでしょうか。
Addy氏:
一般的にMLCのNANDフラッシュでは、ページ(一般的なMLC NANDフラッシュの場合4Kバイト)単位でデータの読込/書込を行います。そのため、4Kバイト以下のデータを書き込みした場合でも、ページは使用済みになるわけです。そして、その使用済みページに更にデータを追加する際に発生する「リード・モディファイ・ライト」がSSDの速度低下の原因です。
そこで、「Instant Restore」では、4Kバイト未満のデータについては、一時的にキャッシュしておき、4Kバイトになった時点で書込むことで、使用済みページへの書込を最小限に抑える事ができるようになっています。ただ、そのぶんランダム書込については他社の製品に比べると若干遅くなっています。
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「Plextor True Speed Technology」は、Marvell製のサーバーグレードコントローラ「88SS9174-BKK2」とTOSHIBA製のNAND Flash、オリジナルファームウェアで構成される |
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SSDを長期間にわたって使用しても速度低下を抑えることができる「Instant Restore」についてのスライド。4Kバイト未満のデータについては、一時的にキャッシュしておき、4Kバイトになった時点で書込むことで、使用済みページへの書込を最小限におさえる事ができるようになっている |
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編集部:
ランダム書込性能を多少犠牲にしても、長期間安定した性能が出るように調整されていわけですね。ただ、実際には4K書込もそれほど低下していませんが。
Addy氏:
はい。それはやはり弊社のR&Dの研究の賜物といったところでしょうか。
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