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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
 Home >エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.2 2011年は反転攻勢へ! 日本Shuttleの偉い人 伊藤氏に聞く
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「原点回帰」を目指し刷新された製品開発プロセス

編集部:
 現在、Shuttleのベアボーンにおいて、AtomやION系の小型モデルとキューブモデルとの売り上げ比率はどのくらいになっているのでしょう。

伊藤氏:
 うーん、3:7くらいですかね。3がAtomやION系の小型モデルです。やはりShuttleというとキューブモデル。逆にAtomやION系は競合他社さんが多いですから。

編集部:
 キューブモデルだと現在の人気モデルはどれでしょうか?「SH55J2」「SG41J1 PLUS」あたりでしょうかね。

伊藤氏:
 そうですね。「SH55J2」も人気ですが、一番となるとやはり価格も安い「SG41J1 PLUS」でしょうか。それでも「期待したほどでもなかった」というのが正直なところかもしれません。「SG41J1」シリーズというのは、パフォーマンスを落とさずにコストをどれだけ削れるかがポイントのモデルでした。結果的に従来のShuttleユーザーさんからは厳しい意見を多く頂きましたね。素材がアルミからスチールになったりと、いわゆる昔からのお客さんが気に入って頂いていた点を省いちゃいましたから。

編集部:
 クーラーも別売りになりました。Shuttleのベアに付くCPUクーラーは、あれはあれで、なかなか評判が良いですからね。

伊藤氏:
 はい。そこで今度は、本社の製品開発部に刷新のメスが入りました。今までは混在していたノート部門やベアボーン部門を、リビジョン毎のデスクトップチームとOEM向けのノートブックチームでしっかり分けましょうと。
 さらに、製品開発のトップにかつて北米のShuttleを立ち上げた初代の社長を据えました。彼は「Shuttleのアイデンティティをなくしてはいかん」ということで新たに開発に着手。それが反映されるのが来年からのラインナップということになります。

編集部:
 ということは、基本的には「原点回帰」でしょうか。既存のシャトルユーザーも満足するようなShuttleらしい製品をということですね。

伊藤氏:
 そうなりますね。ぜひご期待いただきたいところです。



「“Sandy Bridge”搭載モデルはなるべく早く発売しないといけません」

Shuttle Shuttle
・今年8月に登場した「H55」採用の「SH55J2」。Shuttle待望の「H55」採用モデルということで話題となった製品だが、いかんせん市場への投入時期が遅すぎた。同社では今後の改善点とし、次期“Sandy Bridge”モデルではその轍を踏まないようにすべく準備を進めているという


編集部:
 2011年1月登場とウワサの“Sandy Bridge”搭載モデルの予定などはあるでしょうか?

伊藤氏:
 もちろん、あります。そして、そこで問題となってくるのが“Shuttleのキューブだからユーザーは3カ月、6カ月待ってくれる”という考え方は、もうやめようと言うことです。
 CPUと同時に販売されるマザーボードがあるわけですから、それらとあまり間をおかずにリリースしたいですよね。
 実は製品サンプル版が各国の支社に配布されるのは、今までもそんなに遅くなかったんです。ところが、不具合が見つかるとその解消に時間がかかり過ぎてたんですね。もちろんASUSを始めとした大手マザーメーカーとは違いますので、人員のリソース等の問題もあり簡単ではないですが、そこは解決していかなくてはなりません。

編集部:
 それでは“Sandy Bridge”が仮に1月としたら、これまでは、春が来ても搭載キューブにお目にかかれそうにはありませんでした。今回はそんなことはないぞ、と?

伊藤氏:
 ええ、確実にとお約束はできませんが、個人的にはそれこそ桜が咲く前には市場にないといけないと思ってます。「Clarkdale」向けの「H55」搭載マザーが一斉発売されたのが今年の1月。うちのキューブPC出たのが8月ですからね。
 先ほどお話しした事情があるにせよ、これはいけません。「XS35」も当初は3月の予定だったのですから。これもファンレス化するために遅れたという裏事情があるにせよ、やはり販売までの時間がかかり過ぎです。
 また新モデルという意味では、キューブより小さい3Lクラスのソケットモデル。AtomやIONでは物足りないけど、小さい筺体が欲しいという要望に答えられるモデルですね。この辺も予定されています。

編集部:
 CPUを換装可能な小型PC。「XS35GT」あたりでは物足りないユーザー向けですね。

伊藤氏:
 そうなります。すでに具体的なスペック等も決まっていますが、キューブよりは安く、1万円前半で収まるようにしたいと思っています。

編集部:
 では、Shuttle全体のラインナップとしては、キューブ、オールインワンモデル、小型PCで展開されていくということですね。

Shuttle Shuttle
・2010年のShuttleを代表するモデルとなった「Atom D510」搭載の小型ベアボーン「XS35」と「XS35GT」。基板上にはファンコネクタの空きパターンがあるそうで、ファンレス化に切り替えた跡がうかがえる。2011年には同シリーズの後継として、ハイスペックなソケット採用のモデルも用意されているというので、そちらも楽しみだ



18インチ、CULV採用、バッテリーパックの搭載で変わるオールインワンモデル

編集部:
 では、オールインワンモデルについて伺いましょうか。タッチパネルの「X50 V2」ですね。こちらは、まだ継続でしょうか。

伊藤氏:
 これに関してはODMという形では既にバッテリーパックを搭載したものを生産しています。よって今後はShuttleブランドとしての新製品がもうすぐ出る予定です。サンプル実機も先日チェックしましたので、各国でのチェックが済み次第、生産に入れる状態と聞いています。

編集部:
 「X50 V2」のCPUは「Atom D510」でした。後継機もAtomを採用するのですか?

伊藤氏:
 新モデルについてはAtomでは難しいようで、CPUパワーの問題です。やはりこのモデルについては、iPadは無視できないと思います。ではどう差別化するか、となるとパワーを上げるしかない。そこでCULVの採用です。プラス背面へのバッテリーパックの搭載。家の中でのモバイル性の重視とでもいいましょうか。

編集部:
 外に持ち出すよりも、子供部屋からリビング、キッチンへといった家庭内ユースですかね?

伊藤氏:
 ですね。そのあたりはiPadを意識しますよね。寝る前に枕元でも閲覧できる。よって今回バッテリーパックの採用は必須でした。

編集部:
 そもそもなんですが、「X50 V2」は成功したモデルと言えるんでしょうか?

伊藤氏:
 細かいお話をすると、構成比は圧倒的に法人さんなんです。
 例えば、パネルについて。法人さんは抵抗膜方式が希望なんですね。押した圧で反応するタイプです。工場での作業中に手袋をした状態で操作する、そういう場面ではいわゆるiPhoneでは好評な静電容量方式は不便で、むしろ抵抗膜方式にしてくれと言われる。これはメーカーにとっては大変なジレンマです。今度は一般家庭での利用を考えると、普段はiPhoneやiPadを使っているものだから、操作感の違いにストレスを感じてしまう。マルチタッチも同様で、法人さんが使うようなアプリケーションでは必要ないですから。ですので、法人さん中心に成功したモデルと言えると思います。

編集部:
 両バージョン作るという選択肢はなかったんですか?

伊藤氏:
 ないですね。こちらの都合になってしまいますが、型を2通り起こさなくてはならない等コストがかかり過ぎる点で。実は、現在のX50のバージョン2はマルチタッチになるはずでした。サンプルもマルチタッチだった。でもマーケティング的には見送られてしまったんです。どうしても社内の意見で、売り上げのある法人チームの意見が優先されたという側面はあります。このオールインワンモデルに限っては、価格が上げてまでマルチタッチは不要だという結論です。

編集部:
 法人ユースがメインということでしたが、個人さん向けにはiPadに勝るポイントですよね、例えばBlu-rayの再生ができるとか。

伊藤氏:
 そうなりますね。

編集部:
 そう考えると、意地悪なようですが、今度はノートPCでいいんじゃないの? と聞かなければなりませんが(笑)。

伊藤氏:
 確かに(笑)。ただ、液晶を現行モデルの15.6インチから18インチにアップすることを考えてます。こうなると大概のノートPCより大きいですよね。仕様詳細については決定してませんが、来年前半にはお披露目出来るかと思いますので楽しみに待っていてください。


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SX58H7SX58H7
Core i7シリーズが搭載可能な、ハイエンドキューブ。 ATI CrossFireXやNVIDIA SLIにも対応し、複数のグラフィックスボードで3D描画性能もアップできます
 
SG41J1SG41J1
Mini-ITX準拠のシャーシを採用したキューブ型ベアボーンです。Intelの45nm版プロセッサやデュアルディスプレイに対応。コストパフォーマンスに優れた多機能なパソコンをすぐに実現できます
 
SG41J1SG41J1 PLUS
新型シャーシ採用ベアボーンの上位モデルです。高性能なDDR3メモリーに対応。パフォーマンスの高さと先進性を求める方にお薦めです
 
SH55J2SH55J2
対応ソケットはLGA1156で、Intelの主力CPUを搭 載できます。チップセットはIntel H55。CPU内蔵のグラフィックス機能にも対応し、ホー ムユーザーからオフィスユーザーまで満足できる製品です
 
SX58J3SX58J3
Intel X58チップセットを採用し、Core i7シリーズを搭載可能。ミドルタワーをも凌駕する高性能PCが作れます。マザーボードはMini-ITX仕様で、長く自作PCを楽しめます
 
XS35XS35
幅がわずか38.4mmの、スリムでコンパクトなベアボーンです。CPUにAtom D510を搭載。スリムドライブベイや2.5インチベイなど、十分な拡張性も確保しています
 
XS35GTXS35GT
新たにNVIDIAの次世代IONを採用し、従来モデルからグラフィックス機能を大幅に強化しました。スリムドライブを増設すれば、Blu-ray Discの再生にも対応します
 
X50 V2X50 V2
タッチパネル液晶採用の、オールインワンベアボーン。指で簡単に操作できるため、家庭、オフィス、公共の巣エースなど幅広く活用いただけます
 
SA76G2 V2SA76G2 V2
新たにAMDの6コアCPUに対応しました。チップセットは従来モデル同様AMD 760Gを搭載。ATI Radeon HD 3000のグラフィックス機能を内蔵しており、小型ながら3Dゲームも快適に楽しめます
 
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