「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
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エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.2 2011年は反転攻勢へ! 日本Shuttleの偉い人 伊藤氏に聞く
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AMD系チップセット採用の新モデルは期待薄・・・
・現在のところ唯一のAMD系ラインナンップとなるSocket AM3対応の「SA76G2 V2」。AMDの6コアCPUもサポートするとはいえ、チップセットが「AMD 760G」+「SB710」というのはやはり弱い。最低でも「AMD 880G」あたりは採用してほしいが、なかなか問題は山積みのようだ
編集部:
今度はAMD系のモデルについてお話を聞きたいと思います。さきほど“Sandy Bridge”搭載モデルの予定はしっかりロードマップとして存在しているとのことでしたが、AMD系チップセットについてはどうでしょうか?
伊藤氏:
残念ながら、今のところは様子見となります。
編集部:
日本では売れてないですか?
伊藤氏:
正直あまりよくないですね。ただ、なぜかアメリカではごっつい売れているようですが。
編集部:
ハッキリ言ってチップセットが「AMD 760G」+「SB710」って。
「SA76G2 V2」
のことですが。せめて今なら最低でも「AMD 880G」だろうと言いたくなりますが・・・。
伊藤氏:
現在、見直し中ということで。アメリカでは売れてても、他で売れてないので正直台湾も困ってはいるようです。ただ、AMDプラットフォームのミドルレンジキューブPCというカテゴリーは他社さんもあまり手を付けてない分野ですので。独占的に売れるという側面もある。なのでエントリーモデルを継続していくという話にはなっています。
編集部:
Intel系の製品となにが違うんでしょうかね?
伊藤氏:
AMDプラットフォームの良い点という意味では、出せば最初はある程度が確実に売れる点です。ただ、だからといって1モデルを3モデルに増やしても、全体の出荷数はあまり変わらないんですね。インテルはラインナンップを増やせばそれなりに反響はあるのですが。ですので、あまり本社もラインナップを増やしたがらないというのが現状なんです。
編集部:
ユーザーの層の違い?ということでしょうか?
伊藤氏:
はい、そうですね。正確なデータとしてあるわけではないですが、もしかすると、AMDのパフォーマンスユーザー(=ハードユーザー)にとっては、そもそも省スペースPCやキューブという選択肢が頭にないのかもしれません。
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Mini-ITX互換ケースの採用は終了!? 将来的にはATXケースへの参入も
編集部:
なるほど。話が変わりますが、キューブケースがMini-ITX互換になりましたよね。これは、来年以降の新モデルにも継続されるんでしょうか?
伊藤氏:
う〜ん。
正直言って今のところは「ない」
と思います。やってみて分かりましたが、Mini-ITXマザーに換装できますよと言ってもShuttle的にあまり利点が見出せない。まぁ今になってと言う話でもないんですが。
編集部:
そもそもの発端は、確か・・・。
伊藤氏:
ええ、約3万円前後のキューブを購入して、PCを乗り換えるときにケースごと捨てなければならない。「それは勿体ないよね」というのが出発点でした。ただ、先ほども言った通り、現在普及型の小型PCベアボーンの価格は2万円以下まで下がっています。そうなると、買い替え時にケースを残してというメリットも少ないですね。アイデア自体は悪くないと思いますが、ハッキリ言ってMini-ITX互換にしたタイミングが遅かったと思います。
さらに、Mini-ITX互換をとることでかえってケースサイズが大きくなったパターンも出てきまして。横幅がでかくなっちゃったんです。そして最後は、Mini-ITX市場が思ったほど大きくないのではないか、という根本的な理由ですね。どうしても通常のATXと比べると対象とする市場が小さすぎます。こちらもメーカーの認識不足という点は否めませんでしたが。
編集部:
これは以前にも話に上がったと記憶してますが、マザーの単体販売などは検討されてますか?
伊藤氏:
ないですね。それこそ小さいマザーボードは世界で一番作ってそうなんですが(笑)。価格もケース付きであれですからね。他のMini-ITXマザーと比べても安いでしょ、Shuttleのマザーは。でも単体ではやらないほうがいいと思います。サポートの問題もありますし。
キューブベアボーンの市場では不動の地位を築いているShuttleの製品は、秋葉原のショップでも専用コーナーを設けるところも少なくない。今後も意欲的な新作が続々と投入予定ということで、2011年にかけて注視したいメーカーのひとつとなるだろう
編集部:
ではなにか別のカテゴリーの製品をやられるとか?
伊藤氏:
その点は常に本社も模索しているようです。これまでも成功か失敗かは置いといて、色々やりましたからね。今は、ケースです(笑)。あ、Mini-ITXじゃないですよ。普通のATXです。まだまだ計画段階で決まってない部分も多いですけどね。本当は電源とかUSBのアンプとかありましたけど、計画からは消えました。
編集部:
なるほど。ケースは楽しみですね。発売されたら、是非、エルミタでもレビューさせていただきます。今回は、ありがとうございました。また来年も一度インタビューをお願いします。
キューブ型ベアボーンでは最強と目されるShuttle。今回のインタビューでは、ベアボーン市場の劇的な変化の波にさらされながらも復活を遂げた2010年の舞台裏をリアルに聞くことができた。 AtomやION系のMini-ITXマザー採用の波が、いかに市場にインパクトを与えたか。2011年はまず“Sandy Bridge”登場が予定されているが、規格を牽引するパーツの開発スピードの中で、どのようなメーカーが生き残っていくのだろうか。
原点回帰で復活を遂げたShuttleの方向性を見ると、他のメーカーにおいても製品ラインナップを増やすばかりが攻めの姿勢ではないとわかる。今後も、各社のロードマップには期待を込めて注目していきたい。
取材協力:日本Shuttle株式会社
http://www.shuttle-japan.jp/
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SX58H7
Core i7シリーズが搭載可能な、ハイエンドキューブ。 ATI CrossFireXやNVIDIA SLIにも対応し、複数のグラフィックスボードで3D描画性能もアップできます
SG41J1
Mini-ITX準拠のシャーシを採用したキューブ型ベアボーンです。Intelの45nm版プロセッサやデュアルディスプレイに対応。コストパフォーマンスに優れた多機能なパソコンをすぐに実現できます
SG41J1 PLUS
新型シャーシ採用ベアボーンの上位モデルです。高性能なDDR3メモリーに対応。パフォーマンスの高さと先進性を求める方にお薦めです
SH55J2
対応ソケットはLGA1156で、Intelの主力CPUを搭 載できます。チップセットはIntel H55。CPU内蔵のグラフィックス機能にも対応し、ホー ムユーザーからオフィスユーザーまで満足できる製品です
SX58J3
Intel X58チップセットを採用し、Core i7シリーズを搭載可能。ミドルタワーをも凌駕する高性能PCが作れます。マザーボードはMini-ITX仕様で、長く自作PCを楽しめます
XS35
幅がわずか38.4mmの、スリムでコンパクトなベアボーンです。CPUにAtom D510を搭載。スリムドライブベイや2.5インチベイなど、十分な拡張性も確保しています
XS35GT
新たにNVIDIAの次世代IONを採用し、従来モデルからグラフィックス機能を大幅に強化しました。スリムドライブを増設すれば、Blu-ray Discの再生にも対応します
X50 V2
タッチパネル液晶採用の、オールインワンベアボーン。指で簡単に操作できるため、家庭、オフィス、公共の巣エースなど幅広く活用いただけます
SA76G2 V2
新たにAMDの6コアCPUに対応しました。チップセットは従来モデル同様AMD 760Gを搭載。ATI Radeon HD 3000のグラフィックス機能を内蔵しており、小型ながら3Dゲームも快適に楽しめます
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