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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
 Home >エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.9 老舗冷却機器メーカーZALMANが目指す新たなステージとは?
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寒い地域で自作が人気?15万円のケースがバカ売れ

編集部:
 ZALMANから見る日本の自作市場はどのような印象でしょうか。

Yoo氏:
 自作ユーザー層が厚いと感じています。例えば韓国で自作をするユーザーといえば、おそらく20代から30代前半の若い方が中心です。日本では20代〜40代、50代と実に幅広い層の方に親しまれている印象を受けます。その分、製品に対する評価もシビアですから、ZALMANとしても日本市場で成功した製品はワールドワイドでも売れるという認識で常に臨んでいます。

編集部:
 ではYooさんのような40代の方で自作をされる人は少ないんですね。

Yoo氏:
 そうかもしれません。韓国では完全な自作PCというよりはショップさんのホワイトボックスを購入される人が多いですね。メーカー製PCよりも多いかもしれません。

編集部:
 ワールドワイドで製品を販売しているZALMANですが、現在成長著しい自作市場はどの国(地方)ですか?

Ihn氏:
 現在非常に好調なのがロシアです。地域という点ではCIS(Commonwealth of Independent States:独立国家共同体)ですね。最近ではオイルマネーで潤っている地域も多く、昔に比べて豊かになっているからでしょうか。
 またスカンジナビア半島といいますか、スウェーデンやフィンランドも意外に売れています。おそらくなんですが、寒い地域のかたは自宅にこもって趣味に時間を費やすことが多いのではないでしょうか。考えすぎですかね(笑)。

編集部:
 ロシアは自作ユーザーが多いですよね。専門サイトも数多くあるようですし。

Yoo氏:
 以前、2003年頃だと思いますが完全無音のアルミケース「TNN500A」という製品を覚えていますか?販売価格が150,000円くらいしたものです。実は一番売れた国がロシアでした。ちなみに次点はアメリカと日本です。ですから昔からロシア市場は好調です。そのほかで言えば、当然アメリカ市場は売れていますね。最近では所得の増加に伴い中国市場も延びています。

無音アルミケースとして当時話題となったスーパーハイエンドケース「TNN500A」。国内での店頭価格は148,000円。こんなケースがたくさん売れたというロシアの自作市場。どうやら強者揃いのようだ



SSD進出は始めの一歩、採用メーカーには今後もこだわらない

編集部:
 韓国といえばスマートフォンの本場と言っても差支えないと思います。昨今のタブレットやスマートフォン普及はZALMANとしてはどのように捉えていますか。SSD市場への参入など新規カテゴリーへの進出とも関係はあるのでしょうか。

Ihn氏:
 ZALMANにとっては非常に厳しい現実と言えるかもしれません。今後直近で乗り越えていかなくてはならない課題であることには違いませんが、新規カテゴリーへの参入もそれとは無関係ではありません。

編集部:
 では、あえて激しい競争が繰り広げられているSSD市場に参入した理由のひとつであるということでしょうか。

ZALMANとしてはSSD市場参入第1弾モデルとなる「SSD-F1」シリーズ。コントローラにSandForce 2281を採用した高速タイプの製品だ。もともとはアメリカ市場からのリクエストで製品化されたという

Ihn氏:
 そうですね。ただSSD市場への参入にはもうひとつ理由があります。それはアメリカのユーザーさんやショップさんからZALMANブランドのSSDが欲しいという要望が多かったという点です。私は2001年頃から日本市場も担当しているのですが、当時流行った言葉がありました。“笊化”というのですがご存知ですか?簡単に言えば、手持ちのパーツをZALMANの製品に換装する作業をさしていたと理解していますが、韓国などではPCケースからファンコン、CPUクーラーなどなるべくZALMAN製品で固める“ZAL化”が早くから流行っています。その一環でSSD発売への要求もあったということです。

 正直なところSSDってただの四角い箱(ケース)に入っているだけですよね。特徴を非常に出しにくいカテゴリーの製品だという認識は当然我々にもあります。例えば以前、電源ユニットを投入するに当たり、内部にヒートパイプを採用しました。なにもSSDにヒートパイプを取り付けると言うことではなくて、なにかZALMANらしいウリとなる特徴が、たとえSSDのような製品でも付与できるように努力をしたいと思っています。

編集部:
 「SSD-F1」シリーズはSandForce SF-2281を採用しているモデルでした。今後はMarvellコントローラ採用モデルなども検討しているのでしょうか。

SandForce 2281採用モデルは他社からも多数のモデルが発売中。それだけに価格競争も激しく、毎週値下がりする一時のHDDのような状態になっている。後発のメーカーにとっては特に厳しい市場だろう

Ihn氏:
 言うまでもなくSSD市場は非常に厳しいものです。差別化が図りにくいうえ、価格競争も激しく、またIntelやSAMSUNGといった大手も参入しています。
 今回はアメリカ市場からの要望もありSandForce製コントローラー採用モデルを発売しましたが、SSDメーカーとしては全くの後発組です。他社さんと比べて、地べたを這うような存在といっても過言ではありません。将来的に重要なカテゴリーの製品という認識はもちろんありますが、SSD事業自体が会社として本当に必要なのかという判断も含めて、今後も慎重に検討していきたいと考えています。当分は市場が要求するモデルを優先的に提供していく形となるはずです。よって特にコントローラなどにこだわりなく、ZALMANの品質基準をクリアしたものであれば取り扱う用意はあります。

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