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|Radeon HD 5870×2枚挿しで実際に組み込んでみよう
外観および内部構造をチェックしたところで今度は実際にPCを組み込んでみたい。
ゲーミングPCケースを標榜するならば、ここはやはりマルチグラフィックスと行きたい。そこで今回はRadeon HD 5870を2枚用意し、これをCrossFire構成とした。なお今回用意した主要構成パーツは以下通りとなる。
Intel Core i5-750(Lynnfield) |
Intelリテールクーラー |
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組み込みは至って簡単。組み込み易さも「Six Hundred SE」の特徴のひとつで、工作精度も良好。つくづく今のケースはよく出来ているなぁと感心させられる |
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Radeon HD 5870を2枚挿しで組み込んだ「Six Hundred SE」。内装ブラックにATIコーポレートカラーのレッド2ラインはとてもよく似合う。「Six Hundred SE」はサイドパネルがアクリル窓になっているため、パネルを閉じてもこの姿が隠されてしまう事は無い。ゲーミングPCは見た目も重要だ |
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ドライブ構成は3.5インチSATA HDDを1台、2.5インチSATA SSDを1台の最小構成。マルチグラフィックス構成にした場合、カード長によってはドライブベイに干渉してしまうため、実質3.5インチシャドウベイ部は3段が潰れてしまうが、ここは致し方ないだろう |
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「GV-R587D51GD-B」の奥行きは公称265mm。ATXマザーボード幅よりも長いサイズのグラフィックスカードを収めるとこのようなイメージに |
サイドパネル部に120mmファンを搭載させれば、グラフィックスカードを効率よく冷却させる事ができるだろう |
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3.5インチHDDと2.5インチSSDを各1台組み込み、グラフィックスカード2枚を挿すとこのようなレイアウトに。カード長265mmだとHDDに覆い被さるような位置関係になる事が分かる |
|最大の武器、トップ200mmファンの恩恵は「大」
|無茶をしなければLow設定静音稼働が正解
例によって、ケース内エアフローを矢印で示したのが上の画像。このように見ると、現在主流となっている電源ユニットボトム搭載を採用するケースとして、非常にオーソドックスなエアフローレイアウトである事が分かる。
フロントファンは120mm×1基だが、HDDをたくさん積むユーザー向けにもう1基増設する余地もある。さらに画像には無いものの、サイドパネル部にも120mmファン1基が搭載可能となり、十分に高エアフローPCケースと言って良いだろう。
念のため、Radeon HD 5870×2基搭載構成でのケース内温度を計測してみた。
注目したのは、200mmファンの効果。トップ排気の恩恵はどれほどのものなのかと、Low/Middle/High3段階中、低速回転時(Low)と高速回転時(High)両者の温度を計測した。計測箇所はちょうどケース内部の5.25インチシャドウベイと3.5インチシャドウベイ間で、サーミスタ付きのデジタル温度計を使用。「3DMark06」を30分間走らせた時点での結果は、以下通りとなった。(リア120mm排気ファンはLow設定)
想像ではもうちょっと高い温度になると思っていたが、Low設定時で28.5℃、High設定時で27.9℃と、結果は良好と言えるだろう。
このモデルでは、各回転数設定時の公称回転数や騒音値は未公表となっているが、さすがにHigh設定時では“Highなりの”音が出るものの、そこは200mm大口径だけにうるさいと感じる事は無かった。
このテストを行ってみた感想は「十分Low設定で良いじゃないか」のひと言に尽きる。
おそらくは200mm大口径が作り出す強力な排気能力のおかげで、Low設定でも十分にケース内部の排熱は行われており、High設定で大きなケース内部温度低下がみられない結果を考慮すれば、可能な限り低速で静かに稼働させた方が良い。ユーザーの使い方は千差万別だが、相当な無茶をしない限り、ゆるゆると回転させて使う事をお勧めしよう。
このサイズのPCケースであれば十分合格点
手頃な価格と充実冷却はエントリークラスでの大穴か
画像中心に実際に組み込んだ状態を見てきたが、結論から言うと、このサイズのPCケースであれば合格点を出しても良いだろう。
上を見ればきりがないワケだが、敢えてモデル名を出すならば以前採り上げたCoolerMaster「CM690II Plus」に比べ、それぞれ幅 -29mm、奥行き -36.8mm、高さ -20.8mmと小振りなボディでありながら、拡張性の確保および冷却機構も充実しており、約5,000円ほど手頃な価格設定を実現するところは、エントリークラスとは言え、さすがAntecブランドと言えるだろう。
“Gamer Cases”というカテゴリには入れられているものの、今ドキのスペックを備え、さらに高冷却。ハイエンド構成にも十分対応する「Six Hundred SE」はこの価格帯のミドルタワーPCケースを探しているゲーマー以外の方にもお勧めできるモデルだ。 |
本稿はこれだけでは終わらない。「Six Hundred SE」の実力を知った所で、さらにAntecの低価格普及帯戦略的モデルとして用意されている「Two Hundred S」もご紹介しよう。 |
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