|「HD Tune Pro 4.60」ベンチマークテスト
次に「HD Tune Pro 4.60」を使い、より詳細な性能と傾向をチェックしていくことにしよう。
Benchmark Readは、約300MB/secとやや低調だが安定したグラフ。またWriteは都合3箇所で性能が落ち込むが、それ以外は全容量域で380MB/secをキープしており安定している。File Benchmarkは、Readが約440MB/sec、Writeが約450MB/secと「CrystalDiskMark 3.0.1c」より若干低いが、SATA3.0(6Gbps)対応SSDとして問題ない性能だ。
またRandom Accessは、Readが最大8,400 IOPS、Writeが最大36,000 IOPSで、特にWriteについては、NCQが効かない場面でも高速な転送を実現している。
|「ATTO Disk Benchmark 2.47」ベンチマークテスト
続いて「ATTO Disk Benchmark 2.47」を使って、シーケンシャルアクセスの最大性能を確認しておこう。
読込は最大546MB/sec、書込は最大465MB/secで、いずれも公称値に近いパフォーマンスを発揮。ちなみに、最近のSATA3.0(6Gbps)対応SSDでは、シーケンシャル読込はほとんど差がなく、そろそろインターフェイス側の限界が来ている印象だ。
|「Everest2」プラットフォームの自動回復機能をチェックする
SSDを使用する上での大きな問題に、大量データ書込によるパフォーマンス低下がある。そのためWindows 7ではTrimコマンドが追加され、長期間使用した後でも性能低下を抑えるようOSレベルで改善されている。
「Everest」プラットフォームでは、さらに独自機能としてガーベッジコレクションを発展させた”自動回復機能”を搭載する。これは一度パフォーマンスが低下してしまったSSDの性能を元の状態へと回復できるというものだ。
ちなみにユーザーの操作は一切必要なく、PCを放置しておくだけでコントローラが自動処理を始め、約30分でほぼ元の性能まで回復させることができるという。そこで最後にこの”自動回復機能”について検証してみよう。
テスト方法は、「Iometer 2008」の「4K Random」テストで「VTX4-25SATA3-512G」に大量データを書き込み、「CrystalDiskMark 3.0.1c」を使って性能がどのように変化するのか確認した。
|
データの書込は「Iometer 2008」の「4K Random」テストを使用 |
|
|
ベンチマークテストが起動できる、ギリギリまでデータを書き込んだ |
|
|
|
データ書込直後の「CrystalDiskMark 3.0.1c」の結果 |
|
10分放置後の「CrystalDiskMark 3.0.1c」の結果 |
|
|
|
20分放置後の「CrystalDiskMark 3.0.1c」の結果 |
|
30分放置後の「CrystalDiskMark 3.0.1c」の結果 |
|
|
大量データを書き込んだ直後は、シーケンシャル読込が430MB/secまで落ちこんている。しかし10分放置すると性能は490MB/secまで回復。30分放置するとほぼ元の状態の500MB/secまで回復しており”自動回復機能”がしっかりと働いていることがわかる。
また今回の検証では都合13回「Iometer 2008」によるデータ書き込みを行なっているが、いずれも同様の結果で極端な性能低下は見られなかった。このことから「Vertex 4」シリーズは、もともと大量データによる性能劣化が少ないSSDといえるだろう。
|「Everest」プラットフォームの本領発揮。2.5インチSSD最高クラスの性能を実現した「Vertex 4」シリーズ
今回はOCZ「Vertex 4」シリーズの512GBモデル「VTX4-25SAT3-512G」を検証してきたが、最も印象的なのはやはりランダムアクセス性能だ。
「CrystalDiskMark3.0.1c」の4K QD32では、読込、書込とも80,000 IOPSを上回り、これまでPCI-Express接続のSSDでなければ体験できない高い転送速度を実現。さらに、NCQの効果が薄い4KやHD Tune 4.60のRandom Accessテストも優秀で、先代「Everest」搭載モデルの弱点がしっかりと改善されている。シーケンシャルアクセスも2.5インチSSDでは最高レベルで、まさに隙のない製品だ。
さらにSSDを使う上での不安要素”大量データの書き込み”にも強く、劣化した性能を回復できる”自動回復機能”を搭載した「Vertex 4」シリーズは、信頼性や安定性を重視するユーザーにも魅力的な製品となるだろう。 |