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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.117 GIGABYTE「GV-R797OC-3GD」ファーストインプレッション
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GPU-Z 0.5.7で動作クロックをチェックする

 最近のグラフィックスカードでは、アイドル時の消費電力を抑えるために動作クロックが可変となっている。そこで、「GPU-Z 0.5.7」を使って動作クロックを確認してみたところ、アイドル時はコアクロックが300MHz、メモリクロック150MHz(実クロック600MHz)まで下がることが確認できた。

GPU-Z
GPU-Z 0.5.7の結果。コアクロックは1,000MHz、メモリクロックは1,375MHz(実クロック5,500MHz)となっている
GPU-Z
次に実際の動作クロックを確認したところ。アイドル時はコアクロックが300MHz、メモリクロック150MHz(実クロック600MHz)まで低下する
GPU-Z
フルロード時はコアクロック、メモリクロックともしっかりと規定のクロックまで上昇する



3連ファンでGPUを確実に冷やす「WIND FORCE 3X」

 AMD Radeon HD 7970のオーバークロックGPUを安定的に冷却させるために、GIGABYTEはオリジナル最上位VGAクーラー「WIND FORCE 3X」をチョイスした。
 PWM制御の3連ファンとφ8mmの純銅製ヒートパイプ3本で構成された独自の“TriangleCool Technology”は、ヒートシンクに対して効率的な気流を作り出し、静音稼働でも高い冷却能力を実現する。なおメーカーのアナウンスによると、リファレンスに比べ15%の冷却能力向上が謳われている、GIGABYTEでは最強のVGAクーラーというわけだ。

GV-R797OC-3GD
「WIND FORCE 3X」で最も目を引くのは迫力の3連ファン。馴染みの汎用ケースファンで言えば80mm口径といったところだが、インペラの直径は実測値で75mmだった
GV-R797OC-3GD
「WIND FORCE 3X」を横から見ると、ヒートシンクは左から(拡張スロット側)ブロック状、GPU部の大型ヒートシンク、右端の薄型ヒートシンクの3つから構成され、それぞれの上部にはファンがレイアウトされている



「WIND FORCE 3X」の挙動

 AMD Radeon HD 7970のオーバークロック版「GV-R797OC-3GD」本来のポテンシャルを検証する前に、「WIND FORCE 3X」にスポットをあて、その挙動をチェックしよう。
 通常VGAクーラーで一番のポイントは「どれだけ冷やせるのか」である事は言うまでもない。ただしここでは「WIND FORCE 3X」のヒートシンク温度および騒音値について注目してみたい。


■「WIND FORCE 3X」のヒートシンク温度分布

 VGAクーラーもCPUクーラーと変わりなく、“Processing Unit”を冷やすことがその目的だ。よってその冷却方法に大きな違いは無い。
 「WIND FORCE 3X」を横からのぞき込むと、(大まかに言えば)3つに分かれたアルミニウム製ヒートシンクの上に、それぞれファンが搭載され、トップフロー型の冷却装置になっているのがわかる。中でも大役を担うのはセンター部にレイアウトされるヒートシンクで、GPUおよびメモリチップに接触。両熱源を冷却し、安定動作させている。またφ8mmヒートパイプで持ち上げられた左右のヒートシンクは、基板およびチップには一切接触していない。つまり、センター部のヒートシンクからヒートパイプの熱移動により熱が振り分けられ、冷却の補助を行っているワケだ。
 なお左右のヒートシンクが宙に浮いている事で、ファンからのエアフローは基板に吹き付けることになり、直接基板上を風の力だけで冷却させているという側面もある。
 では「3DMark11」実行時のヒートシンク温度計測結果を見ていこう。

GV-R797OC-3GD
「3DMark11」実行時のヒートシンク箇所別温度計測結果

 GPUとメモリチップに接触し、最も重要であるセンター部のヒートシンク温度は、高負荷状態下で32.1℃だった。また拡張スロット側は32.8℃、さらに最もPCケース内部側となるヒートシンクは45.2℃まで達し、3カ所中では一番高い数値が計測されている。理論上、GPUとメモリチップに直接触するセンター部が高熱になるはずだが、想像とは違う結果となった。これは45.2℃にまで上昇した部分が電源周りの上に位置する事から、その影響を受けているものと考えられる。ちなみにこの部分のヒートシンク厚は「WIND FORCE 3X」では最も薄い実測値約10mmで、これも温度が高い要因になっているのかもしれない。


■「WIND FORCE 3X」の騒音値

 次に「WIND FORCE 3X」動作時の騒音値をみていこう。ここではデジタル騒音計を用い、拡張スロットから30cm離れた地点を計測ポイントとした。なおテスト室内の騒音値は29.7dBAだった。

GV-R797OC-3GD
アイドル状態と「3DMark11」実行時の騒音値テスト結果
※室内騒音値29.7dBA

 結果はアイドル時は30.9dBA、高負荷時で32.5dBAで、数値上ではさほどの変化はみられなかった。「WIND FORCE 3X」は現時点、騒音値やファン回転数の詳細データが公表されていないが、ベンチマークテストを繰り返し行っても、“やや回転数が上昇”した事は目視できるものの、轟音をたてるような事は一度もなかった。この挙動から、「WIND FORCE 3X」は、ハイエンドGPU相手に、なかなかよい仕事をするのではないだろうか。ただし1点気になるのは、高負荷状態になり、やや回転数が上昇した時点で、“ジージー”という音がすぐに出始めること。耳障りというレベルでは無いものの、一応指摘しておきたい。

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