|100mm径冷却ファンとφ8mmヒートパイプ構成の高冷却VGAクーラー「Twin Frozr IV」
ハイエンドGPUを搭載するグラフィックスカードに欠かせないのは、高い冷却能力を備えるVGAクーラーの存在だ。今回の主役「N680GTX Lightning」が搭載する「Twin Frozr IV」は、5月に検証を行った「R7970 Lightning」でも採用されているMSIオリジナルVGAクーラー最上位モデルとなる。ここからは数えること4代目に当たる「Twin Frozr IV」を再度チェックしておこう。
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11枚ブレードで100mm口径のデュアルファン仕様「Twin Frozr IV」。独自のプロペラブレードテクノロジを採用する事で、大風量と静音動作を両立させた。なお公称値では、リファレンスデザインのVGAクーラー比で−6.7dBAの静音化に成功しているという |
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以前のレビューでも検証を行った「Twin Frozr IV」のヒートシンク部。受熱ベース部はニッケル処理が施された銅製。アルミニウム製放熱フィンを惜しげも無く幾重にも重ねることで、放熱面積は広大。リファレンスデザインのVGAクーラー比で−16℃の冷却能力を発揮する |
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GPUからの熱を放熱フィンへと移動させるヒートパイプは、φ8mm×2本、φ6mm×3本の合計5本構成 |
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ハイエンドクラスのCPUクーラーを彷彿とさせる受熱ベース部。工作精度は極めて高く、見た目でもかなり冷えそうな雰囲気が漂う |
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|「Twin Frozr IV」騒音値、ファン回転数、ヒートシンク温度
ここからは「R7970 Lightning」検証レビュー同様、「Twin Frozr IV」の騒音値およびヒートシンク温度を計測しておこう。GeForce GTX 680との組み合わせで、どんなパフォーマンスを見せるのだろうか。
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騒音値テスト(単位:dBA/室内騒音値29.2dBA) |
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騒音値はアイドル時34.1dBA、高負荷時38.2dBAとなり、テスト中40dBAを超す事は一度もなかった。メーカー公称値でリファレンスクーラー比−6.7dBAとされているGeForce GTX 680+「Twin Frozr IV」だが、パートナーがハイエンドGPUである事を考えても、十分に静音動作を果たしている。高冷却CPUクーラー顔負けのヒートシンクと大口径デュアルファンの恩恵は侮れない。
100mm口径ファンの回転数を見ると、オーバークロック時で最大2,250rpm、デフォルト状態で1,830rpm、定格クロックに設定した状態で1,770rpmという結果だった。薄型ファンである事から、2,000rpmを超える回転数でもさほど風切り音は気にならない。アイドル時に至っては室内騒音やCPUクーラーからのファン駆動音がそれを上回り、その存在を感じさせない。
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ヒートシンクポイント別温度計測(室内温度26.7℃) |
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次は非接触型デジタル温度計によるヒートシンクのポイント別温度計測。アイドル時および高負荷状態15分経過時で測定を行い、最大値は電源回路付近の43.5℃(アイドル時30.1℃)だった。逆に最も低い数値はブラケット側の38.8℃(同29.8℃)。どんなVGAクーラーでも、電源周りは基板側からの発熱の影響を受けやすいため、この測定値は想定通りの結果と言える。
なお、GPU横の高負荷時42.9℃(同34.5℃)は若干高めという印象だが、“ヒートシンク温度が高い=受熱できている”と見ることができる。VGAクーラーの仕事は「GPUの熱をいかに奪い、いかに冷やすか」に尽きる。「Twin Frozr IV」の実力は、後半で行うGPU温度計測結果で判断して頂きたい。
また念のためお断りしておくと、以前検証した「R7970 Lightning」の「Twin Frozr IV」に比べ、ヒートシンクの計測結果にやや開きがある。これは今回計測時の室内温度が10℃以上高いこと。さらに、そもそもGPUが違うため、比較すること自体ナンセンスである事は言うまでもない。 |