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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.151 トランスフォームする“変態”グラフィックスカード、MSI「R7770 TransThermal OC」で遊んでみた
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MHFベンチマークソフト「大討伐」

 最後にDirectX 9.0c世代の定番タイトルから、モンスターハンターフロンティアベンチマーク『大討伐』」をチョイス。解像度設定は同様に1280×720と1920×1080の2パターンにセットしてスコア計測を行った。

MHFベンチマークソフト「大討伐」

 どちらの解像度設定においても5%前後の性能向上が確認できた。従来環境下においてもクロック上昇が素直にパフォーマンスを押し上げてくれるのは間違いない。ただしどちらのクロック設定でも画面表示は非常に安定しており、同様のゲームをプレイする場合もミドルクラスのグラフィックスカードであれば快適プレイが可能と言っていいだろう。



スルーしても問題無い消費電力増

 それではベンチマーク計測を終えたところで、次は消費電力の違いを確認しよう。負荷テスト用ソフト「OCCT 4.2.0」実行中の最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最も低い数値をアイドル時の数値とし、ワットチェッカーを用いた計測を行った。

消費電力の違いをチェック

 アイドル時は省電力機能がよく機能しており、まったく差はつかなかった。高負荷時も6W増の159Wに留まっており、オーバークロックによる消費電力増加は特別に意識しなくてもいいだろう。



「トランスサーマルクーラー」各モード別GPU温度計測

 最後に、ベンチマーク中における「トランスサーマルクーラー」の冷却性能に着目したい。クーラーセッションでは各モードごとに異なる特徴を示したのはすでに確認済み。果たしてそれがクーラーの本分ともいえる冷却にどの程度影響しているのかを改めて確認してみよう。
 なお、消費電力テストと同様、負荷テスト用ソフト「OCCT 4.2.0」実行中の最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時とし、3形態それぞれのGPU温度計測を行った。

「トランスサーマルクーラー」各モード別GPU温度計測

 アイドル時ではオプションファン増設の2形態で同じ結果になり、十分以上の冷却効果を提供しているのがうかがえる。その一方で、クーラーとしての真価が発揮されるであろう高負荷時において最も高いパフォーマンスを示したのは、エアフローのサポート面積で有利な「デュアルファンモード」。「シングルファンモード」の71℃から5℃低い66℃の動作温度を実現している。そして静圧効果の高い「ダブルエアフローモード」もほぼ同じ67℃で動作しており、ファン増設による冷却効果は十分に発揮されているといえそうだ。
 手軽なギミックでこうした恩恵を受けられるのはなかなかに魅力的。特にユーザー自身でさらなるオーバークロックに挑戦する場合などは、この変形機構が文字通り“追い風”になってくれるだろう。



剛健さの上にまとう遊び心、「R7770 TransThermal OC」は面白い

 奇抜な“変形機構”ばかりに注目してしまいがちな「R7770 TransThermal OC」だが、蓋を開けてみた感想は「意外に普通のグラフィックスカードだった」ということ。オーバークロックの効果もベンチマークにしっかりと表れており、リファレンスモデルへのアドバンテージは十分。さらに懐疑的な視線を向けていた「トランスサーマルクーラー」もなかなかどうして、十分に効果を発揮してくれていた。それぞれに欠点がなくはない機構ではあるものの、スロットに余裕がないときは「デュアルファンモード」、奥行きが厳しく隣接スロットが空いている場合は「ダブルエアフローモード」など、シチュエーションに応じて使い分けることで真価が見えてくることだろう。


 さらに気軽に買えるミドルクラスながら、高品質なコンポーネントに身を固めた「ミリタリークラスIII」グラフィックスカードであることも見逃せない。変形クーラーによる余剰の冷却効果も担保されており、ユーザーの手によるオーバークロックにも十分に耐えられるはず。その立ち位置から極限を目指すエンスージアストに向けた製品でないのは確かだが、グラフィックスカードのオーバークロックを試してみたいというユーザー向けの入門機にはうってつけといえる。
 用意されたユニークなギミックを組み替えて遊んでみるもよし、ガシガシとオーバークロックを試して使い倒すもまたよし。例えるならば、「R7770 TransThermal OC」は“ツルシ”のグラフィックスカードでは味わえない異色の面白さが詰まった製品、という表現が合っているのかもしれない。

協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
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