|リファレンスクーラーの性能をチェックする
ベンチマークテストでGTX 680の性能を確認したところで、次にリファレンスクーラーの実力をチェックしてみよう。今回は「GPU-Z 0.6.0」を使って各ベンチマーク実行中のGPUコア温度とファンの回転数をそれぞれ計測した。
■GPUコア温度
今回は室温22℃、バラック状態で計測を行なったが、アイドル時のGPUコア温度は32℃、ベンチマーク実行中でも最高温度は80℃と、ハイエンドGPUとしては一般的な数値に落ち着いている。冷却性能については十分確保されており、長時間のゲームプレイでも特に心配ないだろう。
■ファンの回転数
アイドル時のファンの回転数は1,050rpmと低く抑えられており、バラック状態でも音が気になることはない。またベンチマーク実行中は、徐々に回転数が上がっていき、2,000rpmを超えたあたりから”やや音が気になり始める”といった印象だ。ただPCケースに入れてしまえば、おそらく気になることはないレベルで、リファレンスクーラーとしては優秀な静音性を実現している。
■「GPU Boost」動作をチェックする
次にGTX 680の注目機能「GPU Boost」の動作について確認していこう。測定には同じく「GPU-Z 0.6.0」を使い、各ベンチマーク実行中のGPUクロックとコア電圧をそれぞれ計測した。
GPUクロックは、ブーストクロックの1,058MHzを大きく上回る1,137.1MHzまで上昇することが確認できた。ベースクロックと比較すると10%以上オーバークロックされていることから、性能面での恩恵は大きいだろう。また動作電圧はいずれのベンチマークでも実行中は1.175Vまで上昇する。
|消費電力をチェックする
最後にアイドル時と各ベンチマーク実行中の消費電力を確認していこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い数値を、各ベンチマークの数値は実行中最も高かった数値とした。
アイドル時は省電力機能により、動作クロックや電圧が下げられることから73.2Wとかなり低く抑えられている。またベンチマーク実行中は269.5W〜299.9Wとやや幅があるものの、最大でも300Wを超えることはなく、ハイエンドGPUながら電源ユニットはミドルクラスの製品で十分対応できるだろう。
|扱いやすくなったハイエンドGPU「GeForce GTX 680」
ここまで「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」によるNVIDIAの新GPU GeForce GTX 680の性能を検証してきた。ベンチマーク結果をみる限り1,920×1,080ドットの高解像度でも、多くのゲームが最高画質設定で遊べる性能を備えており、まさにハイエンドの名に恥じない性能を実現している。
また消費電力も大幅に削減され、PCI-Express補助電源が6pin×2になったことで、電源ユニットはミドルクラス製品でも十分に対応可能。さらにカード長が約253mmとハイエンド製品としてはコンパクトだけにPCケースの制限もミドル並となり、これまでのハイエンドGPUに比べると非常に扱いやすくなった印象だ。
消費電力と性能のバランスはGTX 580から格段に上がっており、これまでハイエンドグラフィックスカードの熱や消費電力の高さに苦労してきたユーザーにとってはまさに福音となる製品と言っていいだろう。
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