2024.04.29 00:14 更新
2024.04.29 取材
解説セッションで取り上げられた、注目の新機構についても触れておこう。それがASUSが新たに開発したグラフィックスカードの取り外し機能「PCIe Slot Q-Release Slim」だ。
従来のワンプッシュで取り外せる独自機構「PCIe Slot Q-Release」は自作派から定評の機能だが、これをさらに進化。グラフィックスカードをラッチ側に傾けるだけで、簡単に取り外しができるというもの。
実際に着脱を試してみたが、かなり秀逸。補助電源ケーブルもないため、大型カセットのような感覚でグラフィックスカードの着脱ができる |
グラフィックスカード搭載時はPCI Expressスロット内部に仕込まれた小さなツメ(画像の赤マル部分)がカードをロックし、取り外す際にはラッチ側に傾けるとツメが解除される仕組み。簡単に外れてしまうのでは?という心配もあるが、実演ではグラフィックスカードを掴んで持ち上げたところでマザーボードから外れることはなかった。
PCI Expressスロット内部にある金属製の小さなツメ。グラフィクスカードを傾けた際にラッチが押されるとロックが解除される |
これにはゲストのKTU氏とモリケン氏、会場に詰めかけた自作ユーザーからもオドロキの声が上がった。なお現時点では「ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF」だけに採用されているが、今後は多くのモデルに導入して欲しい。
「これはメチャメチャ便利!是非全てのASUS製マザーボードに導入してほしい!」と自作のエキスパートであるKTU氏とモリケン氏も感心することしきり |
続いてPCケースのラインナップ紹介が行われ、ミドルタワーPCケース「TUF Gaming GT302 ARGB」が登場。こちらは上岡氏がプレイベントで使用したモデルで、ラジエーターの着脱が容易になるようトップパネルの取り外しが可能。フロントパネルには8×8mmのスクエアカットの通気口を設け、エアフローに配慮した設計を特徴とする。また裏面コネクタに対応していない従来のマザーボードも搭載できる。
秋葉原の複数ショップでも展示が始まっているミドルタワーPCケース「TUF Gaming GT302 ARGB」 |
次に5月中旬発売予定という「ROG Hyperion GR701 BTF」は「ROG Hyperion GR701」をベースにした「BTF」対応のバリエーションモデル。ユーザーの声を取り入れ、裏面の配線目隠し用カバーはプラスチックから金属製に変更されより高級感が増した印象だ。そのほか、スペックなどの詳細については、別途行われたASUS「BTF」シリーズ発表会の記事に詳しいのでそちらを参照していただきたい。
ハイエンド向けのケースだけに、組み合わせるマザーボードは「ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF」、グラフィクスカードは「ROG-STRIX-RTX4090-O24G-BTF-GAMING」としたいところ |
また、B760チップ採用のMicroATXマザーボード「TUF GAMING B760M-BTF WIFI」「TUF GAMING B760M-BTF WIFI D4」に最適なミニタワーPCケース「A21 Case」をはじめ、ASUS以外の「BTF」シリーズ対応PCケースも会場内に展示されていたので写真でチェックしておこう。
昨年9月に発売されたフロントとトップにメッシュパネルを採用する高エアフロー設計のミニタワーPCケース「ASUS A21 Case」(発売記事) |
CoolerMaster「MasterBox 600」。発売日は未定ながら予価は17,000円前後 |
ピラーレスデザインを採用するCOUGARのミドルタワーPCケース「FV270」(リリース記事)。フロント底部のファンは着脱式で、フィギュアなどを乗せるターンテーブルに換装可能 |
In WinからはE-ATXフォームファクタに対応する高拡張タイプのフルタワーPCケース「F5」が発売予定。予価は24,000円前後(リリース記事) |
SilverStoneはミドルタワーPCケース「SETA A2」を準備中。最大420mmサイズラジエーターやGeForce RTX 4090クラスのグラフィクスカードも搭載できる。予価は25,000円前後(イベント記事) |
自作PCを組んだのは2台目という(自称初心者の)上岡氏いわく「BTFシリーズで組み込むことで自作するというハードルがかなり下がったと実感。特に大型PCケースの場合、ケーブルの取り回しでケースを立てたり寝かしたりするのが本当に一苦労。その点、BTFならマザーボード搭載後は裏面の配線をすればいいので簡単でした」と述べ、解説セッションを締めくくった。