エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.697
2018.11.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
SuperO「C9Z390-CG-IW」 実勢売価税込32,000円前後(2018年10月発売) 製品情報(SuperO)(株式会社アスク) |
Supermicroのゲーミング向けブランドSuperOから、Intel Z390チップを搭載する最新世代のマザーボード「C9Z390」シリーズが発売されたのは、先月末のこと。多くのメーカーが10月上旬のチップセット解禁に照準を合わせたのとは対象的に、最上位CPU「Core i9-9900K」の登場を見据えたタイミングでの投入となった。
品不足からCore i9-9900Kの発売が月を跨いでずれ込むアクシデントはあったものの、それはさておき。当初から強力無比な8コアCPUを強烈に意識したマザーボード群であることは、Core i9(C9)を盛り込んだモデル名からも窺える。
Intel Core 9000シリーズにおける本命CPU「Core i9-9900K」の登場を待つかのように、一拍遅れたタイミングでリリースされたSuperOの「C9Z390」シリーズ。今回はその中から、Mini-ITXモデルの「C9Z390-CG-IW」を検証する |
さて今回主役となるのは、SuperOのメインストリーム向けシリーズ「CORE GAMING」に属するMini-ITXモデル「C9Z390-CG-IW」だ。Intel Z390マザーボードは、解禁当初よりフォームファクタの選択肢が豊富な傾向にあり、SuperOもATXモデル2製品と同時にスモールフォームファクタ向けのラインナップを用意。パワフルなCore i9-9900Kを最小構成で使いたいという、小型マシン好きの期待に応えた。
サイズ上の制約が多いMini-ITXモデルながら、Supermicroならではと言える信頼性へのこだわりは変わらない。CPUとメモリスロット・拡張スロットを最短の基板配線で繋ぎ電力損失を最小化する“最短配線”は、20年以上に渡るサーバー製造のノウハウを活かした設計だ。
また、高効率な「Dr.MOS」やフェライトチョークなどの高品質コンポーネントで構成されたTDP120W対応の電源回路、サーバー同等の「ガラスエポキシ樹脂PCB」など、PCBから搭載パーツに至るまで部材を厳選。24時間7日稼働の過酷な運用を想定した「サーバーグレード設計」は、他製品と比べても抜きん出た魅力と言える。
製造コンセプトは「サーバーグレード設計」。搭載コンポーネントを厳選し、サーバーのノウハウを流用した独自の設計を採用する。Mini-ITXの面積でその思想を実現するため、裏面まで余すことなくチップやスロットが実装されている |
そしてMini-ITXモデルとしては、ほぼ“全部入り”といえる多彩な搭載機能にも注目したい。RAID構築にも対応するPCI-Express3.0(x4)接続のM.2スロットを表裏に2基搭載、コンパクトながらストレージ環境が充実している。ネットワークは低負荷かつ信頼性に優れたIntelチップのギガビットLANに加えて、Intel Z390世代の特徴でもある最大1.73Gbps転送が可能な無線LANを装備。ワイヤレスネットワークの転送速度は、先代モデルの「C7Z370-CG-IW」から2倍に向上した。
また、インターフェイス周りでは、チップセットへの統合により複数のUSB3.1 Gen.2ポートを実装。さらにグラフィックス出力としてDisplayPort1.2とHDMI2.0を標準装備し、デュアル4K(60fps)出力に対応している。
なお、メタルシールドで補強された装甲スロット「SuperO Armor」、側面のRGBイルミネーションといった機能は現行モデル定番だが、これは徹底したEMI干渉対策を経て標準化された機能。「C9Z390-CG-IW」は、小さいながらSupermicroの厳格なマインドが凝縮されたマザーボードと言える。
Mini-ITXマザーボードにしては、だいぶ大きめの部類に入る「C9Z390-CG-IW」のパッケージ。フロント側は型番のみという、シンプルなデザインだ |
背面側では、基本仕様や搭載機能をざっくりと解説。パッケージを開封すると、付属品に挟まれるようにして、中央にマザーボードが収められていた |