エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.816
2020.01.08 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「MasterBox Q500L」の内部設計で最も特徴的なのが、電源ユニットのマウントポジション。リアのインレットまで、筐体内部には中継ケーブルが配線されている。作業手順は、ATX規格電源ユニット用ブラケットを取り出し、電源ユニットの冷却ファンをパンチング加工が施された面に合わせてネジ留め。中継ケーブルを挿し込んだところで、元の位置に戻せばいい。
搭載テストには以前検証を行ったCooler Master「V750 GOLD」(型番:MPY-7501-AFAAGV-JP)を使用。公称180mmの有効スペースに、奥行き160mmのフルモジュラータイプを搭載したところで、まったく問題はなかった。
計3箇所のATX規格電源ユニット用ブラケット固定位置中、最上段にマウントを試みた。モジュラージャックは下方向で、抜き挿しも十分にできるだけの空間が確保できている。なお電源ユニットのメインスイッチは外部に露出されない事から、今のうちにONにしておこう |
次に空冷CPUクーラーの搭載テストを試みた。用意したのは92mmファン搭載で高さ136mmのサイドフロータイプCooler Master「Hyper H441R」(型番:RR-H411-20PW-R1)だ。有効スペースは高さ160mmだけに、当然ながら周辺クリアランスは十分に確保できている。
次にオールインワン型水冷ユニットの搭載テストを試みた。実はコンパクトな筐体に対し、水冷ユニットは相性がいい。限られた容積だけに、背の低いウォーターブロックは収まりが良く、周辺クリアランスを気にする必要はまずない。唯一の懸念材料はラジエターの設置スペースで、それをクリアできれば大きさに制限のある空冷CPUクーラーに比べ、高い冷却能力が期待できる。本格水冷はハードルが高いものの、メンテナンスフリーのオールインワン型水冷ユニットは、積極的に導入をオススメしたい。
搭載テストには以前詳細検証を行ったCooler Master「MasterLiquid ML240P Mirage」(型番:MLY-D24M-A20PA-R1)を使用。無理なく収まっている様子がお分かり頂けるだろう |
240mmサイズラジエターはトップパネルの穴を利用して固定。マザーボードを避けるため、かなり左サイドパネル寄りに搭載している | 240mmサイズラジエターと25mm厚ファンのスペースを確保すべく、電源ユニットは中段に移設。水冷チューブにもストレスが掛からずに共存できる |
マニュアルによると干渉を考慮し、メモリの高さは35mmまでとされている。大型ヒートスプレッダ付きメモリは避けた方がよさそうだ |
マニュアルをよく見ると、マザーボードの規格により、搭載できない組み合わせがある事が明記されている。コンパクトな筐体だけに致し方ないが、事前に情報を把握していなければ、無駄な買い物をする可能性がある。このようなモデル特有の条件は、PCパーツ選定前に十分理解しておこう。
主要パーツの有効スペースは既に紹介済みだが、ボトム面に冷却ファンまたはラジエターを設置する場合、制限がある。いずれも問題になるのはATX規格で、これをベースに組み込むと、ボトム面に140mmファン2基または240mmサイズラジエターが設置できない。マザーボードの搭載テストでも触れたように、底面までの空きスペースは約25mmと狭く、ボトム面と接近していることがその理由。正しくパーツをチョイスしたい。
底面140mmファンの増設とATXマザーボードはNG。そもそもケーブルを巻き込む恐れがある | 240mmサイズラジエターとATXマザーボードもNG。設置はトップ面に限る事を覚えておこう |