エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.961
2021.02.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「C850」についての理解が深まったところで、ここからは実際にPCを動作させ、電源ユニットの挙動を確かめてみよう。テスト環境として、CPUには12コア/24スレッドのハイエンドモデルRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはGIGABYTEのGeForce RTX 3080搭載モデル「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」(型番:GV-N3080AORUS M-10GD)を用意。それらを「X570 AORUS ELITE」に組み込み、ウルトラハイエンド構成のマシンを構築した。
12コア/24スレッドを誇るRyzen 9 5900XはTDP105Wで、高負荷時には4.9GHz超で動作していた。なお、メモリはDDR4-3200MHz動作の最大64GBが認識されている |
巨大な冷却機構「MAX-COVERED クーリング」を採用する「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」を搭載。最大1,845MHz動作のOCモデルで、推奨電源は750Wとされている |
「GPU-Z」でフルロード時の挙動をチェック。優秀なクーラーを搭載していることもあり、最大で公称値を上回る1,935MHzで動作していた |
システムのベースとして、AMD X570マザーボードの人気モデルGIGABYTE「X570 AORUS ELITE」を使用した |
早速「C850」のテストを始めよう。検証に際しては、電圧変動を視覚的に把握できるモニタリングソフトの「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まず負荷テストのトップバッターとして、ソフトウェアに搭載されているストレステストの「System Stability Test」を実行。すべてのチェックボックスを有効にし、最大限の負荷がかかるよう設定して30分間連続で動作させている。
電源ユニットが最も良好な変換効率(80PLUS GOLD認証製品の場合は90%)を発揮するのは、容量の半分程度の負荷がかかるシチュエーションだ。そこでワットチェッカーを使用して消費電力を確認したところ、「AIDA64」実行時は最大658Wだった。容量の8割に迫る、だいぶ重めの負荷がかかっていたことになる。
そうした状況で、はたして電圧変動に大きなブレを発生させずに電力を供給できるのか。CPUやストレージ、グラフィックスといった主要な動作に用いられる12Vの値をチェックしてみると、変動幅は最大でも0.01%ほどに留まっていた。定格値を割り込むこともなく、グラフの波形もフラット。極めて安定して動作していることが見て取れる。