エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1056
2021.09.21 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
オープングリル設計の高エアフローPCケース「Torrent」のレビューをお届けしたばかりだが、今度はFractalの最新水冷ユニット「Lumen」シリーズをご紹介しよう。「Torrent」より遅れること1週間後の9月3日より国内市場での販売が開始された新作は、代理店の株式会社アスク曰く「コストパフォーマンスモデルの水冷一体型CPUクーラー」のフレコミで、全6種類がラインナップする。
その内訳は後ほど紹介するが、今回取り上げる「Lumen S36 RGB」(型番:FD-W-L1-S3602)は、360mmサイズラジエターを採用。ポンプヘッドと3基の120mmファンにはアドレサブルRGB LEDを内蔵し、魅せながら冷却するという「ドレスアップ要素」兼「冷却性能」をアピールポイントとしている。
Fractal Design「Lumen S36 RGB」(型番:FD-W-L1-S3602) 市場想定売価税込22,000円前後(2021年9月3日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
Fractalとしては珍しくお買い得感も強調されているが、気になる市場想定売価は税込22,000円前後。余談ながら、Fractal初のオールインワン型水冷ユニットは、2014年12月に発売された「Kelvin」シリーズだ。エルミタでも240mmサイズラジエターの「Kelvin S24」(型番:FD-WCU-KELVIN-S24-BK)を取り上げているが、同シリーズのバリエーションは、120mmサイズと360mmサイズの合計3種類で、そのうち「Kelvin S36」(型番:FD-WCU-KELVIN-S36-BK)の発売時想定売価は税込26,180円だった。
確かに同サイズラジエターで、発光ギミックまでを加えた新作の税込22,000円前後は、十分コストパフォーマンスに優れていると言える。その分、冷却能力が劣っていればオハナシにならないが、さすがに約6年と8ヶ月も後の製品は、年月なりに進化しているに違いない。つくづく編集部に「Kelvin S36」の検証データが残されていない事は残念である。
初代よりも進化を遂げた(はずの)「Lumen」シリーズのラインナップを確認しておこう。2021年8月27日付プレスリリースにも詳しいが、ラジエターサイズは240mm、280mm、360mmの3種類で、最もオーソドックスな120mmサイズの用意はない。またラジエターサイズからも想像できるように、搭載ファンは120mmと140mmの2種類で、さらにアドレサブルRGB LEDを内蔵したAspect RGB PWMファンと、発光しないAspect PWMファンの2種類を用意。この組み合わせにより全6種類で展開されるというワケだ。
Lumen S36(型番:FD-W-L1-S3601) 市場想定売価税込19,800円前後 |
Lumen S24 RGB(型番:FD-W-L1-S2402) 市場想定売価税込17,600円前後 |
Lumen S24(型番:FD-W-L1-S2401) 市場想定売価税込15,400円前後 |
Lumen S28 RGB(型番:FD-W-L1-S2802) 市場想定売価税込19,800円前後 |
Lumen S28(型番:FD-W-L1-S2801) 市場想定売価税込17,600円前後 |
ここで今回チョイスした「Lumen S36 RGB」(型番:FD-W-L1-S3602)をスペック表から概要を確認しておこう。対応ソケットは、Intel LGA 115x/1200/1366/2011(-3)/2066、AMD Socket AM4/AM3(+)/AM2(+)/FM2(+)/FM1で、現行プラットフォームのほとんどをカバー。多くのオールインワン型水冷ユニット同様、主にラジエター、冷却ファン、ウォーターチューブ、ウォーターブロックの4つで構成。製品型番にある「36」は俗に言う360mmサイズラジエタータイプで、120mmファン3基を並べてマウントする高冷却志向のシリーズ最上位機種だ。
コストパフォーマンスモデルとは言え、アドレサブルRGB LEDのライティング機能も備えているのは冒頭でも触れた通り。FractalブランドのPCケースはもとより、多くの魅せる筐体とマッチする。なお製品保証は5年間とされる。
360mmサイズラジエターモデルとあって、パッケージは実測で幅約445mm、奥行き約205mm、高さ約135mmだった |