エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1093
2022.01.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは、SILENT BASE 802 Windowを使い、実際に構成パーツを組み込んでみよう。特に内部構造をじっくり見直すと、以前検証したSILENT BASE 801 WINDOW ORANGEの記憶が徐々に蘇ってきた。とは言え、要所で抜け落ちている箇所もあるため、ここはフラットな状態で組み込みを行いつつ、作業時に気が付いた事、搭載後の周辺クリアランス、注意点などを解説していきたい。
まずはマザーボードを搭載してみよう。おさらいすると、対応規格は305x275mmまでのE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITX。搭載テストでは、このうち最もチョイスされるであろうATX規格のASUS「ROG MAXIMUS Z690 HERO」を用意。出荷時より装着済みとなる9本のスタンドオフに、付属ネジ6#32 screwで固定していく。
開口部が広く作業を妨げるものがないため、ネジ留め作業はスムーズに完了。周辺クリアランスを計測してみると、マザーボード基板末端から天板までは約60mm、同じくフロントパネルまでは約190mmのスペースが残されている。ただし右手の空間はストレージ搭載スペースとして利用するため、場合によっては拡張スロットの延長線上は多少窮屈になるかもしれない。
SILENT BASE 802 Windowが持つ大掛かりなギミックである、マザーボードレイアウトの変更を解説しよう。出荷時はいわゆる正立レイアウトだが、マザーボードトレイの固定方向を付け替える事で、倒立レイアウトにする事ができる。
マザーボードトレイはバックパネル(一部)とL字型で一体化。手元資料にはベンチ台としても利用できるとされているが、さすがに少々無理があるかも |
マザーボードトレイは合計9本のネジでシャーシに固定されており、本体から分離が可能。倒立レイアウトにしてネジ留めすれば、拡張スロットが上、CPUソケットが下になり、逆さまな状態でPCが構築できるというワケだ。左側面に装着されている強化ガラス製サイドパネルは、右側面に付け替えが可能。PC本体を左側の壁に沿った状態で設置するロケーションでは、右側から内部の様子を見て楽しむ事ができる。
レイアウトを変更した状態。なお共通筐体を持つSILENT BASE 801の検証でも作業を試みているので、ネジの位置などはそちらの記事を参考にして欲しい |
マザーボード搭載後はCPUクーラーソケット周り2箇所を計測。まずCPUクーラーの有効スペースは最大185mmとされる。実際にレーザー距離計で計測してみると、強化ガラスパネル内側の計測ポイントまで189mmを示した。有効スペースがさほど気にならない水冷構成はもとより、中~大型サイドフロー空冷クーラーも搭載できるだろう。またマザーボードトレイ背面からCPUクーラーメンテナンスホールを計測すると、開口部は実測で幅約165mm、高さ約145mm(各最大部)。Intel LGA1700のCPUクーラー用ホール周辺にも十分余裕がある。
続いて電源ユニットを搭載してみよう。搭載テストには以前詳細検証をお届けしたbe quiet!「Dark Power Pro 12 1200W」を用意した。容量1,200Wで80PLUS TITANIUM認証を取得。135mm FDB(流体軸受け)ファンを搭載した、奥行き200mmの押しも押されもしない超ハイエンド電源ユニットだ。
搭載方法は、背面4本のハンドスクリューで固定されたブラケットを外し、これに電源ユニットをインチネジで固定。搭載スペースに電源ユニット本体を滑り込ませればいい。ハンドスクリューを緩めるだけで、前後ストロークはできるため、モジュラーコネクタ式のケーブルも抜き挿しはしやすい。なお最大288mmまでの有効スペースに対し、奥行き200mmのDark Power Pro 12 1200Wを搭載すると、隣接するHDDケージまでは実測で約80mmの空きスペースが確保できている。他所の誤差はあるものの、およそ公称通りの数値である事が実証された。