エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1327
2023.08.23 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
サイドフロー型CPUクーラーの新型ハイエンド、「FUMA3」が編集部にやってきたのは約2ヶ月前。まさに出来たてホヤホヤで、まだ数個しかないという貴重な先行入荷品を送ってくれたのは、またしても株式会社サイズのS氏。熱心なエルミタ読者(≓熱心な空冷ファン)ならお馴染みの存在であるS氏は、サイズの冷却機器開発を担当するこだわりのプロダクトマネージャーだ。
サイズ「FUMA3」(型番:SCFM-3000) 市場想定売価税込6,480円(2023年8月25日発売) 製品情報(株式会社サイズ) ※公開時準備中 |
そんなS氏から発送完了を知らせるメールには、前作「FUMA2」からの改良点が細かく記されている。あれだけ熟成されたはずの前作から、さらにブラッシュアップを果たし、現在の自作市場に合わせて完成した「FUMA3」。本稿では新たに手が加えられた点のすべてを解説しながら、冷却性能テストまでをじっくりとお届けする。
まずは歴代「FUMA」シリーズを簡単に振り返っておこう。初代「風魔」(型番:SCFM-1000)が発売されたのは、今から約8年弱前の2015年10月21日(※出荷開始日)。そして2代目「風魔弐」(型番:SCFM-2000)は2019年4月24日(同)の発売だから、ここまでおよそ4年のサイクルでフルモデルチェンジが行われている。いずれも詳細検証をお届けしているので、興味のある方は是非ご一読頂きたい。
風魔(型番:SCFM-1000) | 風魔弐(型番:SCFM-2000) |
ちなみに初代と2代目の市場想定売価は税込6,980円だが、新作3代目は税込6,480円とされる。原材料費の高騰や為替の影響で軒並み売価が上昇気味の自作PCパーツ事情を思えば、企業努力(または葛藤)があった事が想像できる。
なお既にお気づきの読者もいるだろう。3代目は「風魔参」ではなくあくまで「FUMA3」だ。これについてS氏に確認してみたところ、近頃では”製品名に漢字を多用しない”方向にあるそうで、特に大きな意味はないとの事だが、正式名称は「FUMA3」(半角空き無し)が正しい。
実機に触れる前に、スペック表を確認しておこう。「FUMA3」の対応ソケットは、Intel LGA1150/1151/1155/1156/1200/1700/2011/2011(V3)/2066、AMD Socket AM4/AM5となり、現在主力のコンシューマ向けCPUのほとんどをサポート。外形寸法は付属ファンを含む全体で、幅138mm、奥行き128mm、高さ154mmで、全重量は1,095gにおよぶ。重量については、初代が920g、2代目が1,000gなので最も重い事になる。
ちなみにパッケージサイズは幅180mm、奥行き155mm、高さ190mmで、付属品および緩衝材を含んだ全重量は1,685gとされる。その他の詳細については、各セッションで詳しく解説していく。
パッケージは初代のみ吊り下げ陳列用フック穴付きで、2代目からはフック穴無しに変更。デザインはそれぞれ異なり、シリーズ共通のルールや一貫性はない |