エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1467
2024.10.17 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
本稿の主役「Era 2」は、2020年5月にリリースされた「Era ITX」の2代目に当たる。発売から既に4年が経過し、自動車で言うところのビッグマイナーチェンジ、早ければフルモデルチェンジのタイミングであり、心待ちにしていた熱心な自作派は少なくないはず。個人的には詳細検証を行った前作の事を未だ鮮明に記憶しており、その高い完成度はまったく色褪せていない。新作に対する”待望論”がある一方で、いわゆる”改悪”になっていない事を祈るばかりだ。
Fractal Design「Era 2」シリーズ 市場想定売価税込45,800円前後(2024年9月27日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
ちなみにEra 2のお披露目は、「COMPUTEX TAIPEI 2024」会期中に行われたメディア向け発表会。同じく会場では「Mood」(2024年7月に検証)が発表されており、必ずしも主役ではなかったが、世界中のメディアから大いなる注目を集めたのは、やはりEra ITXの成功があったからだろう。
台北市内を一望できる「台北101」のプライベートブースで披露された「Era 2」。Fractalならではの独特なフォルムは実に洗練されている |
当時のレポートによると、先代Eraの熱問題を改善する事がEra 2に課せられた主たるテーマ。小型ボディ故に密閉型の”詰め込み系PC”というイメージがどうしても付きまとう。近頃は冷却機器が進化しており、熱源そのものも企業努力により改善されている。これらを結集させれば、思うほど”熱の塊”になる事はない。はじめからマイナスイメージを持たず、しっかりとパーツ選びを行えば、デスクトップPCに引けを取らない小型PCを作る事ができる。
Era 2 Midnight Blue(型番:FD-C-ERA2N-03) |
Era 2 Charcoal Gray(型番:FD-C-ERA2N-02) |
実機に触れる前に、Era 2をスペック表から紐解いて行こう。外形寸法は幅165mm、奥行き366mm、高さ314mmで、重量は4.64kg。ちなみに前作Era ITXは、幅166mm(+1mm)、奥行き325mm(-41mm)、高さ310mm(-4mm)だから、奥行きに余裕を持たせている事が分かる。その分重量も増して、Era ITXの約3.97kgからプラス670gになった。主観によるところが大きいが、奥行きが41mm延長されたところで大型化した印象は無く、このレベルであれば誤差の範囲内だろう。
対応マザーボードはMini-ITXで、ケースタイプはもちろんミニPC。スペック表はFractal国内代理店である株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の製品情報に準拠しているが、各詳細セッションは盛り沢山の内容になるであろう事が想像できる。
ウォールナット素材のトップパネルがEra 2の象徴。フロント寄り左手にはFractalのロゴがさりげなくあしらわれている |
なお外装パッケージは、幅250mm、奥行き455mm、高さ408mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は5.74kg。これなら店頭購入による持ち帰りにカートの出番はない。