エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1513
2025.03.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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ASUS「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」 実勢売価税込41,000円前後(2025年2月現在) 製品情報(ASUS) |
これからAMDプラットフォームでマシンを組もう!という向きに、要チェックな存在がミドルレンジ向けチップセットのAMD B850搭載マザーボードだ。ハイエンドチップのAMD X870搭載モデルより価格が手頃であるというメリットがありつつ、中にはそれに匹敵するような充実した機能を備える製品も少なくない。
今回取り上げる「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」は、そうしたAMD B850マザーボードにおける高機能モデルの一角。バリバリのハイエンドには手が届かないものの、信頼性に妥協はしたくないというユーザーから歴代高い人気を集める、TUF Gamingシリーズの最新作だ。
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AMD B850マザーボードのラインナップ中における注目モデル「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」。発売に先行して行われたメディア向け内覧会にも持ち込まれていた |
そのTUF Gamingシリーズの製品として、前世代で屈指の売れ筋マザーボードとして鳴らしたのが「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」。「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」はその直接的な後継モデルにあたり、最新世代において同じ立ち位置を占めることから、いきおい注目度も高くなるというわけだ。
【関連記事】最新パーツの性能を引き出すお買い得なAM5ゲーミングマザー、ASUS「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」(2023.02.11 更新)
ちなみにチップセットのスペックだけを見ると、AMD B850はAMD B650から劇的な進化を遂げた、というほど大きな違いはない。しかし新モデルの「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」は最新世代の製品らしく、様々な機能強化や新要素が盛り込まれている。
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前世代における売れ筋としてユーザーから高い評価を受けた「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」(左)の後継モデルにあたる |
まず分かりやすいところでは、マザーボードとしての信頼性を語るうえで欠かせない電源回路が強化された。80A対応Power Stage(DrMOS)を採用する14+2+1フェーズ構成の回路(前世代は60A対応の12+2+2フェーズ)を搭載、VRMヒートシンクもより放熱面積が拡張された幅広のタイプを備えている。
さらにメモリスロットは最大8,000MHzに対応し、前世代(最大7,600MT/s)以上の高速なオーバークロックメモリを運用可能だ。ストレージはPCI Express 5.0対応スロットをはじめ合計3基のM.2スロットを搭載、そのすべてにヒートシンクを標準装備している。
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VRMヒートシンクは、I/Oパネルの端まで達する幅広タイプに形状が変更された |
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インターフェイスも増強。USBポート数自体が増やされたほか、その内訳にも高速ポートが多くなった |
また、新モデルでは拡張スロットもPCI Express 5.0対応にアップグレード。ネットワークは2.5ギガビット有線LANを備えるほか、ワイヤレスネットワークは新たに最新のWi-Fi 7に対応した。USBポート数も増強されるなど、インターフェイス周りの強化も見逃せない。
そして単純なスペックだけでなく、利便性の追求も最新世代マザーボードの大きな魅力。M.2スロットにワンプッシュでSSDを脱着できる「M.2 Q-Latch」を備えるほか、拡張スロットには新たにクイックリリース機構の「PCIe Slot Q-Release」が導入された。Wi-Fiアンテナにも挿し込むだけでOKな「Q-Antenna」を採用するなど、前世代にはなかった便利なギミックが複数搭載されているのは注目すべきポイントだろう。