2011年10月12日に発表された新型CPU「AMD FX シリーズ」。発表後に8コア製品の発売が遅れるなど紆余曲折はあったものの、今月に入り8コアモデルも無事登場した。「AMD FX シリーズ」ではソケットもこれまでのAM3からAM3+へと変更されており、これを機に新しいプラットフォームへ移行してみようと考えている方も多いのではないだろうか。
そこで、今回はMicro-Star International(MSI 本社:台湾)の日本法人である、エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)と、国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)の協力により、「AMD FX シリーズ」対応マザーボード4モデルを借り受け、その性能じっくりとチェックしてみることにした。今後AM3+プラットフォームへの移行を考えているならマザーボードを選択する際の参考にしていただければと思う次第だ。
MSIの「AMD FX シリーズ」対応マザーは、「AMD 990FX」を採用したフラグシップモデル「990FXA-GD80」を筆頭に、同じく「AMD 990FX」を採用したハイエンドモデル「990FXA-GD65」、「AMD 990X」を採用したメインストリーム向けモデル「990XA-GD55」、「AMD 970」を搭載したローエンドモデル「970A-G45」の4モデルがラインナップされている。後半のテストセッションでは、すべてのモデルについて実際に動作検証を行っていく。
|8コア対応製品も登場。 |マルチスレッドに最適化された「AMD FX シリーズ」
すでに発表から1ヶ月ほど立つ「AMD FX シリーズ」だが、エルミタのレビューでは初登場ということで、簡単にその人となりを紹介しておこう。
「AMD FX シリーズ」ではパッケージもレッドを基調としたものに刷新された
AMDでは「Phenom」以来、CPUのアーキテクチャとして「K10アーキテクチャ」を採用してきたが、「AMD FX シリーズ」ではコアアーキテクチャを刷新。マルチスレッド性能を重視した「Bulldozerアーキテクチャ」が採用されている。
「Bulldozerアーキテクチャ」では、「Bulldozerモジュール」と呼ばれるモジュールを基本単位としており、これを複数搭載することでひとつの CPUを構成している。
ひとつの「Bulldozerモジュール」には2基の整数演算コアが搭載され、同時に2スレッドの実行が可能となっているが、浮動小数点演算コアやL2キャッシュはモジュール共通のリソースとして用意されている。このため、完全な2コアCPUに比べるとやや効率は落ちるものの、「AMD FX シリーズ」では動作クロックとコア数を増やすことで性能を確保している。