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 Home > エルミタ的インタビュー OCMEMORYブランドオリジナルメモリ第1弾に迫る
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オーバークロックの専門家集団が作りだす
国内OCユーザーのためのOCメモリ
「OCMEMORYブランドオリジナルメモリ第1弾に迫る」
2010年9月17日 0:00
TEXT:GDM編集部 Tawashi
 自作PC好きが高じて、今やその道の専門家集団に成長したといっても過言ではない会社がある。株式会社アントラック(東京都千代田区)だ。OCMEMORYというブランドネームでピンとくる方は、かなりの自作PCマニアか、あるいは業界関係者かもしれない。EVGAからA-DATA、G.SKILL、最近ではAVANTIUMといったメーカーの代理店業務を展開するブランド名がOCMEMORYであり、オーバークロック用メモリを長年にわたり専門的に取り扱ってきた。
 さて、そんな同社が、このたび新たにメモリのオリジナルブランドを設立。デスクトップPC用DDR3メモリの国内市場参入第1弾製品として、オーバークロックユーザーのためのオーバークロック用メモリを発売する。今回はリリースに先立ち、アントラック社の代表取締役である渡邉 光比呂氏にインタビューを敢行。新ブランド投入への意気込みを、たっぷりと語ってもらった。

渡邊 光比呂 自作PCの「オーバークロック」に焦点をあて、OCMEMORYブランドとして関連商品の国内販売を手がける。オーバークロックメモリやハイエンドマザーボードのテクニカルなサポートには定評があり、そのノウハウはPCパーツメーカー各社はもちろん、販売店やエンドユーザーからも高い評価を受けている。また社内には、ウルトラハイエンドのオーバークロック検証が可能な環境を整え、単にPCパーツ製品を供給するという立場ではなく、ユーザーがいかに有効に、そして楽しんで使えるかをモットーにディストリビューションビジネスを展開している
アントラック社代表取締役
渡邉 光比呂氏


日本市場に特化したオーバークロック用メモリを作りたい

編集部:
 今回のオリジナルメモリブランドの立ち上げには、何かきっかけはあったのでしょうか?
渡邉氏:
 今まで当社では、数多くのオーバークロック用メモリを取り扱ってきました。多くのお客様からある一定の評価も頂戴し、大変嬉しく思っています。ただ、販売するモノとしては、台湾やアメリカのメモリメーカーがラインナップした製品を輸入することになります。これまで実際に販売してきた経験の中で、私たちは日本のハイエンドユーザーが「何を求めて、どういった仕様(スペック)のものを欲しているのか」をハッキリと肌に感じるようになりました。じゃあ、そういうモノを作れないか。日本市場向けのオーバークロック用メモリを企画しようじゃないか、という発想がそもそもの発端です。
編集部:
 なるほど。日本市場に特化したオーバークロック用メモリの製品化ですね。
渡邉氏:
 そうですね。そこでまず注目して頂きたいのが、国内で我々がテストを行うということです。
 通常、どのメーカーでも出荷前のテストは100%やっています。でも「その基準ってなんなの?」「テストのクオリティは?」など、意外に知られていないことが多い。テストをしているとうたった製品でも、ひどい場合は非常に高い不良率で返品されることもある。定格クロックの製品でもそういう事態になるのですが、でも結局のところハッキリとした原因が分からない場合がほとんどです。
 今回発売する「OCM32000CL9T-6GB」ですが、当然工場側でも出荷前のテストを行っています。その後、我々のラボでも行う。すると、やはり不安定な動作をするモノがあるんですね。原因はセッティングなのかマザーボードの互換性なのか、トコトン調べる。その結果をもって、日本のお客様に使って貰えるようなレベルの商品であるか我々が見極める。実際にテストを行う過程において、我々がお客様の疑問に答えられる体制を作っておくことができる。これが大きなポイントとなります。

OCW
OCMEMORYブランドオリジナルメモリ第1弾「OCM32000CL9T-6GB」

編集部:
 実際の製品では、どういった部分にこだわっているでしょうか?
渡邉氏:
 製品のコンセプトが3つあります。ひとつは、先ほどからお話している2重検証、とりわけ日本での厳重なテストによる品質保証。メーカーで選別の後に検証、国内に届いた製品を再度我々が全て検証します。ふたつ目は、そのスペックでちゃんと動作させる、使い方の提供ですね。3つめはふたつ目とリンクしますが、オーバークロック動作させることの面白さになります。

編集部:
 実際に検証した会社が販売するというのは、購入するユーザーにとってはサポートの際、非常にありがたいですね。 さて、少し気になったのですが、メモリ本体にヒートスプレッダを装着していませんね。搭載チップが丸見えになっている。まぁ“B-die”なので逆にそのほうがいいとも言えますが(笑)
渡邉氏:
 オーバークロック用メモリというのは「搭載されるDRAMでその性能の大半が決まる」ということは、少しメモリに詳しい方ならどなたでも知っています。そこで我々は、採用するDRAMが“良いもの=回るもの”という前提でその製品を発売します。ですから、採用するメモリチップは全て公開します。
編集部:
 このモデルだけではなく今後も公開する、ということですね。オーバークロック用メモリとしては今まであまり例のないことですよね?
(注釈)一般的なオーバークロック用メモリはヒートスプレッダを装着している場合がほとんである。これはなにも冷却に配慮しているわけではなく、搭載DRAMを容易に判断させないためとされている。ロットによる変更や、さらに言えば採用DRAMのメーカーがA社からB社に変更されれたとしても、メーカーの公称スペックを満たしていれば同一製品とみなされるためだ。もちろん決まったスペックのモデルを安定して供給するというのが本来の目的ではあるのだが。
渡邉氏:
 ですね。もしかしたら、今後ヒートスプレッダを被せるようなモデルもあるかもしれませんが、その場合もスペックとして搭載チップは公開します。
編集部:
 今回のチップはELPIDAのいわゆる“B-die”ですね。同じDDR3-2000でも“B die”でなくなった時点で終わり、もしくは全く別のモデルになるということですね?
※ELPIDA“B-die”については後ほど解説する
渡邉氏:
 はい。もちろんそうなります。搭載チップが、製品購入後にヒートスプレッダを剥がすまで分からないということはしません。
編集部:
 我々メディアも基本的に、どのオーバークロック用メモリでも内部のDRAMに言及することはありませんよね。メーカー側が公開していれば話は別ですが、ほぼ間違いなく掲載は止められますね。そういう意味では「OCM32000CL9T-6GB」は特殊かもしれません。
渡邉氏:
 これはあくまで主観ですが、日本のメディアさんは普通そこまで書きませんよね。なんとなく、うやむやになっているというか十分な情報が伝わってないというか。その点、海外のメディアさんは普通に殻を割った写真をバーンと出しちゃうこともある。そういった意味で、日本ではオーバークロック用メモリの正確な情報が広まらないという気もしています。

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・規格 240pin DDR3-SDRAM
・速度 DDR3-2000(PC3-16000)
・バッファ/ECC Unbuffered/nonECC
・6GB(2GBx3枚)
・レイテンシ/電圧 DDR3-2000 CL9-9-9-24/1.65V
・DDR3-1333 CL9-9-9-24(SPD)
・DDR3-2000 CL9-9-9-24/1.65V(要手動設定)
・チップメーカー ELPIDA
・チップ型番 J1108BBSE-AE-F
・チップタイプ 1GbDRAM(128Mx8)
・基板タイプ 8層基板
・RANK2RANK 18Chip
・保証期間 購入日より1年間
・日本語設定マニュアル付属

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