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「80PLUS」プログラムについてのあれこれ

編集部:
 そういえば「80PLUS」プログラムについて興味深いお話があるそうですね。電源ユニットにはこの「80PLUS」はもはや必須条件のようになっていますが。

Patric:
 そうですね。どのメーカーも「80PLUS」プログラムは取得方向です。今に始まった話ではありませんが、セールス向上には必要と誰もが考えている。

80PLUS

編集部:
 実際に取得モデルと非取得モデルでは、売上に影響はありますか?

Patric:
 かなりありますね。今でこそどんなモデルでも取得され、プレミアム感は薄れてしまいましたが、それでも取得・非取得では差が出ます。

編集部:
80PLUS
80PLUS PLATINUM
 そもそも「80PLUS」プログラムは、アメリカですよね?どんな手順で取得するんですか。

Patric:
 オンラインで申請を行います。検査依頼ですね。その後、対象製品を送り、順番を待つ。すると数週間程度で結果が出ます。ちなみに申請には○○○ドルかかります。

編集部:
 なるほど。ちなみに審査に落ちるって事はあるんですか?

Patric:
 あると思いますが、私が携わった範囲でその経験はありません。それもそのはずで、メーカーは“ゴールデンサンプル”を送りますから(笑)。

編集部:
 つまり特別に良い製品ですね(笑)。

Patric:
 コストを掛けて、審査に落ちたくはないですからね。販売計画も組まれていますから影響が出るとPMはセールスに叱られる(笑)。特別に良い製品を送る事は確かですが、実際に販売されているモデルもそれに近い製品と考えてよいと思います。

編集部:
 是非そう願いたいですね。つまらない質問ですが、審査用に送ったサンプルは返却されますか?

Patric:
 されません。送料もったいないですからね。処分してもらいます。

編集部:
 編集部にもたくさんの電源ユニットがいつの間にか集まりますが、その比じゃないだろうなぁ。そうそう、「認定書」みたいなものは存在するんですか?送られてくるとか。

Patric:
 さすがにそれはオンラインですよ。パスワードでログインして、PDFです。電子化は徹底されています。

編集部:
 そりゃそうですよね。一応確認しておきますが、Patricさんは「80PLUS」について、どのような見解を持っていますか?

Patric:
 「80PLUS」非認証だからといって、必ずしも粗悪な電源ユニットとは言えないし、認証モデルが全て良い製品とは言えません。
 「80PLUS」は変換効率の高さを段階的に切り分けた基準です。確かに変換効率が高ければ、いろいろな面で有利と言えます。ただし、電源ユニット本来の出力に関しては、表記通りのパワーが出なかったり、出力波形が荒いモデルがかなり存在します。“認証モデルがすべて良い製品”というイメージは危険です。その認識が正しければ、市場に悪い電源ユニットはほとんど存在しない事になってしまう(笑)。それはあり得ません。

編集部:
 「80PLUS」認証モデルが市場に溢れると、逆にどの電源ユニットがよい製品なのか、見極めが難しくなったという側面もありますね。次は安定した出力を一定に保つ事を段階的に切り分けた“新プログラム”が必要かもしれませんね。

80PLUS
変換効率をランク付けし、製品選びにおけるひとつの指針となるご存じ「80PLUS」。高変換効率電源ユニットは熱に変わる電気的ロスを減らす事で、構成パーツの寿命延長に貢献するだけでなく、温度可変ファンが高回転になりにくく、静音性を保つ事ができるというメリットも



第2集団に躍り出た「ASRock」は注目

編集部:
 漠然とした質問ですが、今好調なメーカーはどこですか?

Patric:
 ASRockは最近元気ですね。台湾市場でもよく売れているようです。

編集部:
 確かに日本市場でも元気な印象があります。気がつくと「好調」という、最近では希なメーカーですね。いつからなんだろう。

Patric:
 製品のラインナップも魅力的で、上手ですね。それに価格設定です。ほんのちょっと安い。パッケージも洗練されてきたので、台湾ではASUSTeKに次ぐ“第2集団”まで追いついてきています。それも急激に。GIGABYTEやMSIはのんびりしていられませんね。この状況はしばらく続くのではないでしょうか。

編集部:
 各社独自機能を用意して、オリジナル色を出す事に懸命です。それによって、これまでに無いもの、使い易い機能が増えれば、ユーザー側にとっては大きなメリットですね。

Patric:
 どこの業界も同じように、価格競争に入ると消耗戦になり、良い事はありません。マザーボードは決められたチップセットを使うため、基本仕様に大きな違いは出しにくい。よって、品質面や独自機能でアピールするしかない。その動きは最近活発になっている印象がありますので、これからも試行錯誤を繰り返しつつ、熾烈な競争は続くでしょう。テクノロジーの進化は、競争から生まれます。ジャッジはユーザー。これからの自作に期待しましょう。



対談の最後は、「震災」と「自作」

編集部:
 東日本大震災から半年が過ぎました。前回の対談は震災からまさに数日後のこと。甚大な被害が出ている中、その件に触れる事はできませんでした。ところで震災の第一報をどこで知りましたか?

Patric:
 インターネットの掲示板で知りました。私はちょうどオフィスにいましたが、たまたま見た自作掲示板で、「日本で大きな地震が起きた」という書き込みが多数投稿されました。日本は地震が多い国である事を知っていましたので、それほど気に留めなかった。しかし1時間ほど後に大津波が起きていることを知り、台湾でも大騒ぎに。原発事故もあり、台湾でも随分長い間、トップニュースで連日報道されていました。

編集部:
震災
震災当日、自転車で秋葉原入りしたエルミタ取材班。多くの自作ショップは次々にシャッターをおろした
 私は編集部でレビューのテスト中でした。その時はCooler Masterの「Turbine Masterシリーズ」の風量を計測するため、机の上に「Elite 430 Black」がありました。それが激しく揺れ、インシュレーターの片側が交互に浮きあがり、それは今までに体験したものとは明らかに違いました。東京にいてこの状況ですから、東北の方々は私たちには計り知れない思いをされたはずです。

Patric:
 今だから言える事ですが、震災直後、日本のセールスに対し懸念する声はたくさんあがりました。不謹慎かもしれませんが、台湾自作企業にとって、日本は重要なマーケットです。

編集部:
 実際に影響は出ましたか?

Patric:
 多少あったようですが、大きな問題にはならなかった。また、部材供給に関して、心配する企業もあったようですが、これも大丈夫だったと聞いています。自作業界に限っては、比較的早く回復したと思います。日本のパワーを感じます。
 最後に付け加えておきますが、台湾の人々はみな今回の震災に心を痛めました。決して日本はビジネスだけでない、大事なパートナーであると私たちは考えています。

Patrick Chen(陳俊皓)氏
・これまでに台湾の某大手メーカー3社に渡ってテクニカルマネージャーを務めてきた台湾市場の業界通。学生時代は台湾の秋葉原・光華商場のPCパーツショップでアルバイトの後、PCパーツ業界に。趣味はPC情報収集と新製品テスト等、公私ともにPC漬けの日々を送る。台湾在住。

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