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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.103
80PLUS GOLD認証最上位クラスPSU OCZ-ZX1250W検証 |
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2011年10月25日 0:00
TEXT:GDM編集部 池西 樹 |
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OCZ Technology(本社:アメリカ カリフォルニア州)といえば、今やSSD主要メーカーという印象が定着しつつあるが、忘れてはならないのが同ブランドの電源ユニットのラインナップ。その実績はSSDよりも長く、精力的に最新モデルをリリースし続けている。
そこで今回は今年8月、新たに国内正規代理店契約を締結したCFD販売株式会社(本社:愛知県名古屋市)からリリースされた「OCZ-ZX1250W」を借り受け、フラグシップモデルの実力をじっくりと堪能してみようと思う。
「OCZ-ZX1250W」は、OCZ「ZX」シリーズに属する容量1250Wのフラグシップモデルで、80PLUS GOLD認証やフルモジュラーの採用など、最近のハイエンド電源のトレンドを反映させた製品。ローエンドとハイエンドの二極化が進む同カテゴリにあって、市場想定売価30,000円クラスの高出力モデルの素性を探っていこう。 |
|80PLUS GOLD認証取得の最上位モデル「ZX」シリーズ
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OCZ Technology 「ZX」シリーズ 「OCZ-ZX1250W」 |
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ハイエンドグラフィックスカードの消費電力は増加の一途をたどり、シングルGPUでも200Wオーバーは今は当たり前。NVIDIA「GeForce GTX 590」やAMD「Radeon HD 6990」など、デュアルGPUソリューションに対応した製品では350Wを超え、電源ユニットへの要求は高まるばかり。今や、ハイエンドグラフィックスカードを使う上で高出力かつ高性能な電源ユニットは必須アイテムとなっている。
また、CPUでは消費電力の増加こそ抑えられているものの、高度な電源管理機能が組み込まれたことにより、安定した出力はこれまで同様、たいへん重要な要素となっている。
今回紹介するOCZの「ZX」シリーズは、そんなヘビーな要求に応えるべく登場した同社のフラグシップモデル。ラインナップは850W「OCZ-ZX850W」、1000W「OCZ-ZX1000W」、1250W「OCZ-ZX1250W」の3モデルと、いずれも高出力モデルが揃っている。また、ハイエンド電源ではどうしてもケーブルが多くなりがちだが、「ZX」シリーズではフルモジュラー形式を採用することで、ケーブル数を必要最小限に抑える事が可能であり、ケース内のケーブルマネジメントも容易に行えるようになっている。
なお製品には5年間の長期保証が適用されるのも特徴のひとつだ。電源ユニットは経年使用で劣化していく製品にもかかわらず、長期保証を謳っていることからも「ZX」シリーズに対するOCZの自信のほどがうかがえる。
|80PLUS GOLD認証で高い電源変換効率を実現
電源ユニット品質の目安として定着した「80PLUSプログラム」。「ZX」シリーズではすべてのモデルで80PLUS GOLD認証を取得している。
「80PLUSプログラム」についてはこれまでのレビューで何度も紹介しているため、詳細については割愛させて頂くが、「80PLUS GOLD」では負荷20%時で効率87%、同50%時で効率90%、同100%時で効率87%以上と非常に高い効率が要求される。特に消費電力が1000Wを超えるような環境では1%の効率の違いでも消費電力は10W以上と大きく異なってくることから、ハイエンド電源ユニットにおいて電源効率は非常に重要だ。
また、電源効率が上がると発熱も減るため、冷却ファンの回転数をむやみに上昇させることなく冷却が可能となる。結果として静音性の向上だけでなく、基板上のパーツ類の延命といった効果もあり、高効率化によって受けられる恩恵は大きい。
電源規格 |
ATX12V Ver.2.2/EPS12V |
入力仕様 |
電圧 |
90〜264V |
電流 |
8〜15A |
出力 |
1250W |
力率改善回路 |
Active PFC回路搭載(力率0.99) |
搭載ファン |
140mm |
効率 |
80 PLUS GOLD認証 |
MTBF |
100,000時間 |
保護回路 |
OPP(過負荷保護)/OVP(過電圧保護)/UVP(低電圧保護)/SCP(ショート保護) |
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|ブラックを基調とした美しいパッケージを採用
ハイエンド電源といえば、グラフィックスカードやマザーボードと並び花形ともいえるPCパーツだ。PCパーツショップでは常に目立つ位置に展示されことから、パッケージデザインも多彩だ。
今回の主役、「OCZ-ZX1250W」はブラックを基調としたシックなデザインに「ZX」のゴールドロゴが光る美しいパッケージが採用されている。
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ブラックを基調とした落ち着いたデザインのパッケージ。サイズは実測値で約350×240×145mm |
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パッケージを開封すると窓付きの中敷きがお出迎え。窓から見える冷却ファンが考慮されたデザインだ |
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評価機の電源ユニットは透明フィルムでシュリンクされていた |
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|+12Vは1系統で104Aの高出力を実現
CPU、グラフィックスカード、メモリ、HDDなど主要パーツは基本的に+12Vを使用するため、総出力以上に+12Vの出力が重要となる。「OCZ-ZX1250W」では+12Vは1系統にまとめられており、最大出力は実に104Aに及ぶ。これだけの容量があればハイエンドグラフィックスカードのマルチGPU構成でも十分に対応可能だ。
+12Vを1系統にするか複数系統にするかは一長一短。一概に優劣を述べることはできないが、複数系統モデルのように負荷分散を考えることなく周辺機器を接続できることを考えれば1系統の方が扱いやすいのは確かだ。
また、「OCZ-ZX1250W」では+5Vの出力が30Aと最近の電源としてはかなり高めに設定されている。HDDや光学ドライブについては+12Vだけでなく+5Vも使用するため、ストレージを大量に搭載する構成にも「OCZ-ZX1250W」は十分に対応する。
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本体に貼られているスペック表。+12Vは1系統で104Aまで、+5Vや+3.3Vも30Aと高い出力を誇る |
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|比較的PCケースを選ばない奥行き175mmサイズ
ひと昔前までの高出力電源ユニットといえば、“奥行き200mm超え”がザラだったが、最近では設計改良によりコンパクト化が進んでいる。
「OCZ-ZX1250W」の外形寸法はD175×W150×H86mmとこのクラスとしては非常にコンパクトにまとめられている。140mmファンを搭載しているにもかかわらず奥行きを175mmに抑えているのは正直驚きだ。このサイズであればATXサイズだけでなく、近頃のMicroATX対応PCケースにも搭載できるだろう。
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外形寸法はD175×W150×H86mm。1000Wオーバーの電源ユニットとしては最小クラスのコンパクト設計だ。モジュラーケーブルのコネクタ部分も筐体内に収められている |
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