エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.89　バランスのとれた有力な選択肢 MSI「R6870 Storm II 1G OC」を試す

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｜「AFTERBURNER」で簡単オーバークロック

　最近のMSI製グラフィックスカードには「AFTERBURNER（アフターバーバーナー）」というソフトウェアが付属する。MSIによるとグラフィックスカード向けのユーティリティツールという触れ込みだが、基本的にはオーバークロックツールと考えて差し支えないだろう。
　CPUに比べて難しいイメージがあるグラフィックスカードのオーバークロックだが、「AFTERBURNER」はスライダーで調整するだけという分かりやすいGUIを採用することで、その敷居を大きく下げることに成功している。さらにメーカー独自ツールにも関わらず、MSI製品以外でも使えることから、現在ではオーバークロッカー御用達のユーティリティとなっている。グラフィックスカードのオーバークロックを試してみたいならぜひ一度使って欲しい優れたソフトウェアだ。

MSI独自のユーティリティツール「AFTERBURNER」。コアクロック、メモリクロック、ファン回転数の変更だけでなく、各種モニタリングも可能となっている

｜各種ベンチマークテストで「R6870 Storm II 1G OC」の実力チェック

　ここからは実際にベンチマークテストにて検証していくことにしたい。今回は「R6870 Storm II 1G OC」の定格動作に加えて、「AFTERBURNER」を使ってコアクロック1000MHz、メモリクロック1150MHz（4600MHz相当）にオーバークロックした状態でもスコアを測定した。オーバークロックによってどの程度スコアが向上するのかチェックをしていきたい。今回用意したテスト環境は以下の通り。

テスト機材構成
CPU	Intel Core i7-2600K （SandyBridge/LGA1155/3.40GHz/TDP95W）
マザーボード	MSI「P67A-GD65」（Intel P67 Express）
メモリ	CORSAIR「CMZ8GX3M2A1866C9」 8GB（4GB×2枚）PC3-15000（DDR3-1866MHz）
システムHDD	Seagate「ST3500418AS」（SATA2 500GB）
光学ドライブ	PLEXTOR「PX-755A」
電源ユニット	CORSAIR「CMPSU-750HX」（750W/80PLUS SILVER）
OS	Windows 7 Ultimate 64bit

今回の製品ではコアクロック1000MHz、メモリクロック1150MHzまで安定動作が可能だった

｜「3DMark 11 Version 1.0.2」

　Futuremarkの「3DMark 11 Version 1.0.2」を使ってDirectX 11のパフォーマンスを見てみよう。「Performance」、「Extreme」ともオーバークロックによって約8～9％スコアが向上している。グラフィックスカードの性能が素直にスコアに現れてくるベンチマークということで、オーバークロックの効果がはっきりと出る結果となった。

｜「3DMark Vantage Build 1.1.0」

　次にDirectX 10世代の定番ベンチマーク「3DMark Vantage Build 1.1.0」の結果を見てみよう。オーバークロックによる効果はしっかりと現れているが、Performanceでは約7％、Extremeで約8％と「3DMark 11 Version 1.0.2」に比べると向上幅はやや小さくなっている。

｜「LostPlanet2ベンチマーク」

　ここからは実際のゲームベンチマークを使ってチェックしていくことにしたい。まず「DirectX 11」世代のベンチマークとして「LostPlanet2ベンチマーク」で測定を行った。
　解像度は1920×1080ドットと1280×720ドットの2パターンを計測し、それ以外はすべて初期設定のままとした。
　スコアを確認すると、1920×1080ドットでも30fpsを超えており、初期設定なら十分ゲームが可能なスコアだ。オーバークロックの効果もしっかりと出ており、1920×1080ドット、1280×720ドットとも約8％向上している。

｜「BIOHAZARD5ベンチマーク」

　次に「DirectX 10」世代のゲームベンチマークとして「BIOHAZARD5ベンチマーク」で測定を行った。
　こちらも解像度は1920×1080ドットと1280×720ドットの2パターンを計測し、それ以外はすべて初期設定のままとした。
　1920×1080ドットで約120fps、1280×720ドットでは約160fpsということで、このクラスのゲームなら楽々こなす性能と言っていいだろう。オーバークロックについては1920×1080ドットでは約9％向上しており効果がでているが、1280×720ドットではCPUがボトルネックとなっているためか約2％とほとんど変化がなかった。

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製品名
MSI R6870 Storm II 1G OC
GPU
AMD Radeon HD 6870（Barts）
コアクロック
920MHz（リファレンス900MHz）
メモリクロック
4200MHz
メモリバス幅
256bit
ビデオメモリ
GDDR5 1GB
出力端子
DualLink DVI-I×1/Single Link DVI-D×1
HDMI×1/mini DisplayPort×2
（HDMIを使用する場合は、DVI-Iポートの1つは使用不可）
バスインターフェイス
PCI-Express2.0（x16）
VGAクーラー
Stormクーリングシステム
2Slot占有大ファン搭載モデル
対応API
DirectX11/Open GL4.0
最大消費電力
225W
補助電源コネクタ
PCI-Express6pin×2
外形寸法
245×115×35mm
市場想定売価
税込19,800円前後
発売日
2011年7月20日
製品情報（エムエスアイコンピュータージャパン株式会社）