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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.94
トリプルディスプレイ環境を身近にする
ZOTAC「GeForce GTX 560 Multiview」を試す |
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2011年8月30日 19:45
TEXT:GDM編集部 池西 樹
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ミドルクラスをターゲットに、今年5月発表された“リファレンスクロックが設定されていないユニークなGPU”NVIDIA「GeForce GTX 560」。ベンダー各社ともオリジナルクーラーによる冷却性能と高クロックを売りとする製品が中心のラインナップは非常に多彩だ。そんな中、ZOTAC International (MCO) Ltd.(本社:香港)から同GPUを搭載したグラフィックスカード「GeForce GTX 560 Multiview」が8月末より発売される。
最大の特徴はGPUの3D性能を活かしつつ、“Multiview”のネーミングが示す通り、DVI×1またはDisplayPort×1とHDMI×2を使っての、トリプルディスプレイ出力に対応した点にある。
GeForce系を使ってのマルチディスプレイ環境を構築したいユーザーにとっては、現状選択肢が限られているだけに、非常に興味深い存在といえるだろう。
そこで今回、ZOTACの国内正規代理店である株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の協力により評価サンプルを借り受け、「GeForce GTX 560 Multiview」の気になる性能をチェックしてみることにした。 |
|「GeForce GTX 460」の正統後継、「GeForce GTX 560」
本編に入る前に、まずは「GeForce GTX 560」というGPUを簡単におさらいしておきたい。
エルミタではこれまで、「GF PGTX560Ti-SPOC/1GD5 WHITE」および「GTX 560Ti 1GB PHANTOM」のレビューをお届けしたが、「GeForce GTX 560」はこれらに採用されていたGPUの「Ti」が外された“無印”の下位モデルにあたる。
コアには「GeForce GTX 560 Ti」と同じ「GF114」を採用するが、8基のStreaming Multi Processor(SM)のうち1基が無効化され、CUDA Core数は336基に制限されている。一方で、32基のROPユニット数や256bitのメモリインタフェースは「GeForce GTX 560 Ti」と同等。これは、ひと世代前の「GeForce GTX 460 1GB」と比べてみると、コアが「GF104」から「GF114」へ更新されている点を除けば完全に同一スペックとなる。この辺りが、「GeForce GTX 560」が「GeForce GTX 460」の正統後継モデルと呼ばれる所以だろう。
次に動作クロックだが、こちらは多少複雑だ。冒頭でも紹介した通り「GeForce GTX 560」というGPUはコアクロック810〜950MHz、メモリクロック4004〜4488MHzが想定されるスペックとしてNVIDIAより発表されている。つまり、リファレンスクロックというものが正式には発表されていない。よって動作クロックは、各ベンダーが前記した数値の範囲内で、“ある程度自由に設定できる”ようになっている。ちなみにクロックが変動することで、最大消費電力も公式数値は発表されていない。
|単体でトリプルディスプレイ構成が可能な
|ZOTAC「GeForce GTX 560 Multiview」
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ZOTAC「GeForce GTX 560 Multiview」 |
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AMDのRadeonは、「Eyefinityテクノロジー」による最大6画面のマルチディスプレイ環境に対応するが、NVIDIAのGeForceには今現在、同様の機能は搭載されていない。そのため、業務向けの特殊カードや一部の製品でベンダーが独自に対応させているのが現状だ。そんな中、ZOTACは以前にも「GeForce GTX 460」搭載した4画面出力対応「GeForce GTX 460 3DP」を発売するなど、GeForceでのマルチディスプレイ環境に力を入れている。
今回紹介する「GeForce GTX 560 Multiview」は、Display Port→DVI変換チップを搭載することで、DVIもしくはDisplay PortとHDMI×2ポートを使ったトリプルディスプレイ構成でき、出力インターフェイスにはDVI×2、DisplayPort×1、HDMI×2が装備されている。
近ごろNVIDIAのリファレンスモデルで採用されることが多いMini HDMIではなく、HDMIが2ポート用意されているため、通常のHDMIケーブルで接続できる点もポイントが高い。
VGAクーラーはZOTACカラーを採用した2スロット占有タイプのオリジナルクーラーを搭載。カード長は実測値で約210mm、電源コネクタが横配置となっていることから通常のATXケースなら問題なく収められるサイズだ。
動作クロックはコアクロック820MHz、メモリクロック4008MHzと「GeForce GTX 560」の中では比較的おとなしいスペックだが、本製品の売りがトリプルディスプレイ対応ということを考えれば問題ないだろう。
■ZOTAC「GeForce GTX 560 Multiview」主要スペック
型番 |
GeForce GTX 560 Multiview |
開発コードネーム |
GF114 |
CUDAコア数 |
336基 |
コアクロック |
820MHz |
メモリクロック |
4008MHz |
メモリインターフェイス |
256bit |
メモリタイプ |
GDDR5 |
ビデオメモリ |
1024MB |
最大消費電力 |
非公開 |
対応API |
DirectX 11 |
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製品名
GeForce GTX 560 Multiview
型番
ZT-50706-10M
CUDAコア数
336基
コアクロック
820MHz
メモリクロック
4008MHz
メモリインターフェイス
256bit
メモリタイプ
GDDR5
ビデオメモリ
1024MB
発売日
2011年8月末予定
市場想定売価
1万円台後半
製品情報(ZOTAC) |
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