2022.12.30 00:00 更新
2022.12.30 取材
秋葉原地区で参拝できる、初詣スポット。短期特集その2は通称・倉稲魂大神こと柳森神社。神田川沿いに佇む隠れた名所をご案内します。
JR秋葉原駅・昭和通り口から昭和通りを南下。神田川を渡り「和泉橋南交差点」を右折すればそこは柳原通り。川沿いを歩くこと約2分の場所にあるのが今回訪れた柳森神社。2016年に取材した「岡昌裏地ボタン店」の斜め向かいに位置し、道路沿いの大きな柳の木と石鳥居が出迎えてくれます。
ちなみに神田川を挟んだ真向かいには秋葉原ワシントンホテルがあり、人道橋「神田ふれあい橋」からは「江戸名所・柳森神社」の看板が目に付きます。「あ、あそこか」と思う人は多いのではないでしょうか。
奥に見えるのは東北・上越・秋田・北陸新幹線の高架橋。すぐ奥には京浜東北線や山手線等が走る高架橋が続く |
ここは太田道灌が室町時代(1458年・長禄2年)に創建したとされる、由緒正しい神社。江戸城東北方面の”鬼門除け”として、伏見稲荷大社(京都)を勧請=離れた場所でも祈り願う事ができるようにしたのが始まり。なお現在の場所は1659年(万治2年)に移されたもの。かつてあった佐久間町より柳の木も移植され、その後江戸の名所になったそうです。
若者たちが力試しに用いたと言われる力石群。さまざまな大きさで13個が現存。江戸の文化を伝える貴重な資料のひとつ |
御朱印は拝殿左手にある授与所にあり、自身で押印するスタイル。朱印料100円は、正面のお賽銭箱に入れる |
また、京都・堀川の生まれで綱吉の生母・徳川桂昌院が江戸城内に福寿いなりと称して創建された「福寿神」があります。勝負事や立身出世、金運向上にご利益があると信奉された、なんとも縁起の良い神様。そもそもの由来は、桂昌院が春日局に見込まれ、第三代将軍家光の側室となったことで「大奥の御女中たちの”他を抜いて(たぬき)”玉の輿に乗った幸運にあやかろう」ということから。その手の運が欲しい人は、おたぬきさんをお参りすると良いことがあるかもしれません。なお5月15日前後の土日には「たぬき祭」が行われるそうです。
福寿神は五代将軍・徳川綱吉の生母・徳川桂昌院が江戸城内に創建したとされる |
通称「お狸さん」。その由来は”他を抜いて(たぬき)”玉の輿に乗った、桂昌院の幸運にあやかりたいとこぞって狸を崇拝したことから |
右手には大物主を奉る金刀比羅神社がある |
神楽殿、拝殿、本殿は2度の放火に遭い、昭和61年に修復されたもの |
文: 編集部 松枝 清顕/取材・撮影:街ネタ担当アキバ取材班ウエム