2024.12.30 00:00 更新
2024.12.30 取材
秋葉原の電気街と同じ歴史を刻んできた、秋葉原の古さと新しさが同居する東京ラジオデパートを廻る「東京ラジオデパート探訪」。第10回は、決して広くはない店内に無数のアイテムがあふれるカオス空間「家電のケンちゃん」にお邪魔します。
いまやラジオデパートの名物店の一つになっている家電のケンちゃんですが、2013年にオープンした当初は、現在とは全く雰囲気の違うお店でした。当時のアキバでも扱いがなくなりかけていた、Mac関連の保守パーツを扱うショップとしてスタート。「自分がやれば市場独り占めじゃないか!・・・と始めたものの、売れないから皆やめちゃったんだということが分かった」とは、代表の中川さんの談。
「ほとんど売上がない日もあった」(同氏)という厳しい時期もありつつ、レトロゲームや中古品の取り扱いが増えていきます。その後FM音源ガチャで一躍話題になり、実チップでFM音源を鳴らすことができるプレイヤーキットのような人気アイテムも誕生。この頃からお店に通い始めた、という人も結構いるんじゃないでしょうか。
10周年記念で配布されたクリアファイルにあった、オープン当時の店舗写真。いまでも多少取り扱いは残っているが、当時はMac系保守パーツのお店だった |
店長の原田さん |
それからすっかり様変わりしてしまった家電のケンちゃんにおいて、欠かせない名物に「同人ハード」があります。現在の店長である原田さんが、旧三月兎1号店の閉店とともに移籍してきたのと一緒に、取り扱いのアイテムもお引越し。このお店で扱いを再開して今に至ります。
【関連記事】【教えて!HRDさん#1】“同人ハード”なるものを扱いはじめたワケ(2023.05.04 12:00 更新)
文字通り“同人制作のハードウェア”のことで、レトロゲーム機やレトロPCを改造して新しい機能を追加したり、高画質化のようなアップグレードを施すことができる工作キットたち。毎月3~4種(場合によってはそれ以上)のペースで増えていくこともあり、そのラインナップは実に多彩です。特にファミコンやMSX系の改造キットの人気が高く、バリエーションも多数。ここでしか買えないアイテムも少なくありません。
ただし同人ハードの性格上、入荷が不定期で数も限られるものが多いのがネック。欲しいと思った時に買っておかないと、後々後悔することになるかも。
ファミコンを携帯ゲーム機化する「携帯FC作成キット」 |
ファミコンRGB化&スプライト強化できる「RGB2C02N」 | ワンダースワンカラーを据え置き化する「WSCHD」 |
そして売り場の結構な領域を埋め尽くしている、レトロゲームの存在も要チェック。ただソフト系に関しては売り場面積勝負ということもあり、どちらかと言えばハード系の扱いがメインとのこと。
ファミコンが積まれていたりゲームボーイが吊るされている横では、工作好きが集まるお店だけにレトロゲーム機のカスタマイズパーツの取り扱いも。昨今リリースが相次いでいる、レトロゲーム機向けの新作ゲームもほぼ漏れなく入荷します。