エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1193
2022.09.13 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
今回取り上げる「Define 7 Nano」は、2022年2月に詳細検証をお届けしたFractal Designの看板機種、「Define 7」のMini-DTX/Mini-ITX規格モデルだ。自作PC市場には小型PCの支持層が一定数存在するワケだが、人気のFractal Design、それもDefine 7直系のミニタワーPCケースともなれば、自ずと期待値が上昇するのは当然のことだろう。
Fractal Design「Define 7 Nano Black Solid」(型番:FD-C-DEF7N-01) 市場想定売価税込18,480円(2022年8月12日発売) 製品情報(Frcatal Design / 株式会社アスク) |
Define 7をそのままショート化させた外観は”間違いの無さ”をぷんぷん漂わせ、久し振りに評価サンプルの到着を心待ちにした1台でもある。とは言え、現在の為替相場による価格高騰の直撃を受けそうなタイミングでのリリースは、一抹の不安でもあった。
ちなみに今回取り上げる「Define 7 Nano Black Solid」(型番:FD-C-DEF7N-01)は、左側面をソリッドパネル仕様とした静音志向の強い1台で、国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)によるアナウンスでは、市場想定売価が税込18,480円とされている。
一方で、左側面に強化ガラス(ライト)を装着した魅せる筐体「Define 7 Nano Black TG Light Tint」(型番:FD-C-CEF7N-02)も、想定売価は同じ税込18,480円だ。これをどう見るかだが、同時に発売されたMicroATX/Mini-DTX/Mini-ITX対応の「Define 7 Mini」シリーズは、想定売価税込20,680円である事を思えば、一定のバランスは取れているようにも思う。
Define 7の新作バリエーションをご紹介したが、なんと「Meshify 2 Mini」「Meshify 2 Nano」も同時にリリースされている。先日お届けした「Pop Air RGB TG」検証記事で冒頭”Fractal砲”と一連のリリースラッシュを皮肉ったが、僅か1ヶ月後に計8台を投入することは想像できず、まさに不意打ちといったところ。
とは言え、秋葉原取材班からのレポートによると、ショップ店員からは新たなコンパクト筐体の定番を期待する声が多く聞かれるそうで、fractal Design恐るべしといったところだ。
「Define 7 Mini」「Define 7 Nano」と共に、ショップ店員からは「新たなコンパクト筐体の定番になり得る存在」として期待の声が多い「Meshify 2 Mini」(左)と「Meshify 2 Nano」(右) |
実機に触れる前に、Define 7 Nanoをスペック表から読み解いてみよう。対応マザーボードはMini-ITXとMini-DTXで、ケースタイプはミニタワーに分類される。小型とは言え、対応電源ユニットはATX規格とし、豊富な選択肢はもとより、ミニタワーながらハイパフォーマンスPCを組み込めるだけの準備ができている。
外形寸法は幅が205mmで、近頃の平均的なミドルタワーPCケースよりもややスリム。奥行きは399mm、高さは361mmで、いずれも400mmを切るコンパクトな筐体に仕上げられた。なお重量は7.2kgで、ミニタワーとしては重量がある。これは後に解説する「Solid」バージョンの随所で採用される高密度防音素材の使用によるところが大きい。ちなみに強化ガラス標準の「TG Light Tint」バージョンの重量は7.1kgで、0.1kg軽い。
今回比較用に「Define 7 Mini Black」シリーズのスペック表を掲載したが(表作成:株式会社アスク)、特に外見寸法を見比べてみると、高さが45mm長いことでMicroATX規格に対応させ、その他はほぼ共通である事が分かる。
なおパッケージサイズは幅277mm、奥行き417mm、高さ471mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は8.5kgとされる。さすがにミニタワーPCだけあって、店頭からの持ち帰りは可能。こと秋葉原地区では取り扱い店舗も多いことから、是非自作パーツショップへ足を運んで欲しい。
裏地にFractalロゴの連続模様をあしらった外装パッケージ。どうやら普及価格帯以上の製品で採用するルールがあるようだ |