エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1505
2025.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
DeepCool本社より空輸されてきた新型空冷CPUクーラー「ASSASSIN IV VC VISION」。国内市場では代理店の株式会社アユート(本社:東京都文京区)より2024年12月13日から販売が開始されているから、既にメインPCで稼働中という読者も多くいるだろう。市場想定売価は税込23,280円とあって、誰にでも気軽にオススメできるモノでは無いが、ハイエンド志向の自作派にとっては大いに気になる存在に違いない。
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ASSASSIN IV VC VISION(型番:R-ASN4-BKNVMD-G) 市場想定売価税込23,280円(2024年12月13日発売) 製品情報(DeepCool / 株式会社アユート) |
DeepCoolと言えば、12月29日にデジタルパネル付きCPUクーラー「AK620 DIGITAL PRO」(型番:R-AK620-BKAPMN-G)を検証したばかりだが、2025年も大いに自作PC業界を賑わせてくれることだろう。
さて今回取り上げるASSASSIN IV VC VISIONは冒頭でも触れたとおり、2023年9月より販売が開始された「ASSASSIN IV」(型番:R-ASN4-BKNNMT-G)のさしずめ「進化型上位機種」と言ったところだ。
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2023年9月1日付で詳細検証をお届けしたベースモデル「ASSASSIN IV」(型番:R-ASN4-BKNNMT-G)。改めて眺めてみると、角度によってはASSASSIN IV VC VISIONとソックリである事が分かる |
両者の外観はとても似ているが、新モデルには「VC」=ベイパーチャンバーが採用されている。当然冷却性能の強化対策であり、昨今のCPUに合わせた進化とも言える。
なお株式会社アユートの製品サイトによると、ASSASSIN IV VC VISIONは「Intel Core i9-14900Kをメインターゲットとした、TDP280W以上の動作状態に対してのみベイパーチャンバー効果で対応TDPが高まる製品」とされ、さらに「基準以下のTDPであるCPUと組み合わせて使用した場合、既存のASSASSIN IVと同等の性能」になると断り書きがある。
つまり、TDP280W以下のCPUを使用する場合は、市場想定売価(当時)税込16,180円(実勢価格税込約15,000円)のASSASSIN IVがオススメだが、ASSASSIN IV VC VISIONには追加ギミックとして、天板に4つのセグメント(CPU温度、使用状況、ワット数、周波数)がモニタリングできるディスプレイが搭載されている。冷却性能のみならず機能を追加したことで、”まるで違う製品に進化した”のが、ASSASSIN IV VC VISIONなのだ。
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COMPUTEX TAIPEI 2024で展示された「ASSASSIN IV VC VISION」は、ブース内でもひと際目立つ存在だった |
実機に触れる前に、スペック表に目を通しておこう。肝心な対応ソケットについては、Intel LGA2066/2011-v3/2011/1851/1700/1200/1150/1151/1155、AMD Socket AM5/AM4となり、新旧幅広いCPUに対応する。そして外形寸法は幅144mm、奥行き147mm、高さ172mmと大型で、ASSASSIN IVに比べ高さが8mmアップしている。そのほとんどは追加ギミックのディスプレイ分ということだろうか。
重量は1,780gで、ASSASSIN IVより205g増加。誰もがライバルとして思い浮かべているモデルが1,525gだから、空冷クーラーとしてはこれ以上重くなるのを避けたいところ。その他の特徴として、デュアルファン仕様や、一般的なハイエンドモデルより1本多い7本のヒートパイプを採用しており、DeepCoolのフラッグシップらしさは十分に感じられる。
なお外装パッケージは茶箱で、製品型番やスペックなどが記された腰巻きが付けられているのは、DeepCoolお馴染みのスタイルだ。ちなみに外形寸法は実測で幅約245mm、奥行き約185mm、高さ約210mmだった。
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ロゴやグリーンのラインで装飾された茶箱に腰巻きのスタイル。この状態をシュリンクした格好で陳列棚に並ぶ。ちなみに腰巻きは対応ソケットの更新時など、容易に差し替えできるメリットがある |