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|「NT-TX2000BK」温度テスト
ここからはCPUにIntel「Core i3-2100T」(2.50GHz/TDP35W)を搭載させ、無音PC「NT-TX2000BK」の冷却能力をテストする。
テストには3Dベンチマークよりも厳しい温度状況となるであろう「OCCT 3.1.0」(30分)で100%高負荷状態を作り、「HWMonitor Pro 1.17」での(1)CPUコア温度平均値、および温度センサー付きデジタル温度計で(2)「ZENOクーラー」のトップ部温度、非接触型温度計でCPUに最も近い(3)「ZENOクーラー」受熱部横、さらに(4)ヒートシンク形状のPCケース両側面の温度を計測した。
■アイドル状態(室内温度22.7℃/湿度85%)
計測箇所 |
温度 |
CPUコア(平均) |
44℃ |
ZENOクーラートップ部 |
23.9℃ |
ZENOクーラー受熱部横 |
22.4℃ |
PCケース側面A |
26.6℃ |
PCケース側面B |
24.4℃ |
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■アイドル状態[30分放置](室内温度22.7℃/湿度85%)
計測箇所 |
温度 |
CPUコア(平均) |
49℃(+5℃) |
ZENOクーラートップ部 |
24.8℃(+0.9℃) |
ZENOクーラー受熱部横 |
24.2℃(+1.8℃) |
PCケース側面A |
27.1℃(+0.5℃) |
PCケース側面B |
25.5℃(+1.1℃) |
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■OCCT 3.1.0 [30分経過](室内温度22.7℃/湿度85%)
計測箇所 |
温度 |
CPUコア(平均) |
75℃(+31℃) |
ZENOクーラートップ部 |
29.4℃(+5.5℃) |
ZENOクーラー受熱部横 |
25.8℃(+3.4℃) |
PCケース側面A |
29.9℃(+3.3℃) |
PCケース側面B |
27.5℃(+3.1℃) |
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※カッコ内はアイドル状態時との比較
今回はやや意地悪く、CPUには過酷な「OCCT 3.1.0」による高負荷状態でのテストだったが、CPUコア温度が75℃まで上昇したものの、「NT-TX2000BK」はひるむことなく、「無音」で動作し続けた。また各ポイント別での温度計測で気が付くのは、アイドル時→高負荷時で5℃以上の上昇がみられなかった事。特にこの結果から、大型ヒートシンクの体を成す両側面部(A・B)に熱がうまく伝わっていないのではないか?と思われるかもしれない。
実際に動作中、いろいろな場所に触れてみたが、PCケースの両側面は“順調に”ほんのり暖かくなり、負荷状態に合わせて素直に反応している事が明らかだった。よって受熱面積が広い両側面部は、熱が拡散する事により、計測ポイントでの著しい温度上昇が数値に現れなかったのではないかと推測できる。「ZENOクーラー」はCPUからの熱をヒートパイプに伝導させ、設計通りの冷却システムで動作している事がお分かり頂けただろう。
|顔色を変えずに無音で動作する「NT-TX2000BK」
自身2度目の「無音PC」構築の機会を得て、今回のテストは非常に楽しく行う事ができた。レビューに取りかかる前のポイントとして、ヒートパイプを用いてPCケース本体で冷却させる(熱を伝導させる)システムの進化振りに期待したワケだが、この点については劇的な違いを見いだす事はできなかった。ただし、一昔前の“恐る恐る動作させる”といった、実験的要素は感じられない。それだけ「NT-TX2000BK」の無音冷却システムは完成されていた。
日常、静音PCと言えどもCPUクーラーや電源ユニットから風切り音が聞こえ、「PCが動作している」ことを実感しながら道具としてのPCに接しているが、これらの音がまったくしないという状況には慣れが必要かもしれない。メディアを入れていない状態の光学ドライブ、さらにストレージにSSDを搭載すると、起動が実感できるのはフロントパネルで輝くLEDのみ。テスト中、モニタに画面が表示されるまで「起動にこけたかな?」と幾度となく不安にかられた。
「無音PC」を構築しているにも関わらず、まさに本末転倒だが、これは誰しもが思うに違いない。そもそも電気を使って動作させる道具で、音がしないモノは意外にも少ないのではないだろうか。
「NT-TX2000BK」のテストを通じ、PCの駆動音は我々ユーザーを安心させる重要な役割を果たしていた事に気付かされた。「無音PC」はPCであって、PCではない(ような)不思議な感覚が実に楽しい。 |
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機材協力:株式会社アスク
株式会社アスクテック
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