エルミタージュ秋葉原エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.2　サイズ「月光サイレント」検証

　「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編

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エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.2
サイズ「月光サイレント」検証

2010年9月6日 0:00
TEXT：GDM編集部松枝清顕

｜PCケース編第2弾はサイズ渾身のオリジナルケース「月光」

　エルミタ的「一点突破」PCケース編第2弾は、株式会社サイズ（本社：東京都千代田区）のオリジナルPCケース「月光サイレント」をお送りする。まずこのケースを選んだ理由から説明しよう。

　発売前のある日の事、編集部にサイズ社のSTAFFから「良いケースが出来上がったので是非見て欲しい」という一報が入った。どうやらそれはサイズオリジナルのミドルタワーケースで、同社らしいギミックも盛り込まれているらしい。
　編集部には掲載しきれない数のPCケース評価サンプルが常時山積みになっている。できる限り早く日の目を見せなければと思いつつ、山積みのタスクに押されてスケジュールは滞るばかりだ。担当者氏の「是非」という声には、並々ならぬ自信のほどが感じられ、“熟成”されぬまま取り上げるに至った。

「月光サイレント」（型番：GEKKOU-BK-S）。密閉式フロントドア&サイドパネル採用サイズ担当者曰く"窒息系ケース"と呼ぶらしい

｜サイズ「月光」全ラインナップをチェックしておく

　先月リリースされたサイズオリジナルミドルタワーPCケース「月光シリーズ」は、「月光スタンダード」と「月光サイレント」の2シリーズが用意され、それぞれブラック、シルバー、ミラーの3色、計6機種がラインナップされている。
　今回取り上げるのは、上位機種「月光サイレント」のブラック（型番：GEKKOU-BK-S）モデルだ。
　“サイレント”バージョン、天板と両サイドパネル部に2重構造の防振防音シートが貼り付けられており、構成パーツからの駆動音および駆動振動をシャットアウトしようという静音志向のミドルタワーだ。ちなみにこのギミックが省略されたモデルが“スタンダード”バージョンで、「PCは静かである必要はない」という少数派に向けられたラインナップだが、その価格差約1,000円を考えると、高確率で"サイレント"が選ばれるのではないだろうか。

｜「月光サイレント」ディテールをチェックする

　早速「月光サイレント」の外観からチェックして行く。まずはこのモデル一番のギミックとなる、3way仕様のフロントドアからご紹介しよう。


ミドルタワーPCケースの外装パッケージとしては誰もがコンパクトな印象を持つだろう。サイズは588×485×252mm	開閉式フロントドアを採用。ここに「月光シリーズ」最大の特徴が隠されている

「月光シリーズ」オリジナル3wayスタイルのフロントパネル部。開閉ドアは蝶番を付け替える事で、右開き（デフォルト）、左開き、さらにドア無しにて使用する事ができる

蝶番部分を取り外した穴（画像左）。着脱には若干のコツが必要だが、落ち着いて作業すれば難なく付け替えは完了する。また蝶番と逆側はブランクキャップ（フロントパネルカバー）を付ければOK

開閉方向の変更可能なフロントドアは、これまでにも存在するが、この価格帯で実現させてしまうあたり、サイズの底力を感じるところだ

フロントパネル下段のドアは吸気ファン部に位置し、防塵フィルターのメンテナンスができる。メッシュフィルターの着脱はスライド式で、溜まったホコリを簡単に除去できるので非常に便利	フロント吸気ファンは120×120×25mmのサイズオリジナル「KAZE-JYUNI」を標準搭載。800rpm/40.17CFM/10.7dBAで、動作音は極めて静か

フロントパネルを外してみる。シャーシには6箇所の"太丸ピン"で固定されており、フロントパネル下部を持ち、手前に引き出す事で取り外しは可能。無理に引くとピンが折れてしまうのはよくある話

左側面からリア部（画像左）。なおフロントI/Oポートは側面にあり、USB2.0×2、オーディオin/out（AC98/HD Audio両対応）、eSATA×1が利用可能

リア排気ファンはフロント同様、800rpm/40.17CFM/10.7dBAの「KAZE-JYUNI」を標準搭載	ファン下には、水冷ホース用のゴムグロメットを装備。水冷ユニットの爆発的普及は無いものの、PCケースにとって今や必須となったギミックと言えるだろう

｜1万円切りのミドルタワーPCケース再考

　エルミタ的「一点突破」PCケース編はスタートしたばかりだが、「速攻撮って出しレビュー」をはじめ、これまでたくさんのPCケースに触れてきた。ただどうしても1万円台後半から3万円超えのモデルをチェックする機会が多く、久し振りに1万円を切るミドルタワーPCケースをじっくり見る事ができた。ここまでディテールを見てきた段階では、クラスを超えた出来映えに感心するばかりで、売価以上のクオリティと十分に言えるだろう。

　さらにサイズ社のオリジナルPCケースはこれが初めてだが、海外生産品ながら洗練されている。オリジナルを謳うだけあって、どこか“海外モノ”のチープ感がない、不思議な感覚を味わう事ができるだろう。その意味は恐らく現物を見なければ分からない。機会があれば、ぜひ展示機に触れてみて欲しい。
　恐らく多くの人は、1万円切りのPCケースに対する考えを改めなくてはならないだろう。

・次はケース内部を見て行こう。「月光サイレント」はただの静音志向PCケースではなく、シャドウベイ部も“今風”に仕上げられている。では早速その内部構造をチェックしてみよう。

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・外形寸法 W196×D525×H430mm
・拡張カード用奥行約300mm
・フレーム 0.6+0.8mm SECC
・重量約7.3kg（ブラック）、7.45kg（シルバー）、7.48kg（ミラー）
・52.5インチ×5（内1本は3.5インチ排他）
・3.5インチ×1/シャドウベイ×4
・電源非搭載
・対応 ATX/MicroATX/Mini-ITX
・I/O USB2.0×2/オーディオin/out（AC97/HD Audio対応）/eSATA×1
・ファンフロント120mm×1（標準）リア120mm×1（標準）
・付属品ネジセット、マニュアル
・市場想定売価税込8,980円前後
・発売日：2010年8月5日
・代理店製品情報

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