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|実際に組み込む事で分かること
ここから各種テストをするために実際に組み込み作業を行ってみたい。作業中、構成パーツを装着する際に気付いた事などを中心に、「TJ08B-E」の細部に触れてみる事にしよう。
|今や“禁断”では無くなったマザーボード倒立レイアウト
「TJ08B-E」のマザーボードレイアウトは、上下逆にする「倒立レイアウト」を採用した。数年前の自作市場で席巻したこのレイアウト、その後登場したヒートパイプを張り巡らせたマザーボードが、あくまで“正立レイアウト”で冷却能力を発揮する事から、急速に市場から消えてしまった経緯がある。しかし最近のマザーボードはチップセットの進化により、大掛かりな冷却構造を持つモデルが減りつつあるため、「倒立レイアウト」のPCケースが復活する余地が出てきたと言えるだろう。
それを敏感に察知した「TJ08B-E」は、マザーボードレイアウトを上下逆にする事で、大胆な配置と無駄のない構造を手に入れる事に成功した。
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復活の兆し?を予感させる、「TJ08B-E」のマザーボード倒立レイアウト。特に内部容積が限られるMicroATXケースでは有効な手段と言えるかもしれない |
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|MicroATXではクラス最高水準の拡張カード有効スペース
PCケースを選ぶ基準として、拡張カードの有効スペースは重要だ。グラフィックスカードの多くが2Slot占有デザインとなり、ミドルレンジクラスのGPUを搭載するモデルでも、カードサイズは大型化されている。
「TJ08B-E」の公称有効スペースは1番目・2番目のスロットで約337mm、3番目・4番目のスロットで約338mmで、僅かな違いながら詳細な数値が公開されている。そこでマルチグラフィックス構成の構築例として以下のパーツを用意し、組み込みを行ってみた。
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PCケース幅ほぼ全てが有効な拡張カードスペース。さらにフロント180mmファン(32mm厚)を25mm厚の140mmファンに換装すれば、僅かながら+7mmを稼ぐ事ができる |
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今回用意したグラフィックスカードはAMD Radeon HD 5870搭載の「R5870 Lightning Plus」は、長さ277mm。公称有効スペースからは、まだ60mmの余裕が残されており、画像でも分かる通り全く問題はない。MicroATX対応PCケースの場合、拡張カードスペースは特に気になる所だが、クラス最高水準と言えるスペックを誇る「TJ08B-E」は、マルチグラフィックス構成を狙うユーザーにもオススメできそうだ。
●内部正圧状態とVGAクーラーの排気方向
SilverStoneが得意とする内部正圧状態。「TJ08B-E」も例外ではない。そこで気をつけたのがグラフィックスカードに搭載されるVGAクーラーの排気方向だ。正圧設計を採用する同社モデルでは、その全てにおいてVGAクーラーについて外排気タイプの使用が推奨されている。その理由はケース内部の気流を乱さないためであり、「スムーズで効率的な気流」による高い冷却性能を実現できるとしている。 |
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|HDDケージを利用した「Graphics Card Supporter」
4台の3.5インチHDDが搭載できるHDDケージの上部には、プラスチック製の「ブロックサポーター」が装着されていた。さて何に使うのかと思いきや、長モノグラフィックスカードの末端を支える「Graphics Card Supporter」と呼ばれるギミックの重要な構成パーツだった。
搭載画像を見れば一目瞭然だが、標準的PCI-Express(x16)の第1スロットと「ブロックサポーター」を平行にレイアウトする事で、「ブロックサポーター」が装着したグラフィックスカード末端を支えるような構造になっている。長モノグラフィックスカードはしっかりと固定しても末端が自重に負けておじきをしてしまう。これを防止するのが「Graphics Card Supporter」というワケだ。
なお搭載するグラフィックスカードにより、末端の接触部分が基板剥き出しで段差ができている場合には、付属のウレタン製「フォームパッド」を使い、高さを調整する事もできるようになっている。
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なかなかよくできている「Graphics Card Supporter」。さすがに偶然の設計から生まれたギミックではないだろう |
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