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|CPUクーラーの有効スペースと、レコメンドモデル
次はCPUクーラーについて触れておきたい。「TJ08B-E」唯一の標準搭載ファンである180mm口径「Air Penetrator fan」は、フロントから外気を吸い込み、リアの通気孔(任意で120mmファンが搭載可能)へ一気に突き抜けるようなエアフローレイアウトが採用されている。“一気に突き抜ける”という形容はまさに「Air Penetrator fan」の特徴を言い得ているワケだが、この特性を活かし、CPUクーラーは是非サイドフロー型のモデルをチョイスしたい。
SilverStoneでは、「エルミタ的一点突破」でもテストを行ったThermalright社の大型サイドフロー「HR-02」をレコメンドモデルとしているようで、型番の記載こそ無いがマニュアルに画像が掲載されている。また、先に行われた「COMPUTEX TAIPEI 2011」の展示モデルも同様、「HR-02」が搭載されていた。
標準的ATXケースの中でも「HR-02」の大きさを持て余すモデルが存在するが、W102×D140×H163mmの大型サイドフローが搭載できる点は、さすが「TJ08B-E」といったところではないだろうか。
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マニュアルに掲載されている、「CPU cooler height limit figure」と「CPU cooler fan figure」。HDDケージにドライブを満載させた場合、マザーボード右端からの空きスペースは186mm。搭載可能な高さは165mmとされ、「HR-02」はその範囲内に収まる |
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今回手持ちの「HR-02」を用意し、のちほど温度テストを実施するが、その前に1つ注意すべき点がある。それはCPUクーラーの幅だ。
マニュアルではCPUクーラーの有効スペースについて、奥行きと高さについて触れられているが、幅についての記述は見当たらない。「HR-02」の幅は公称140mmだが、実はこれが「TJ08B-E」ギリギリのサイズだった。やや画像では見づらいかもしれないが、グラフィックスカードを装着した場合、CPUクーラーの放熱フィンが接触している。
このテストで用いたグラフィックスカードは、SAPPHIRE「Radoen HD 6970」のリファレンス準拠モデルだが、ご存じのように基板はプラスチックカバーで覆われているが、モデルによっては、基板が剥き出しとなる部分になるため、短絡の心配をする必要がある。なんらかの絶縁処理を自ら行うという手もあるが、レコメンドである「HR-02」を使用する場合は、組み合わされるグラフィックスカードとの接触に注意が必要だ。
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Thermalright「HR-02」を搭載してみると、グラフィックスカードと僅かに接触する。両者の動作に問題があるレベルではないが、チョイスするCPUクーラーの幅は140mm以下にする必要がある |
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|搭載可能なメモリモジュール最大高は54mm
搭載可能メモリ高は54mmとされている。ただしこれは3.5インチHDDケージにドライブを搭載させるか否かに依存する。HDDを搭載させた場合、ドライブがメモリスロットにまで張り出すため、54mmのスペースの制限が付くものの、このHDDケージを使用せずSSDのみで稼働させた場合などはその限りではない。
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なおマニュアルには大型ヒートスプレッダが装着されたメモリの場合、ヒートシンクの一部を外す事が推奨されている(画像参照)。ロゴにモザイクがかかったそれは、どうみても“アレ”だが、3.5インチHDDを搭載させる場合は手持ちのメモリ高を事前にチェックしておきたい |
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|5.25インチ光学ドライブと電源ユニットの関係
設計上、5.25インチドライブベイと電源ユニットは直線上にレイアウトされているため、両者はこのスペースを仲良く共有しなければならない。このスペースに関してはメーカーも気になっているようで、マニュアルにも注意書きが記されていた。それによると最大有効スペースは382mmとされており、光学ドライブの奥行きは220mm(最大)と明記されている。
今回テストに使用した光学ドライブLG「GH24NS50」は奥行き170mm、電源ユニットSilverStone「SST-ST1000-P」は奥行き160mmとなり合計330mmだ。
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モジュラー式電源ユニットの場合、光学ドライブを固定する前に必要なケーブル類を接続しておく必要がある |
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「SST-ST1000-P」はフルモジュラータイプで、直結式に比べ、無駄なコネクタ(ケーブル)を接続する必要はない。ただし標準的な構成部品でシステムを組む場合、複数のコネクタを使用するため、本体左右幅の大部分からコネクタ(ケーブル)が伸びる事になる。一長一短とはこのことで、1点からケーブルが伸びる直結式に比べ、複数箇所から伸びるモジュラー式は、場合によって“さばきにくい”事がある。
幸いにして「TJ08B-E」は、マザーボードトレイ背面にケーブルを押し込むスペースが広いため、余ったケーブルを引き回す事で、比較的コネクタ類にストレスを掛けることなく接続できた。
|3.5インチシャドウベイと2.5インチシャドウベイ
あまりにも詳細に見ていくとキリが無い「TJ08B-E」だが、最後にシャドウベイ部についてチェックしておこう。
3.5インチシャドウベイは、取り外し可能なケージタイプを採用する事で、HDDを事前に固定してからケース内部に搭載させる事ができる。また急速な需要の拡大から、当然2.5インチSSDを搭載させようと目論むワケだが、このモデルでは着脱式HDDケージ下の独立した3.5インチ共用シャドウベイ(オープンベイとしても使用可能)にマウンタ無しで固定する事ができる。
なおHDDとは異なり、インターフェイスは横向きレイアウトとなる事から、使い勝手が良い。ちなみに固定方法は、SSD底面にある4つのネジ穴を使用するため、「TJ08B-E」を一度ひっくり返す必要がある。言うまでも無く、大掛かりな構成部品を固定する前に、SSDをインストールする事が大切だ。とかく小型筐体は、組み込み手順が重要。通常マニュアルに目を通さない筆者も、今回ばかりはセオリー通りの組み込み手順でテスト機を完成させた。
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HDDケージ下にある、3.5インチ共用ベイに、2.5インチSSDを搭載させてみる。底面4つのネジ穴を使い、筐体に固定するタイプが採用されている |
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