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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.21 CORSAIR水冷「H80/H100」検証
エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.21
CORSAIR水冷「H80/H100」検証
2011年8月19日 4:01
TEXT:GDM編集部 松枝 清顕
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頑張るCORSAIRの新型Hydroシリーズ「H80/H100」
水冷ユニットをより身近な存在にした功労者、
CORSAIR Memory(本社:アメリカ カリフォルニア州/以下:CORSAIR)
「Hydroシリーズ」
から、耐久性を高めた小型ポンプ一体型ウォーターブロックを採用する背面120mmファンスペース搭載型
「CWCH80」(以下:H80)
が7月23日にリリースされた。さらに8月27日(予定)には、上部120mmファン×2基分のスペースを利用する待望の大型ラジエーターモデル
「CWCH100」(以下:H100)
のリリースが控えている。
今回は国内正規代理店である
株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)
の協力により、「H80」と「H100」を入手。期待の2モデルをエルミタ的に検証していきたい。
オールインワン、メンテナンスフリーの水冷ユニットを自作市場に浸透させた、CORSAIRブランドの「Hydroシリーズ」
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進化し続けるCORSAIR「Hydroシリーズ」
今ひとつ信頼性に欠けたオールインワンタイプの水冷ユニットを自作市場に浸透させたのは、CORSAIR「Hydroシリーズ」である事は誰もが認めるところだろう。エルミタでは昨年
「CWCH50-1」
および
「CWCH70」
の2モデルをテストしたが、そのパフォーマンスはいずれも秀逸であった。
空冷CPUクーラーを扱うような手軽さ、そして良好な冷却能力は国内のみならず世界中の自作ユーザーから支持を集め、歴代「Hydroシリーズ」の人気は非常に高い。このように多くのユーザーに使われる事で獲得した「信頼性」は、他の製品を寄せ付けない「Hydroシリーズ」の重要な資産となっている。
そしてCORSAIRはヒット作に甘んじること無く、毎年のように新型水冷ユニットを市場に投入しているワケだが、今回テストする「H80」、「H100」は、どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。早速各モデルをチェックしてみたい。
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待望の240mmタイプ大型ラジエーターを採用する「H100」
120mmファン2基搭載可能な大型ラジエーターを採用する「H100」。パッケージサイズは実測値で310×220×145mm
進化し続ける「Hydroシリーズ」にあって、初の大型ラジエーターモデルとなる「H100」は、今最も注目されているオールインワン水冷キットだ。
水冷クーラーの冷却能力はラジエーターの善し悪しでほぼ決まってしまうほど重要な構成部品。「H100」では120mm口径ファン2基を横に並べて搭載させる“240mmタイプ”のラジエーターを初めて採用し、これをPCケースのトップパネルに固定して運用する(ラジエーターサイズのメーカー公表値は122×275×27mm)。自由にパーツをチョイスして組み上げる“カスタム水冷”ではお馴染みのスタイルだが、手軽さが売りのオールインワン水冷としては現時点貴重なモデルであり、まさに待望の製品と今から心待ちにしている人は多いのではないだろうか。ちなみに国内販売8月27日の予定で、市場想定売価は税込14,800円前後。決して高い製品ではない。
【CWCH100】主なポイント
・ラジエーター部に静音120mmファン2基を並列搭載
・小型化されたポンプ一体型ウォーターブロックの採用
・ワンタッチ3段階切替ファンコントロール機能搭載
・「CORSAIR LINK」対応コネクタ搭載
国内上陸第1号機となる「H100」。編集部到着時点では、国内唯一の固体となる貴重品。なおパッケージおよび内容物を見る限り、エンジニアリングサンプルではなく、完全な製品版だった
ラジエーターの厚さは、搭載される2基の120mmファンと同様の実測値25mm。ウォーターチューブは下向きに接続されており、PCケース天板部のファンスペースに搭載する事になる
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ラジエーターに120mmファンをサンドイッチさせた「H80」
小ぶりとは言え、「H100」よりも厚みのある「H80」パッケージ。サイズは実測値で275×230×155mm
「H100」に比べると地味に見えてしまう「H80」だが、トップ部に120mmファン×2基分の搭載スペースが無いPCケースを所有するユーザーにとっては、最上位クラスのオールインワン水冷ユニットとなるだろう。
既存の「Hydroシリーズ」同様、背面120mmファン搭載スペースを利用してラジエーターを固定する標準的なタイプで、言い換えればボリュームゾーンとなる重要な役割を担う事になる。
なお「H80」は、2010年7月23日に販売が開始されており、市場想定売価は税込12,980円とされている。
【CWCH80】主なポイント
・ラジエーター部に静音120mmファン2基をサンドイッチ搭載
・小型化されたポンプ一体型ウォーターブロックの採用
・ワンタッチ3段階切替ファンコントロール機能搭載
・「CORSAIR LINK」対応コネクタ搭載
お馴染みのスタイルを採用する「H80」は、ラジエーター両サイドに120mmファンを装着させる事で、ラジエーター内部に通り抜けるエアフローのスピードを向上させる設計
ラジエーターの厚さは実測値で約45mm(外枠含む)。「H100」に比べ、20mmも大きく、冷却能力には期待したい
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「H80」、「H100」共通のポンプ一体型ウォーターブロック
ラジエーター以外の構成部品はほぼ共通の両者。ここからは小型ポンプ一体型ウォーターブロックをチェックしてみよう。なおサイズは65×65×40mmで、同じく角型となる
「CWCH60」
の70×70×29mmよりもひと回り小さく、ひと回り分厚い。
5月にリリースされた「CWCH60」より角型に変更されたポンプ一体型ウォーターブロック。底面の受熱ベースは銅製で、グリスが塗られていた。ついつい外したくなってしまう8本のネジだが、水漏れを起こすため、緩める事すら厳禁
CORSAIRロゴがあしらわれたヘッド部。対応ソケットは、Intel系で次世代LGA2011をはじめ、1155、1156、1366、775、AMD系でSocket FM1、AM3+、AM3、AM2+、AM2のユニバーサル対応
側面のファン接続用3pinコネクタは「H80」が2つ、「H100」が4つ装備されており、厳密に言えばこの部分のみ共通ではない
クーラント液が蒸発しにくいという、低透過率カスタムプラスチックチューブ。反発性の強い蛇腹のようなチューブで、長さは約300mm
「COMPUTEX TAIPEI 2011」レポートでもお届けした、NVIDIA「ESA」風冷却管理システム
「CORSAIR LINK」
用コネクタが装備されているのも大きなポイント。ただし発売は年内と予告されており、これを活用するにはまだ時間が掛かるようだ
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新機能「ワンタッチ・ファンコントローラー」で3段階切替対応
今年5月にリリースされた
「CWCH60」
からポンプ一体型ウォーターブロックが丸型から角型に変更された「Hydroシリーズ」。そして「H80」「H100」からはヘッド部中央にボタンが新たに搭載された。これが新機能、ワンタッチ・ファンコントローラーだ。
ファンのインペラを模したイラストが描かれた、ファン回転数切替ボタン。“ぺこぺこ”したスイッチはご愛敬
ヘッド中央部のボタンを押すことで、ラジエーター搭載120mmファンの回転数が1300/2000/2600rpm(46〜92CFM/22〜39dBA)の3段階で任意切替に対応。ケース内部での操作となるため、シーン別にとはなかなか言いづらいものの、使用用途や季節の変化による室内温度に合わせて、予め設定して運用する事ができる。
またそれぞれの回転数に合わせて内蔵LEDが点灯。現在の稼働状況を目視できる工夫も盛り込まれている。
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ウォーターブロック
サイズ:65×65×40mm
素材:銅(ベースプレート)
ラジエーター
サイズ:122×275×27mm
素材:アルミニウム
重量
---g
ファン
サイズ:120×120×25mm(2基付属)
回転数:1300/2000/2600rpm
風量:46〜92CFM
静圧:1.6〜7.7mm-H2O
騒音値:22〜39dBA
対応ソケット
Intel LGA2011/1366/1156/1155/775
AMD Socket FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
製品保証
5年間
発売日
2011年8月27日
市場想定売価
税込14,800円前後
→
製品情報(CORSAIR Memory)
ウォーターブロック
サイズ:65×65×40mm
素材:銅(ベースプレート)
ラジエーター
サイズ:38×120×152mm
素材:アルミニウム
重量
約760g
ファン
サイズ:120×120×25mm(2基付属)
回転数:1300/2000/2600rpm
風量:46〜92CFM
静圧:1.6〜7.7mm-H2O
騒音値:22〜39dBA
対応ソケット
Intel LGA2011/1366/1156/1155/775
AMD Socket FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
製品保証
5年間
発売日
2011年7月23日
市場想定売価
税込12,980円前後
製品情報(リンクスインターナショナル)
製品情報(CORSAIR Memory)
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