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 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.19 PROLIMA TECH 「GENESIS」検証
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「GENESIS」温度・騒音値テスト

 PROLIMA TECH「GENESIS」の冷却パフォーマンスをチェックしてみよう。
 季節は梅雨の真っ最中。各地で30℃を記録する陽気となったが、気温だけでなく湿度も高く、特に風通しの悪い“テスト部屋”は、人間にもPCにもあまりよい環境とは言えなくなってきた。どちらがさきにバテるかは推して知るべしだが(筆者は早くも万歳状態)、そんな中で「GENESIS」はどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

 テスト環境は従来通りだが、マザーボードがようやく「B3ステッピング」に交換され、気持ちも新たに「一点突破」で活躍してもらおうと思う。また前述通り、気温上昇に伴い、この企画の比較用基準モデルとなるIntel「Core i5-2500Kリテールクーラー」のアイドル時と高負荷時のテストを再度行った。前回テスト(1月28日:19.8℃)から5ヶ月で気温は27.2℃(湿度79%)となり、結果アイドル時で35.0℃(1092rpm)、高負荷時で69.0℃(2684rpm)だった。

GENESIS

検証使用機材
CPU Intel Core i5-2500K
(Sandy Bridge/LGA1155/3.30GHz/TDP95W)
マザーボード ASUSTeK「P8P67 DELUXE REV3.0」
(Intel P67 Express B3ステッピング)
メモリ CORSAIR「CMZ8GX3M2A1600C8」
8GB(4GB×2枚)PC3-12800(DDR3-1600MHz
グラフィックスカード SAPPHIRE「HD 4350 256MB DDR2 PCIE HDMI LP ファンレス」(型番:11142-08-20R)
HDD Western Digital「WD10EARS」
光学ドライブ LG「GH24NS50」
電源ユニット CORSAIR「CMPSU-850AXJP」
(850W/80PLUS GOLD)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
テストベンチ台 Cooler Master「Test Bench V1.0」
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度モニタ HWMonitor Pro 1.17
回転数モニタ SpeedFan 4.43

エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法

1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPUに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」Priority HIGH設定
(アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測)
6.コア温度は「HWMonitor Pro 1.17」を使用
(コア#1〜#4の平均値)
7.ファン回転数は「SpeedFan 4.43」を使用

基準モデル【Intel Core i5-2500K同梱リテールクーラー計測結果】
  アイドル時 高負荷時
1月28日計測時(19.8℃) 30.0℃(1233rpm) 68.5℃(2699rpm)
6月22日計測時(27.2℃) 35.0℃(1092rpm) 69.0℃(2684tpm)


■CPUコア温度・騒音値計測結果

test

 テスト結果はアイドル時でIntelリテールクーラーの35.0℃に対しマイナス4℃の31.0℃、高負荷時は同じく69.0℃に対しマイナス20℃の49℃だった。高負荷時で20℃以上の差をつける事はできなかったが、室温の上昇を考慮すれば、冷却能力の高さは素直に認めなくてはならないだろう。
 ちなみにファン回転数は、トップフロー部が1095rpm、サイドフロー部が796rpmで差が出ているのは、ASUSTeK「AI Suite II 1.01.09」で「EPU」オートモード、「FAN Xpert」CPUおよびケースファン共に標準設定にしているため。それぞれCPUはトップフロー、ケースファンはサイドフローに接続している。
 この回転数で騒音値は37.2dBAと十分に静音性が保たれ、さらに冷却パフォーマンスも悪くない。見た目が派手なので、飛び抜けた結果を期待するかもしれないが、エアフローが良好なPCケース内部に収めれば、もう少し違った結果が出るかもしれない。


■ヒートシンク各ポイント別温度計測結果

 例によって、ヒートシンク各ポイント別の温度計測を行ってみた。今回はCPUコア受熱ベース部ウラを含め、全13箇所となる。
 高負荷状態20分経過後の計測で一番温度が上昇したのは32.2℃の(3)で、逆に一番温度が低かったのは27.9℃の(8)となった。
 (8)は発熱体となるCPUコアから一番遠い部分(高い箇所)で、逆末端の(6)も28.1℃(+0.2℃)と、同じような値となっている。最高温度の(3)については、CPUコアから近い上、熱移動を行うヒートパイプもあり、これまでのテストから見ても真っ当な結果ではないかと思う。ただし、逆末端の(1)29.3℃(-2.9℃)は、どのように解釈できるのだろうか。3℃近い温度差は大きく、さらに別の発熱体であるグラフィックスカードのGPUにも近くなる事から、本来であればもっと温度が高くなっても不思議ではない。
 「GENESIS」の場合、サイドフローヒートシンクの140mm吸気ファン(トップフローのヒートシンクから見て)が隣接するため、排熱の効果も若干影響されるのかもしれないが、ヒートシンク全体に満遍なく熱を伝えるという作業がいかに難しいかがお分かり頂けるだろう。

GENESIS

1
2
3
4
5
6
7
29.3℃
28.3℃
32.2℃
28.2℃
28.8℃
28.1℃
28.1℃
8
9
10
11
12
13
 
27.9℃
29.4℃
30.7℃
30.1℃
29.6℃
30.4℃
 



総評 ちゃんと準備をしてきた感のある「GENESIS」

 欲張りにもトップフローとサイドフローの両者をひとまとめにした「GENESIS」は、少なくとも“見かけ倒し”の技術評価サンプルではなく、きちんと事前にテストが行われ、理論に沿ったCPUクーラーという印象を受けた。正直、これはまだ発展途上のレベルではないかと、勝手な思い込みからテストを始めたが、想像を裏切る結果はPROLIMA TECHというメーカーのイメージも改める必要がある。
 国内代理店の目が厳しくなった(成熟した?)ためか、最近リリースされるCPUクーラーで、致命的に冷えないという製品が本当に少なくなった。以前に比べ、単価が高くなったCPUクーラーだが、それだけに冷えてもらわなければ、そのモデルだけでなくブランドイメージすら崩壊する恐れがある。
 在庫リスクも背負わなければならず、絶好調とはお世辞にも言えない自作業界にあって、国内市場導入にはかなり慎重にならざるを得ない。オモシロイだけでは代理店も手を出せない事情もあるのだろう。
 現在の自作事情がフィルターを強化させているという側面はユーザーにとって歓迎すべきものなのか。自作特有のギャンブル性が無くなり、突出したモデルを使う楽しみが減っている気がしてならない。

 さて得意の脱線はさておき、「GENESIS」の総合評価をしなければならない。ただし従来通り個別のジャッジは行うものの、総合評価は無しとした。これは「GENESIS」がヒートシンクのみで販売されているためで、特に静音性と冷却性能はユーザーが任意で選ぶファンにより、評価が変わる事になる。以下はあくまでも今回テストで使用した「BLUE VORTEX14」が前提である事をお断りしておく。

【静音性】 5.0ポイント(参考値)

 37.2dBAは十分静かと言える。ただし「GENESIS」はファンが別売りであり、このスコアはPROLIMA TECH「BLUE VORTEX14」との組み合わせによるものだ。もっと高い回転数のファンを搭載させれば、とたんに評価ポイントは下がるワケで、あくまで参考値として頂きたい。ただしひとつ言えるのは、そのリリースタイミングから「BLUE VORTEX14」が「GENESIS」のために用意された製品ではないものの、テスト結果からベストマッチのひとつとして積極的に選択しても良いのではないかと思う。


【冷却性能】 5.0ポイント(これまた参考値)

 同じ解説はしないが、冷却性能も搭載ファンに依存する部分が多いため、ここでも参考値となる事はご了承いただきたい。
 本来ならば、トップ&サイドフロー合体の利点や、メモリの温度変化などもテストすればよかったのだが、時間の関係で今回はやむなく割愛と相成った。個人的興味として、必ずや“追試”を行ってみたい。


【取り付け易さ】 5.0ポイント

 PROLIMA TECHのCPUクーラーを初めてテストしたが、工作精度も良好で、装着感も良く、さらに作業工程も複雑ではない。敢えて言うならばIntel系で使う場合、ソケットに合わせてネジ穴を作らなければならないが、これはPROLIMA TECHに罪は無く、Intelの変幻自在なソケット毎のネジピッチによるものだ。それ以外はマニュアルを見ながら進めて行けば、迷う事無く確実に搭載ができる。ドライバーによるネジ留めは工程中1回だけというのもポイントが高い。


【コストパフォーマンス】 4.0ポイント

 リリース時の市場想定売価は税込6,980円前後、さらに別途ファンを2基用意しなければならないため、合計1万円程度の予算は確保しなければならない。かなり乱暴だが、サイドフローとトップフロー2つのCPUクーラーを買ったと思えば、決して高い買い物ではないが、構成部品を細かく見て行くと、もうワンランク上の部材を使ったモデルは世の中に多数存在する。ある程度のコストダウンは見受けられるため、コストパフォーマンスも十分考慮された製品と言えるだろう。満点とは行かないまでも、4.0ポイントの価値は十分にある。

【エルミタ的検証用CPUクーラー募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望CPUクーラーを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。

機材協力:株式会社サイズ
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