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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.52 CORSAIR H70 速攻レビュー
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CORSAIR「H70」冷却能力はいかに?

 ここからはお待ちかね、パワーアップされた「H70」の冷却テストを始めてみたい。
 今回用意したのは「エルミタ的一点突破」でお馴染みのIntel Core i5-750 + P55構成。より実用的なレベルでの水冷ユニット環境は、どのようなスコアを叩き出すのだろうか。さらにCore i7-920 + X58構成でもテストを試み、上位プロセッサでの性能も知っておきたい。

 またPCケースにはAntec「DF-35」をチョイスした。こちらのエアフローレイアウトは、フロント吸気120mm×2(最小回転1000rpm/33.3CFM/19.45dBA)、トップ排気140mm×1(最小回転800rpm/33.6CFM/21.8dBA)で、標準搭載のリアファンは「H70」同梱のファンに付け替えている。

 なおテスト方法は、アイドル時に加え、「一点突破」同様にストレスツール「OCCT 3.1.0」を使い、20分間の高負荷状態(×3回)での平均値を採用した。

H70

ケース内吸気が前提のCORSAIR「H70」

 ご存じ無い方のために念のため説明しておくと、CORSAIRの「H70」「H50」は、いずれもフレッシュな外気をラジエーターに吹き付ける事が前提に設計されている。つまり通常リアファンは排気だが、これらを組み込む場合はエアフロー方向は真逆のケース内吸気となる。
 リアファンを吸気にするとは、つまりPCケース設計側からすれば“推奨外”での使用方法となり、なんらかの影響が出る可能性を疑わなければならない。なおこの点については、後日お届けする特集記事で検証を行っているので、今回はそれ以上の指摘はしない。ただしその結果から、「H70」および「H50」はCORSAIR推奨通り“リア吸気”の方が良い冷却性能を発揮する事が分かっている。

H70
Antec「DF-35」に組み込まれた「H70」。奥行きがやや短いPCケースなだけに、トップ140mm排気ファンがラジエーターとファンの部分に隠れてしまう。ただし両者は干渉する事は無く、稼働自体に問題はなさそうだ



CORSAIR「H70」冷却能力テスト 〜Core i5-750編〜

Spec

test

 ミドルレンジではまだまだ人気のIntel Core i5-750 + Intel P55 Express構成では、低速回転(1561rpm)のアイドル時で36℃、高負荷時で51℃。高速回転(1896rpm)のアイドル時で34℃、高負荷時で49℃という結果となった。
 酷暑の編集部内、冷房OFFでの室内温度29.9℃環境を考慮すれば、良好な結果である事がお分かり頂けるだろう。これは体感での感想となってしまうが、100%負荷状態完了後の温度下降が早く、空冷との違いを僅かながらに感じる事ができた。



CORSAIR「H70」冷却能力テスト 〜Core i7-920編〜

Spec

Test

 今度はワンランクアップのIntel Core i7-920 + Intel X58 Express構成でテストを行ってみると、低速回転(1563rpm)のアイドル時で38℃、高負荷時で59℃。高速回転(1918rpm)のアイドル時で38℃、高負荷時で56℃という結果となった。
 特に高速回転での高負荷時では、低速回転時に比べ-3℃の冷却力が発揮されている。このレベルでの-3℃は、大型ラジエーターに組み合わされたデュアルファン高速回転の恩恵を如実に表していると言えるだろう。空冷では400rpmの差で-3℃はなかなか出せるものではない。この結果から、高負荷時でのポテンシャルの高さが窺える。

風量アップの騒音値と、水冷動作時の稼働音

 「H70」からデフォルトで導入された120mmデュアルファン。減速ケーブルを使い、2000rpmを1600rpmに落としてもメーカー公表値26dBAは標準的なレベルだ。ただしデュアルファンにする事で、ファン自体の騒音値以上に、ラジエーターを抜けて行く風切り音が際立つ。「H50」よりも高クロックユーザーにも対応するためのデュアルファン化だが、気になるようであれば汎用ファンに換装する事も視野にいれておきたい。
 一方の水冷稼働音だが、「H50」では動作中に“夜中に階下の部屋でトイレの水を流したような音”(決して耳障りではない)が突然聞こえる癖があった。しかし「H70」ではテスト中そのような音は無く、経年変化を考慮しなくてはならないものの、静音化が図られているように思えた。



総評 街乗り向けの「H50」、高速クルーズ向けの「H70」

 発売直前の「H70」ことCORSAIR「CWCH70」ファーストインプレッションをお届けしたがどのような印象を持っただろうか。本稿でも触れた通り、偶然別企画の“仕込み”で「H50」のテストを長らく行っているが、両者を比較してみるとCORSAIRが「H70」を用意した事で、ある程度の棲み分けができたのではないかと感じた。

 「H50」の冷却能力の高さはそのセールスが示す通り、たくさんのユーザーが体感済みで、比較的静音稼働にて空冷の高冷却モデル同様の冷却能力が実証されている。その完成度の高さありきの上位モデル「H70」リリースにはメーカー側もあれこれ悩まされたのではないかと思う。
 CORSAIRはその答えにラジエーターの大型化、ポンプ部のスリム化、さらにデュアルファン化という3大作戦を取ったワケだが、概ね狙いは的中していると言って良いだろう。

 冷却性能には重要なラジエーターと風量アップは、誰もがより高い冷却性能を期待する。テスト結果を見ると、アイドル時のCPU温度は高冷却志向の空冷モデルには劣るものの(室内温度の高さを考えれば順当)、高負荷時にはきちんと冷える事が実証され、ぐんぐん温度が上昇してゆくという事はテスト中、一度も起きなかった。つまりある程度の高い温度に達した場合に“ふんばりが効く”という印象が強く、これは水冷特有の冷え方といえるかもしれない。

 例えるならば「H50」は“街乗り”向け、「H70」は“高速クルーズ”向けという印象であり、「H70」はより高クロック=高温時にその性格が色濃く、Core i5-750クラスのミドルレンジでは「H50」と冷却性能は拮抗する。

 現時点オールインワン水冷キットの代名詞である「H50」の上位モデル「H70」は、よりハイエンド構成での使用をお勧めしたい。

機材協力:株式会社リンクスインターナショナル
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H70
H70
・市場想定売価税込15,000円前後
・発売日:2010年9月予定
メーカー製品情報
CWCH50-1
CWCH50-1
・市場想定売価税込10,800円前後
・発売日:2009年10月10日
代理店製品情報
 
CORSAIR
HDD-BOOST
KUHLER-BOX
 
 
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