エルミタージュ秋葉原あなたのPCホコリはどこに溜まる!?「ホコリサミット」解析

　「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編

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｜実際に“ホコリPC”を掃除してみよう

　ユーザー様からの投稿、そしてメーカーやPCパーツショップの意見を聞いたところで、実際にホコリまみれのPCを掃除してみる事にする。
　今回は都内某所にあるコンテンツ制作会社の事務所へお邪魔し、導入以来、一切掃除をしていないというPCを拝借。日頃お世話になっているお礼も兼ねて、「エルミタ的ホコリ掃除」をしてみたい。

　なお今回サンプルとして登場するのはAntec「THREE HUNDRED」を使った自作マシン。サイドパネルを開けると、想像を絶する状態に、、、

　まさにこの企画のために掃除をしなかったのではないかと思えるほどのホコリ風景が、PCケース内部いっぱいに広がっていた。
　ちなみにこの事務所では、常時10台ほどのPCが稼働しており、さらに室内は“禁煙”ではなく、空気清浄機はあるものの若干焼け石に水的な状況。PCたちにとっては決してクリーンな環境で稼働しているわけではない。
　メーカーやショップからのアドバイスにもあったように、室内のホコリだけでなく、タバコのヤニはPCにとってかなりの影響を与えるため、“禁煙にするか、こまめに掃除をするか”要検討と言ったところ？かもしれない。

｜エルミタ的「お掃除作戦」に準備したホコリ掃除グッズ

　というワケで、今回のエルミタ的「お掃除作戦」に準備したのは、以下のホコリ掃除グッズたちだ。いずれも大型量販店で購入したもので、総額は2,000円程度と比較的少額でメンテナンスを行う事ができる。残るは“気合いのみ”となるが、大枚をはたいて買ったパーツを少しでも長く良い状態で使うために、最低月1回はサイドパネルを開け、状態を確認したいものだ。


お馴染みのスタイルながら、ダ○キンではない化学ハンドモップ。モップ部は使い捨てで価格は400円程度。手軽さがウリ	ポリエステル系ミクロファイバーの束が凹凸面の汚れをキャッチするハンディタイプのファイバーモップ。量販店にて400円程度で購入できる


OA機器メンテナンスの定番、エアダスター。用意したのはバッファローコクヨサプライの「BSCLADN01」。この手の製品では“ブランドもの”なため少々高価	6ヶ月から1.5歳用の乳歯ブラシ。毛先が柔らかく、ヘッドも小振りでヒートシンクの掃除に最適


先端がお団子状になっているベビー綿棒。大人用に比べて細く、ソフトタッチが必要な部位では活躍してくれる	もちろんここまでする必要は無いものの、事務所にあった「dyson」を拝借。初めて使った感想は意外に大音響

｜エルミタ的「お掃除作戦」開始

　では実際に掃除を開始しよう。ここからは各ホコリ箇所別に今回実施したホコリ掃除をご紹介して行きたい。
　なお掃除に当たっては言うまでもなく、ACコンセントを事前に抜いて置こう。掃除機などを使用するため、ケーブルが抜けてしまう事もあり、最悪ショートの恐れも考慮する必要がある。

■覚えておきたいPCケースホコリ掃除の手順

PCの掃除にはある程度の順番がある。とは言うモノの、厳密にあるワケではないが面倒な作業である事は間違いお掃除は、手順通りに進める事でより短時間で仕上げる事ができる。

まず掃除機を使い、大まかにホコリを吸い取り除く。次にトップ面から（CPUクーラー部やトップファン）エアダスターを使い、徐々にホコリを下に落として行こう。目に付いた箇所からばんばん吹き付けてしまいたい所だが、エアダスターは掃除機が届かず、また目に見えない箇所のホコリを吹き上げてくれる。そのため、せっかく掃除した部分がまたホコリまみれになる事があるのだ。
ここは手順を踏んで、上から下に向かって掃除を進めて行く事をお勧めしたい。なおエアダスターはかなりの勢いがあるため、PCケース外にホコリをまき散らす恐れがある。掃除を行う場合は、周囲を片付け、できれば屋外で行いたいところ。

｜トップファン&側面通気孔はホコリの巣窟

　Antec「THREE HUNDRED」のトップ140mmファン部とサイド通気孔（120mmファン未増設）はフロントパネル同様、ホコリの抜け穴になっているため、どうしても多くのホコリが積もってしまう。掃除はまずハンドモップを使えば大まかなホコリは除去できる。ただし厄介なのがトップファンの羽部。横着するならば、エアダスターで吹き飛ばし、しっかり掃除したければ面倒でもファンを一度取り外す必要がある。

｜フロントパネルは掃除機を使いゆっくりホコリを吸い取る

　メッシュ仕様のフロントパネル部は内部の吸気ファンによって細かいホコリが張り付いている。常に目に付く部分だけでなく、PCケース内部に外気を取り入れる重要な箇所となるため、エアフロー確保のためにも綺麗にしておく必要性が高い。
　今回は掃除機を使い、塗装を傷つけないようにゆっくり優しくホコリを吸い取ってみた。次にハンドモップを使って仕上げれば作業は完了。サンプルのマシンでは比較的フロントパネルは汚れていなかったため、掃除機のみで綺麗になってしまったが、“大掃除”を行う場合はフロントパネルを取り外し、裏側も念入りに掃除機をかけよう。なおフィルター付きモデルで洗浄可能ならば水洗いを行う事で想像以上に綺麗になるので、是非お試しあれ。

｜掃除機で大まかにホコリを吸い取る

　掃除機のブラシを使って、大まかにホコリを取り除いて行こう。ケーブルに沿うように掃除機を掛ければ、比較的簡単にホコリを吸い取る事ができる。またPCケースの縁の部分もホコリが溜まる箇所となるため、丁寧に吸い取っておこう。

｜エアダスターでホコリを吹き飛ばそう

　ケース内部のホコリをエアダスターで吹き飛ばす。付着したホコリを浮かすように作業し、合間に掃除機で大きなホコリを吸い取りながら進めるとよいだろう。エアダスターは勢いが良いため、目に見えないホコリを吹き上げてくれる非常に便利なアイテムだ。


	細かな所はノズルを使い、付着したホコリを浮かせてしまうと効果的。ただし机の上には一時的にホコリが飛び散るので、周囲は片付けておきたい

｜これじゃ冷えない。CPUクーラーは入念に掃除しよう

　PCの頭脳にあたるCPUは、CPUクーラーにより“快適な温度”を提供するための非常に重要なパーツである事は言うまでもない。今回サンプルに使用したマシンのCPUクーラーは、ご覧の通り“一大事”になっていた。
　CPUから受熱した放熱フィンはファンからのエアフローを受けて温度を下げる役割を果たすが、フィンの隙間にホコリが詰まっている状態では十分な冷却は出来るはずもない。CPUクーラーは定期的にメンテナンスする必要がある。本来ならばCPUクーラーを外して掃除する事がベストだが、装着したままでも十分にホコリを除去する事ができるので、実際に大掃除をしてみよう。

①まずは掃除機で大まかにホコリを取り除き、②次に用意したお団子状になっているベビー綿棒で放熱フィンの隙間からホコリを掻き出す。③さらに乳歯ブラシを使って残ったホコリを取り除き、④仕上げに掃除機をかけてあげればものの10分程度でピカピカに蘇った。

　CPUクーラーを綺麗にしてあげる事で冷却能力が本来の性能に蘇るだけでなく、CPU温度が下がる分PWM制御のファン回転数が落ち、結果静音性が向上する事になる。ホコリ掃除は見た目にもスッキリして気持ちがよいが、実際に冷却能力を取り戻し、さらに騒音値が下がる事で、そのメリットを体感する事ができる。
　なおついでに隣接するチップ用放熱フィンも同様にクリーニングすれば、マザーボードの温度上昇も防げるため、製品寿命向上効果も期待できる。

■ホコリ掃除での注意点

　ホコリ掃除をする上での注意点は、以下通りだ。

・電源ケーブルを必ず抜いた状態で作業を行う
・緩んだネジを吸い取る可能性アリ。ネジは増し締めをしておく
・傷を付けないように、掃除機のブラシの取扱いには注意する
・ケーブルが抜ける恐れがあるので、乱暴に作業しない
・掃除後は必ず目視後に起動テストを行う

　いずれも自作ユーザーには当たり前の項目かもしれないが、思わぬトラブルが起こり得る可能性があり「掃除しなければよかった」
と言うことにも成りかねない。ここは初心に返り、念のため留意しておきたいポイントだ。

｜グラフィックスカードの上もお忘れ無く

　拡張カードはCPUクーラーなどから落ちるホコリや塵が降り積もる庇のような状況に置かれている。そこでトップファンやCPUクーラーの掃除が済んだ後にエアダスターとハンドモップを使い、ホコリを取り除いておこう。
　また、グラフィックスカードのVGAクーラーも厄介なメンテナンスポイントとなるため、状況によってはマザーボードから取り外し、エアダスターを使ってホコリを吹き飛ばしておきたい。ここはCPUクーラー同様、GPUを冷却する大切な構成部品であり、常に下向きになるとは言え掃除を怠っては行けない箇所と言える。

｜電源ユニットはハンドモップ一拭きで新品同様ピカピカに

　構成パーツの中でも比較的掃除がしやすい電源ユニット。天板はホコリが積もる場所になるので、ハンドモップで一拭きすると簡単に掃除ができる。鏡面タイプの電源ユニットが搭載されていたため、新品同様ピカピカに蘇った。

｜キーボードはファイバーモップでスキマも綺麗に

　「キーボードのスキマのホコリ取りにピッタリ」と書かれていたので、ファイバーモップを使用。またキーボードカバーを付けている場合は水洗いしてしまおう。
　メンブレンの場合はキースイッチを外す事で比較的容易に掃除機も使用できるが、パンタグラフの場合は構造上、腕に自信のあるユーザー以外は分解しない方が良い。
　なお液晶ディスプレイなど、静電気によるホコリの付着が激しい部分は液晶パネル用クロス等を使って拭き取り、外枠等はハンドモップでお掃除してあげよう。

■無事作業終了。定期的に行う癖をつけておこう

　今回お邪魔した事務所のPCは、導入後一度もメンテナンスを行っていなかったため、大量のホコリが付着していた。さらにケーブルの結束なども行われていない状態だったため、張り巡らされたケーブル上にも多くのホコリが確認でき、“多岐に亘る”作業を要した。
　ただし掃除が完了するまでに掛かった時間は30分ほどで、もし定期的にメンテナンスを行っていれば、半分ほどの時間で終わってしまっただろう。
　ホコリ除去後のPCは綺麗になっただけでなく動作音も下がり、ハード面での効果は非常に高い事が証明された。これを見てもやはり定期的な掃除は重要である事を痛感。編集部のPCも早速掃除しなくてはと思つつ任務完了、都内某所を後にしたのであった。

｜「ホコリサミット」総括　「部屋とPCは綺麗にしましょう」

　「AntecMap」をベースに、株式会社リンクスインターナショナル共同企画として行われた今回の「ホコリサミット」は、手前味噌ながら非常に面白い企画になったと思う。これまでエルミタで行った事がない“投稿型”はとても新鮮で、熱心なユーザー様がこの企画に賛同して頂いた事に感謝すると共に、身近なPCのホコリ問題について関心が高い事実も興味深い。
　ホコリはPCに限らず、人体にもマイナス影響を及ぼす事は言うまでもない。好きこのんでホコリまみれの部屋に居たいと誰も思わないだろう。人は自分の意志によって定期的に部屋掃除を行うが、当然PCはそうはいかない。使う側の人が面倒を見てあげなければならないのだ。
　得てして当たり前の事はおざなりにされる事が多く、PCのホコリ問題もそのひとつなのかもしれない。

　今回はユーザー、メーカー、代理店、PCパーツショップ店員、そして知人の事務所が参加しての「ホコリサミット」を開催したが、多方面からの意見を集約する事で、ホコリに対する意識や問題点、対策に至るまでを再認識する手助けにはなったのではないかと思う。是非また「サミット」を行いたい。そしてご協力頂いた皆さま、ありがとうございました。

協力：株式会社リンクスインターナショナル
AntecMapに投稿して頂いたユーザーの皆様
Antec, Inc.
株式会社クーラージャイアント
秋葉原PCパーツショップSTAFFの皆様
某コンテンツ制作会社様
(C) GDM Corporation

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（順不同。みなさんご協力ありがとうございました）