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|総括
|長モノVGAカードが搭載できる真の理由
今回用意した奥行き265mmのRadeon HD 5870は、まだ若干のスペースを残し、“本当に”搭載できる事がお分かり頂けただろう。ただしこのケースで重要なのは、カード搭載スペースではないという事だ。
一般的にPCケースでは、奥行きを伸ばす作業はそれほど難しい事ではないと言われている。幅はドライブ類や電源ユニット、そしてマザーボードと拡張カードスロットの兼ね合いで、一箇所を変更すると他の箇所も大掛かりな改良を要し、高さはトップヘビーにならないよう、バランスの問題も考慮しなければならない。それに比べ奥行きは多少延長する程度の改良なら比較的容易だという。
だからといって、「SST-SG07Bシリーズ」が“特筆すべきモデルではない”とは片付けられない。長モノハイエンドクラス、グラフィックスカードを狭い筐体内に収めるという事は、当然ながら排熱処理の問題が課題として重くのしかかってくる。
筆者は「Cube型PCケースが大型ではその存在意味はない」と考えているが、ただでさえ容積率の低い中に、無理矢理スペースを空けてそれらをぶち込んでも“ただ入るだけ”で終わってしまう。そんなモデルはインチキだ。
それに引き替え、長モノVGAをいとも簡単に収納でき、内部温度に大きな影響が出ない事が分かった「SST-SG07Bシリーズ」。それを実現できている最大の理由はずばり、「スタンドアローンにこだわった」点のひと言に尽きるだろう。
搭載される新設計の180mm「Air Penetratorファン」と、SilverStoneが提唱する「正圧設計」により、マザーボード全体の冷却が可能な上、さらにグラフィックスカードは拡張スロット部からの外排気を利用。ケース側面に空けられた通気孔から吸気し、ケース内部の熱に影響されること無く、単体で冷却が完結している。
また電源ユニットも同様、ボトム部から吸気し、ケース側面の通気孔から熱を排出させる事で、こちらも見事に自己完結されている。
180mmファンや600W 80PLUS BRONZE電源に目を奪われがちだが決してそれだけではなく、重要な熱源を独立させ、個々に“責任を負わせる”事で、ハイエンドグラフィックスカードも難なく搭載できるのが“モンスターCube型Mini-ITXケース”「SST-SG07Bシリーズ」と結論付ける事ができる。
スモールPCフォームファクタで重要なのは、十分なスペースではなく、構成パーツの特性をいかに切り分けるのかがポイントである事を再認識させられた。そして最後にこのモデル、筆者は本気で購入を検討しはじめている事を付け加えておく。
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機材協力:マスタードシード株式会社
(C) GDM Corporation |
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