「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.94 トリプルディスプレイ環境を身近にするZOTAC「GeForce GTX 560 Multiview」を試す
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「OCCT 3.1.0」によるファン回転数と温度を確認
次にオリジナルVGAクーラーの性能をチェックするために、ストレスツール「OCCT 3.1.0」を使って30分間のGPUTestを実行した際のファンの回転数とGPUの温度を確認した。テストはケースに組み込まないバラック状態で行い、クーラーの純粋な冷却性能を調べるためテスト中はクーラーなどの空調を使用しない状態で行った。そのため、室温は28.5℃とかなり暑い状態で行っている点は注意して欲しい。
■ファンの回転数をチェック
アイドル時の回転数は1500rpm前後で安定しており、バラック状態でもファンからの騒音が気になることはなかった。しかし、「OCCT 3.1.0」のGPUTestを実行するとみるみる回転数が上がり4500rpmまで上昇した。さすがにこの回転数では駆動音が耳に付き、ケースに入れても完全にその音を封じ込めるのは難しいだろう。ただし、実際のゲームでGPUの負荷が常に100%になることはほとんどなく、ここまで回転数が上がることはあまりないだろう。実際、ベンチマークテストを行っている間の回転数は2500rpmを超えることはなかった。
■GPUコアの温度変化をチェック
かなり室温が高い状態で計測しているにも関わらず、アイドル時は37〜38℃、高負荷時でも最高81℃とGPUとしては問題ないレベルで落ち着いている。オリジナルクーラーの冷却性能はまったく心配ないだろう。
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消費電力をチェック
最後に、消費電力についても確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い数値を、高負荷時は「OCCT 3.1.0」のGPUTestを30分実行したときに最も高かった数値としている。
アイドル時は省電力機能によりコアクロック50MHz、メモリクロック67.5MHzとかなり低いレベルまで下がるため、64.3Wとかなり低く「GeForce GTX 460 1GB」と変わらなかった。高負荷時は「GeForce GTX 460 1GB」の256.3Wから286.6Wと約30W増えており、動作クロックの上昇による影響が大きいことがわかる。
アイドル時(画像左)と高負荷時(画像右)のGPU-Z 0.5.4の結果。アイドル時は動作クロックだけでなくコア電圧も大幅に下がっている
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トリプルディスプレイ環境が魅力的な「GeForce GTX 560 Multiview」。「GeForce GTX 460」からのアップグレードパスとしても有効な一枚
これまで3台以上のマルチディスプレイでゲーム環境を構築しようとした場合、Eyefinityテクノロジーを搭載したRadeon製品を選択するのが一般的だった。しかし、実際のゲームではGeForceに最適化されているものが少なくない。GeForceにこだわりがあるというユーザーも多いことだろう。そんなユーザーにとっては、1枚でトリプルディスプレイ環境が可能な「GeForce GTX 560 Multiview」は非常に魅力的な製品となるだろう。さらに対応ディスプレイや変換アダプタが比較的高価なDisplay PortやMini Display Portではなく、現在主流となっているDVIとHDMIで接続できるためコストパフォーマンスの面でもメリットは大きい。
また、デュアルディスプレイ環境を考えている場合でもDVIやD-Subよりもコネクタが小さく、ケーブルも細めのHDMIのみで構築できる「GeForce GTX 560 Multiview」はオススメだ。
DVIとHDMIコネクタ。実際にサイズを比較してみるとその差は一目瞭然。ケーブルもHDMIのほうが細いものが多くなっている
性能についても「GeForce GTX 560」としては控え目なクロック設定ながら、「GeForce GTX 460 1GB」との比較では概ね15%程度高速化されており、このクラス以下からの変更なら確実に性能向上を実感できるだろう。
なお、国内正規代理店である株式会社アスクによると、想定売価は1万円台後半(発売は今月末を予定)に設定されているという。ちなみに、現在販売中の「GeForce GTX 560」搭載カードの実売価格は約17,000円〜22,000円程度。“特殊な”スペックをもつ製品はそれ相応の販売価格となりがちだが、「GeForce GTX 560 Multiview」はコストパフォーマンスにも優れている。
ご存知の通り、液晶ディスプレイの低価格は驚くほど進み、22インチ〜24インチクラスのモデルを3台揃える事の価格的なハードルは低くなった。心配すべきは液晶ディスプレイ3台分の設置スペースの確保かもしれない。
もし新しいグラフィックスカードの購入を検討しているなら、ゲームもマルチディスプレイ環境にも優れた「GeForce GTX 560 Multiview」は、有力な選択肢のひとつとなるはずだ。
機材協力:株式会社アスク
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製品名
GeForce GTX 560 Multiview
型番
ZT-50706-10M
CUDAコア数
336基
コアクロック
820MHz
メモリクロック
4008MHz
メモリインターフェイス
256bit
メモリタイプ
GDDR5
ビデオメモリ
1024MB
発売日
2011年8月末予定
市場想定売価
1万円台後半
製品情報(ZOTAC)
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