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 Home > エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.2 サイズ「月光サイレント」検証
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最大の見どころ、2重構造防振防音構造をチェックする

 「月光シリーズ」のサイレントバージョン「月光サイレント」最大の見どころは、もちろん静音構造にある。サイズでは「2重構造による防振防音対策」のキャッチで、スタンダードモデルとの差別化が図られているが、果たしてどれほどの効果があるのだろうか。

天板、両サイドパネルは「2重構造による防振防音対策」が施され、防振防音シートが貼り付けられている。この手のシートは独特の臭いを発する事が多く、このモデルではいわゆる“新車の匂い”がした

防振防音シートの貼り付け具合は良好で、安価なモデルにありがちな、角部が剥がれている、またはどこかが浮いているという事は無かった
防振防音シートのおかげで非常にずっしりとしたサイドパネル。共振の心配もまずないだろう 一昔前のHDDから発せられるカリカリ音をシャットアウト。搭載部分の音漏れもしっかりガードしてくれる



騒音値テストで、“サイレント”の実力を測定する

 では実際に「2重構造による防振防音対策」の効果のほどをチェックしてみたい。
 簡易的ではあるが、用意したシステムをアイドル状態で稼働。サイドパネル装着時と未装着時の騒音値をそれぞれ前面から30cm、側面から30cmの2箇所で計測。なおCPUクーラーはリテールモデルを使用している。

検証使用機材
CPU Intel「Core i5-750」 Lynnfield
(2.66GHz/TB時最大3.20GHz/TDP95W)
マザーボード EVGA「141-LF-E658-KR」
(Intel P55チップセット/ATX)
メモリ OCZ「OCZ3P1333LV4GK」
(1333MHz/PC3-10666/CL 7-7-7-20/1.65v)
SSD OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ)
VGA XFX「HD-567X-YNFC」
(Radoen HD 5670 512MB DDR5)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度/回転数 SpeedFan 4.40

騒音値テスト

 深夜の編集部室内騒音値は30.6dBAだったが、ご覧の通り良好な結果が数字で表れている。前面は搭載されている吸気ファン「KAZE JYUNI 800rpm」が元々静かなため大きな違いは無いものの、側面は-4.2dBAとはっきりと効果を感じる事ができる数値となった。
 音に関する評価には数字では分からない周波数の問題が付きものだが、駆動音がケース内部に“閉じ込められている感”は誰もが感じる事ができるだろう。「2重構造による防振防音対策」はただのセールスキャッチではない事は間違い無い。



総評 クラスを超えた静音環境を作り出す価格以上の満足感

サイズ 「月光サイレント」 エルミタ的総合評価
【静音性】 5ポイント さすがに「サイレント」を謳うだけあって、騒音値テストでも吸音シートの効果は明らか。実際に耳でもそれと分かるほどで、密閉式PCケースというコンセプト通りの結果は満点の5ポイントで異論は無いだろう。

【組み込み易さ】 5ポイント 個人的には例のドライブベイ部にある“プッシュネジ”の採用が高評価となった。怪しげなツールフリー仕様にするくらいならば、確実なネジ留めを選びたい。

【剛性】 4ポイント 場所によって0.6mmSECCが使われているが基本は0.8mm、剛性は確保されている。全体が引き締まった印象は恐らくサイドパネルの吸音シートの恩恵ではないだろうか。

【拡張性】 4ポイント 限られたスペースにマルチなマウンタを搭載させる事で、3.5インチ/2.5インチ問わず必要量は搭載できる。ただし昨今の複数ドライブベイ仕様に比べれば、4ポイントが妥当か。

【冷却性能】 3.5ポイント そもそものコンセプトが「窒息系」であるため、高冷却とはお世辞にも言えない。もしデザインやギミックが好みに合い、さらに冷却性能を求めるのであればスタンダードモデルを選ぶという手もある。

【コストパフォーマンス】 5ポイント
 トータルバランスもコンセプトもしっかりまとめられ、その上1万円を切る価格は正直安い。買って損をしないPCケースと言える。

 実売価格8,000円台のエントリークラスPCケースを久し振りにチェックした率直な感想は、「よくできている」のひと言に尽きる。
 正直に言うと、この価格帯のPCケースなら“それなり”のところで落ち着いてしまうだろうと考えていたが、細部を見れば見るほど完成度が高く、言うならば後発の強みを感じた。
 非常に多くの選択肢が用意されるPCケース市場では、相当のポテンシャルが無ければすぐに淘汰されてしまう。このPCケースの低価格帯を狙った高コストパフォーマンス設計のポテンシャルの高さには脱帽するばかりだ。
 総合的に評価して、売価8,000円台の「月光サイレント」には、売価12,000円台の“鉄板”PCケース相当の実力があると言えるだろう

 ただし弱点もある。それはやはり冷却性能だ。静音と高冷却のいずれも捨てがたい。しかし「月光サイレント」はその主たるコンセプトが「静音」にあるため、“窒息系”と言わしめるだけの密閉感は、高エアフローとはかけ離れている。
 しかしながらPCのシステムは全てが高エアフローを求めているワケではない。現在のPCケース市場は、たくさんのファンを搭載する方向に注目が集まっているが、プロセッサの高性能化+低消費電力化、ストレージにはSSDという選択肢、グラフィックスカードはケース内部に極力影響を及ぼさない外排気と、それぞれを組み合わせる事で軽快なシステムを作り上げる事ができるだろう。
 静音PCを構築したいユーザーに新たな選択肢が加わった。

【エルミタ的検証用PCケース募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望PCケースを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。


機材協力:株式会社サイズ
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月光
・外形寸法 W196×D525×H430mm
・拡張カード用奥行約300mm
・フレーム 0.6+0.8mm SECC
・重量 約7.3kg(ブラック)、7.45kg(シルバー)、7.48kg(ミラー)
・52.5インチ×5(内1本は3.5インチ排他)
・3.5インチ×1/シャドウベイ×4
・電源 非搭載
・対応 ATX/MicroATX/Mini-ITX
・I/O USB2.0×2/オーディオin/out(AC97/HD Audio対応)/eSATA×1
・ファン フロント120mm×1(標準) リア120mm×1(標準)
・付属品 ネジセット、マニュアル
・市場想定売価税込8,980円前後
・発売日:2010年8月5日
代理店製品情報
DF-85
Vol.1 Antec「DF-85」検証
 
CORSAIR
HDD-BOOST
KUHLER-BOX
 
 
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