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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」 INWIN特集その2
 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.62 “流麗”を自負するスリム型Mini-ITXケース In Win「Wavy」編
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組み込んで分かる無駄のない内部構造

 組み込み手順は割愛するとして、あとは5.25インチオープンベイ用トレイを付ければ完成という段階のケース内部をあらためて見ると、非常に無駄のない内部レイアウトという事が分かる。
 せっかくのMini-ITXだけに、MicroATXに迫る大きさでは意味がない。17cm四方のマザーボードをいかに効率よく、そしてコンパクトに収めて行くか。ATXミドルタワーPCケースには無い設計者の苦労も想像に難くない。
 このモデルは電源ユニットをフロントパネル面に縦置にする事で縦のスペースを稼ぎ、さらに冷却ファンをトップの排気孔へ向ける事で電源ユニットのストレスを軽減できるよう効率化が図られている。
 技術と知恵がコンパクトに凝縮されているという点こそ省スペースPCならではの魅力ではないだろうか。

Wavy
組込を終えた「Wavy」。Mini-ITXならではの限られた筐体内で、各々がコンパクト且つ無駄のないレイアウトで収まっている様子が窺える
Wavy
3.5インチシャドウベイにHDDを組み込んだところ。背面にはやや気休め程度になってしまうものの通気孔も用意されている。なお装着感は悪くなく、非常にカッチリと組み込む事ができた
Wavy Wavy
3.5インチシャドウベイは、背面のインチネジを外し、スライドさせることで着脱が可能 5.25インチ光学ドライブを装着したところ。半分以上がドライブに覆われている様子で、いかにケースが小さいかがよく分かる
Wavy
フロントドアを開くと、縦置きの光学ドライブにアクセスできる。また付属のマウンタに付け替えれば、薄型光学ドライブと3.5インチベイが1段使用可能となり、使用頻度が高いカードリーダー等と組み合わせてみるのもオススメ
Wavy
背面から見た様子。LowProfile拡張スロットも2段用意されている。ただしここの使い道だけはマザーボードに依存するのは言うまでも無い



ケース内温度を計測してみる

 せっかく組み込んだので、ケース内温度を測ってみたい。計測ポイントは内部のちょうど真ん中付近。温度センサー付きデジタル温度計を使い、起動時とアイドル状態で30分間放置した後の温度の違いを見てみよう。

■ケース内部温度計測
温度テスト

 室内温度が低い事を考慮しても、まずまずの結果ではないだろうか。アイドル状態から30分間経過後では3.8℃の温度上昇が見られているが、これ以上の数値を示す事はなく、非常に安定していた。恐らくトップ面に搭載された80mm排気ファンとその両脇を固める排気孔がその役割を十分に果たしてくれているのだろう。ちなみに30分経過時点で電源ユニットのファンは回転を始めていた。



|「小粒でぴりりと辛い」トップファンの大いなる存在

 さて、今回の組込に用意したマザーボード、ASUSTeK「AT5IONT-I」はIntel AtomD525が搭載されたファンレスモデル。いかに低発熱とはいえ、さすがに大型ヒートシンクは必要で、実際に電源を入れて数分間放置し、手のひらをかざしてみると“いい具合に”温かくなっている。今回は時間の関係で、常時稼働によるテストは行っていないものの、この様子で完全ファンレス稼働は少々心許ない。最悪な事態には陥らなくとも、熱が製品に与えるダメージは読めず、寿命を縮める事だけは間違いないだろう。
 幸いにして「Wavy」の場合、トップ部に80mmファンを1基装備しているため、ケース内に溜まった熱は常時排熱できるようになっているのはご紹介した通りだ。

Wavy
トップ部の排気ファンにより、ケース内部の熱を効果的に排熱する。容積の小さいモデルだけに、1基のファンがもたらす効果は少なくないだろう

 少し前のMini-ITXユーザーの多くは、まずはじめに“ファンレス無音稼働”ができないものかとチャレンジしたものだ(筆者も同様)。ただ前述通り構成部品の寿命を考えるならば、無理に無音化させるよりも、静音ファン1基だけでも搭載させた方が精神衛生上にも良い。

 「Wavy」に話を戻すと、先ほどのテスト結果ではアイドル時でのケース内温度は起動後30分放置で28.2℃だった。このクラスでは十分合格点が与えられるが、1点付け加えなければならないのが騒音値だ。
 「Wavy」で標準搭載されている80×80×20mmのCeraDyna FANは、120mm口径以上のファンに慣れてしまっている人にとっては高めの騒音値と感じるかもしれない。念のため騒音値を計測してみたところ、以下のような結果となった。

騒音値

 室内騒音値が28.6dBAで、サイドパネルを閉じた状態ではトップから30cmの距離で39.6dBA、前面から30cmの距離で34.1dBA。さらにサイドパネルを外した状態ではそれぞれ42.3dBA、35.5dBAとなった。トップ部は大きな通気孔となっているため、ファン以外の音も感じてしまう事になるが、とは言うもののまずまずの許容範囲といえるだろう。もちろん音には個々の感じ方があるので異論があるかもしれない。ただし前述通り、Mini-ITXという性格と構成部品へのダメージを考えるならば、安定稼働にも貢献する冷却ファンの存在はやはり大きく、たやすく捨てきれるものではない。



Mini-ITXならではという部分。〜組み込み時気づいた事〜

 Mini-ITXを組み込む場合、トラブルとは言えないまでもATXとは違った事態に陥る事がある。これらのほとんどはケース内のスペースに余裕がない事が原因だが、「Wavy」も例外ではなく、組込工程でちょっとしたコツを要したり、別途パーツを用意した方が良いという場面があった。ここではそう大げさな事ではないながら、それだけにマニュアルなどには記載されていない気が付いた事をご紹介しておこう。

Wavy Wavy
メイン24pinコネクタと電源ユニット間にはほぼ隙間がない。そのためコネクタを外す作業は念のため電源ユニットを一度外した方がよいだろう 電源ユニット本体から伸びる内部ケーブルがファンの下を横切るように配意されている
Wavy Wavy
SATAインターフェイスの3.5インチHDDと2.5インチSSD両者を搭載させた場合、電源ケーブルが届かなかった。そんな場合は汎用2股電源変換ケーブルを用意しよう



乗り換え組だけでなく新規ユーザーにもお勧めの1台

Wavy
 ちょうど先日株式会社ユニットコム主催の「AKIBA-PC-DIY EXPO冬の陣」(2010年12月18〜19日)でも「Wavy」の動作デモ機が展示され「モンスターハンターフロンティアオンライン ベンチマーク」でデモを行っていたのだが、実際にIn Winのブースを訪れたユーザーの多くが強い関心を示していた。スタッフによれば「展示の中では一番人気」だったそうで、「Wavy」のコンパクトさに驚嘆の声をあげるユーザーもいたとか。ATXほど選択肢が多いワケではないMini-ITX対応モデルの中にあって、「Wavy」はやはり人目をひく存在であるようだ。

 さて、そもそもMini-ITXの用途はどんな使用目的が想定できるだろうか。“組んで動く事に意義がある”といった自作好きならではの考えもありつつ、やはり実際に使用してこそPCという立場から少し考えてたい。

 発売当初は物珍しさも手伝って、セカンドPCにMini-ITXを選んだ貴兄も多いだろう。多くの製品はウェブ閲覧やメールの送受信など、比較的ライトな使用用途として提案され、さまざまなマザーボードやMini-ITXケースがリリースされてきた。しかしそんなMini-ITXにとって現在、さまざまな機器の登場でその位置付けは微妙な立場にあると言える。

 それまで定番だったMini-ITXの省電力を活かし、インターネット閲覧などのライトな使い方の提案はすっかり説得力が無くなっている。それはスマートフォンやiPad等のタブレット端末が普及した事によるところが大きい。しかしMini-ITXの存在価値は十分に残されている。

Wavy
 それはNVIDIA IONプラットフォームの登場以降、グラフィック機能が動画再生にも耐えうるスペックまでに引き上げられたためで、それまであまり得意としていなかったDVD/Blu-ray鑑賞用としても十分に使う事ができる。またVIAに代表される常時起動を前提としたEmbedded向けマザーボードを選ぶことで、メールサーバーとして、さらに大容量HDDの低価格化も手伝って、ファイルサーバーとして24時間動かし続けるという手もある。

 今後も自作の王道はATXだが、Mini-ITXならではの得意分野を活かしつつ、“小さいモノマニア”だけでなく、一般的な自作ユーザーにも少しずつ浸透して行くのではないだろうか。まだまだMini-ITXにはその糊代が残されている。
 今回紹介したIn Win「Wavy」は、自作PCの少数派であるMini-ITXの中にあって、使い勝手も良く、さらにどことなく素っ気ないモデルが多かった他の対応ケースとは違い、デザインも洗練されており、内部構造も熟成されている事がお分かり頂けただろう。乗り換え組、さらには新規Mini-ITXユーザーには十分お勧めできる1台だった。

機材協力:株式会社エムヴィケー
In Win Development Inc.
株式会社TEAMジャパン
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Wavy
・外形寸法 264×112×230mm
・素材 SECC
・重量 2.78kg(ネット)/3.12kg(グロス)
・5.25インチ×1
(スリムドライブ+3.5インチオープンベイに換装するアダプタが付属)
・3.5インチシャドウベイ×1
・拡張スロット×2(LowProfile)
・電源 160W
・対応 Mini-ITX/Mini-DTX
・I/O USB2.0×2/オーディオin/out
・ファン 80mm×1
メーカー製品情報
代理店製品情報(株式会社エムヴイケー)
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