|
|
|
|各モデルパフォーマンスチェック(その2)
■搭載ファン回転数計測結果
|
・凡例
NH-C14(a)=Low-Noise (L.N.A.)/(b)=Ultra-Low-Noise Adaptors (U.L.N.A.)
TRINITY(a)=パフォーマンスモード/(b)=サイレントモード
水色=アイドル時(PWM)/赤色=高負荷時(PWM) |
|
|
次にファン回転数をチェックしてみた。最も回転数が高かったモデルは、THERMOLAB「TRINITY」 パフォーマンスモードの高負荷時1644rpm(公称値最大1800rpm/PWM)、逆に低かったモデルはTHERMOLAB「TRINITY」 サイレントモードのアイドル時627rpm(公称値最小600rpm/PWM)だ。
奇しくも同じ「TRINITY」となったが、2つのモードが選択できる同モデルの守備範囲の広さが際立つ。ただし、ファン回転数と冷却能力の関係で見た場合、パフォーマンスモード1644rpm時でCPU温度49℃、サイレントモード高負荷時1195rpmで51℃となり、その差は2℃しかない。回転数にして449rpm増しで2℃の差は、果たしてどう捉えればよいのだろうか。
例えばNoctua「NH-C14」では、ノーマル時1246rpm(固定)で44℃(高負荷時)、Noctua「NH-C14」 Ultra-Low-Noise Adaptors (U.L.N.A.)時795rpm(固定)では49℃。そして回転数の差は451rpmとなり「TRINITY」とほぼ同じだが、温度差は5℃と大きい。
そもそも両者を比較するには、ファンの搭載個数や、サイドフローとトップフローの違いがあるため、一概に比較できない事は百も承知。ただしデュアルファンのアドバンテージが、これほどまでに数値に表れる点は興味深い。
■騒音値計測結果
|
・凡例
NH-C14(a)=Low-Noise (L.N.A.)/(b)=Ultra-Low-Noise Adaptors (U.L.N.A.)
TRINITY(a)=パフォーマンスモード/(b)=サイレントモード
水色=アイドル時(PWM)/赤色=高負荷時(PWM) |
|
|
最後に騒音値テスト結果を見ておこう。最大値はTHERMOLAB「TRINITY」 パフォーマンスモード高負荷時(PWM)の42.1dBA(1644rpm)、最小値はArcticCooling「Freezer13 Pro」のアイドル時(PWM)の31.5dBA(634rpm)となった。
ここで気になるのは、回転数テストで最大のTHERMOLAB「TRINITY」 パフォーマンスモード高負荷時1644rpm(PWM)騒音値が、なぜ飛び抜けて高くないのか。近似値ではThermalright「Silver Arrow」の高負荷時で41.3dBAとなり、0.8dBAという極めて誤差の範囲内だが、回転数にして両者には1644rpm(TRINITY)に対し、1192rpm(Silver Arrow)と452rpmの開きがある。
THERMOLAB「TRINITY」 パフォーマンスモードとThermalright「Silver Arrow」の最大回転数/騒音値比較 |
|
|
|
Thermalright「Silver Arrow」はデュアルファン仕様、THERMOLAB「TRINITY」はシングルファン仕様という大きな違いがあるため、ここでも一概に断定はできず、同列には比較できない。よって個別に考えてみる必要があるだろう。
THERMOLAB「TRINITY」の130mm口径ファンは回転数が比較的高めでも騒音値が低い特性があり、Thermalright「Silver Arrow」の140mm口径ファンは、デュアル搭載による大風量から、回転数に対し風切り音が増す事である程度上昇傾向にあり、ファン単体というよりも、ヒートシンクとのマッチングによるトータルでの騒音値が数字に表れたと考えられるのではないか(羽枚数やその角度、さらに放熱フィンのピッチやデザインにも関係する)。
このようにCPUクーラーは奥が深く、メーカーが開示するファン単体の公表値だけでは推し量れない要素が含まれている事を覚えておきたい。
|ややガサつく印象を持つファン2つ
|
Thermalright「Silver Arrow」標準の「TR TY-140」140mm口径ファン |
|
|
騒音計の数値と、実際に耳に聞こえる印象は必ずしも一致しない。聞こえ方には個人差があるため、騒音値が高く表示されても気にならないという場合もあるだろう。それを踏まえた上で、敢えて指摘しておきたい。
今回テストしたCPUクーラー搭載のファンは、いずれもうるさいと感じる事は無かった。ただしTHERMOLAB「TRINITY」 パフォーマンスモードと、Thermalright「Silver Arrow」、いずれも高負荷時では、“ガサつく”印象を持った。個体差の可能性もあるため、あくまで参考レベルとして頂きたいが、明らかにその他モデルに比べ、回転数が上昇すると滑らかさが低下するように感じられた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|