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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.54 イマドキ水冷と空冷事情
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オールインワン水冷のヒット作「CWCH50-1」をチェック

 次はオールインワンタイプ水冷キットの代名詞的存在とる「CWCH50-1」(以下:H50)をチェックしてみよう。

 先日「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」(Vol.52)で2010年度の新作「CWCH70」をいち早くお届けしたが、その弟分的存在の「H50」はこれからも売価1万円切りのオールインワン水冷キットカテゴリを牽引して行く存在である事に変わりはない。

H50
オールインワンキット水冷キットでは記録的なセールスとなっているCORSAIR「H50」。上位モデル「H70」とは併売にて今後もその記録を伸ばして行く事だろう
H50 H50
「H50」パッケージ。実測値は345×180×120mmで横長タイプ ラジエーターに搭載する120mmファンは1700rpm

test

 「一点突破」で空冷ばかり取り上げていたため、意外にも「H50」のテストは今回が初めてだったが、噂に違わぬ良好な冷却能力である事が分かった。合間にテストした「H70」に比べるとファンの動作音も静かで、極端な高クロックCPUを使わなければ、「H50」でも十分に冷却する事ができる。性格の違いがよく出ている両者は、これからも仲良く共存して行く事だろう。
 さて、通常のテストであれば、ここで総評となるが、本稿はここからが本番。もう少し掘り下げて行く。

テスト用にチョイスしたAntec「DF-35」

今回のテストには、今年5月にリリースされたAntecのスチール製ミドルタワーATXケース「DF-35」を使用した。
以前、エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.1でお届けしたDARK FLEETシリーズの最上位モデル「DF-85」のDNAを色濃く受け継いだ「DF-35」は非常に扱いやすいPCケースであった。
ギミックは「DF-85」のそれに酷似しており、ミドルクラスの価格帯(代理店想定売価は税込16,980円)の中では恐らくトップクラスではないだろうか。Antecらしさを求めるユーザー、さらにAntecをまだ知らないユーザーにはお勧めの1台だ。

DF-35 DF-35
「DF-35」 市場想定売価税込16.980円(2010年5月22日発売)
製品情報:株式会社リンクスインターナショナル(国内正規代理店)
DF-35 DF-35
ファンレイアウトは、フロント120mm(1000rpm/2000rpm、33.3CFM/66.6CFM、19.45dBA/34.50dBA)×2基、リア120mm(900rpm/1500rpm、30.1CFM/51.2CFM、16.9dBA/27.9dBA)×1基、トップ140mm(800rpm/1200rpm、33.6CFM/58.9CFM、21.8dBA/26dBA)×1基。さらにオプションでサイドパネル部に120mmファンを1基増設できる


タブーに挑戦?人気の「H50」に無粋な疑問を投げかけてみる

 ここまでCORSAIRの最新作である「CAFA70」と、ヒット作「CWCH50-1」の冷却能力テストを行ったが、言わずもがな前者は空冷、後者は水冷と、その冷却方法は異なる。

 今回のテストでは「H50」、すなわち「水冷」が冷えるという結果になり、実力を備えた人気モデルである事を再認識させられたが、少々引っかかるのは、リアファン部に搭載するラジエーターが吸気前提で設計がなされている点だ。

 これまでの常識(?)から、リアファンは熱源満載のPCケース内部の空気を外部に排出するのがその役割であり、これを吸気で使用する事が推奨されている「H50」には、やや疑問を持たざるを得なかった。
 確かにCPUを冷却するのが“仕事”である「H50」の立場からすれば、PCケース内部の熱せられた空気をラジエーターの冷却に使いたくはないだろう。言わずもがな、水冷の冷却能力はこのラジエーターが要であり、循環された冷却水を十分に冷やすためには、外部から内部へのエアフローが最良である事は理解できる。
 しかしCPU冷却のために、ラジエーターで熱せられた空気を内部に取り込む事で、グラフィックスカードやストレージ、電源ユニットなどの構成部品には影響を及ぼす事は無いのだろうか

H50
「H50」の120mmファンを推奨通りケース内吸気にした場合の一般的エアフローレイアウト。CPUを冷やす役割に徹した「H50」により、その他構成部品に影響は無いのだろうか?

 恐らくCORSAIRはその点を十分考慮した上で設計していると思う。さらに現在の主流はPCケーストップ部に大口径排気ファンが装備されているため、リアファンの“逆流”などさほど影響が無いという判断があるのかもしれない。ここからは実際にその影響を検証してみたいと思う。



仮説。「H50」導入によるデメリットを想定してみる

 決して“素朴”ではない「H50」のエアフローに対する疑問。まずはリアファンを吸気にする事で起こりそうな、現時点想像できるデメリット2点を挙げてみたい。

リア吸気エアフローで起こりそうなデメリット

1)CPUは冷えても、ケース内温度は上昇するのではないか?
2)内部が温度上昇した場合、グラフィックスカードへの影響

 個々に説明するまでもなく、誰もが想像できる2つのデメリット。これらは果たしてどのような影響を及ぼしているのだろうか。

H50
「CWCH50-1」のCPU周りはさすがにスッキリとしており、十分な空間が保たれている事が分かる
A70
サイドフロー型「CAFA70」は、デュアル120mmファンがストレートエアフローとなり、ヒートシンクの熱をリアファンへ絶え間なく排出させる事ができる。トップ排気ファンも手伝って、極めて理想的な構図と言えるだろう



水冷「H50」を外排気にしたらどうなるのか?

 あれこれ想像しても始まらない。「H50」標準のケース内吸気ファンをケース外排気にした場合、CPUクーラーとしての能力はどのくらい違いがあるのだろうか?早速テストしてみよう。

H70
上位モデル「H70」同様、ファンはケース内吸気レイアウト用に設計されているため、通常想定しているエアフローレイアウトとは違う状況を作り出す。これがどのように作用するのだろうか

test

 イレギュラーであるラジエーターファンを外排気にした所、アイドル時で38℃(2℃上昇)、高負荷時で54℃(4℃上昇)という結果となった。やはりCORSAIRが推奨している通り、ラジエーターファンはケース内吸気用に設計されている事が実証された。今回のテストでは、Core i5-750を使用しているが、それ以上のクロックならば、この差はもっと顕著になるかもしれない。
 CPUを冷却するという役割を十分に果たして欲しいならば、ここは素直に推奨通りの使い方が正解と言えるだろう。

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CWCH50-1
CWCH50-1
・市場想定売価税込10,800円前後
・発売日:2009年10月10日
代理店製品情報
CAFA70
CAFA70
・市場想定売価税込7,980円前後
・発売日:2010年7月24日
代理店製品情報
CAFA50
CWCH50-1
・市場想定売価税込5,980円前後
・発売日:2010年7月24日
代理店製品情報
 
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