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|BIOSのオーバークロック設定を確認
ハイエンドマザーボードを購入する目的の1つにオーバークロック機能があるが、「X58 Extreme6」のBIOSには非常に詳細なオーバークロック設定が用意されている。
Core i7ではメモリコントローラがCPUに内蔵されたため、これまでのCore 2系に比べてオーバークロック時の設定が複雑になっている。クロック設定ではこれまでのベースクロックに当たるBCLKとPCI-Expressに加えて、QPIクロックやUncoreクロックの設定が必要で、さらに電圧設定もCPUコア電圧、メモリ電圧だけでなく、IOH電圧やCPU PLL電圧などを設定する必要があるが、「X58 Extreme6」ではすべて設定が可能だ。
また、CPUのターゲットクロックを選択するだけで、その他の設定を自動で行うプリセットも用意されている。こちらを使えば、目的のクロックを選択するだけで、自動的にオーバークロックすることも可能になっている。
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オーバークロック設定画面。設定できる項目は非常に豊富 |
【主な設定項目】
BCLK Frequency:100MHz〜300MHz
PCIE Frequency:50MHz〜150MHz
CPU Ratio Setting:12〜20(Core i7 920使用の場合)
QPI Frequency:4.800GT〜6.400GT
Uncore Frequency:1600MHz 4266MHz
DRAM Frequency:400MHz、533MHz、667MHz、800MHz、933MHz、1066MHz
CPU Voltage:0.84375V〜2.00000V(0.00625V刻み)
Dram Voltage:1.250V 〜2.065V
IOH Voltage:1.110V〜1.495V(0.005V刻み)
CPU PLL Voltage 1.86V〜2.50V(0.02V刻み) |
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詳細なオーバークロック設定ができる一方で、CPUクロックを選択するだけで他の設定を自動で行うプリセットも用意されている。Core i7-920(2.66GHz)を搭載した場合に用意されている設定は3.60GHz〜4.20GHz |
メモリクロック設定は400MHz(DDR3-800)〜1066MHz(DDR3-2133)まで選択可能 |
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|「X58 Extreme6」を使ってシステムを構築
ここからは「X58 Extreme6」を使ってシステムを構築。プリセットを使用したオーバークロックによる性能の変化やSATA3(6Gbps)の性能について確認していきたいと思う。今回用意したテスト環境は以下の通り。
オーバークロック動作はCPU、マザーボードメーカーの保証外となる行為で、最悪の場合、パーツを破損するおそれがあります。そのため、あくまで自己責任で行ってください。何か問題が発生したとしても、メーカー各社、販売代理販売店、編集部は一切の責任を負いません |
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●プリセットを使用したオーバークロックで3.8GHzを実現
今回はBIOSにあらかじめ用意されているプリセットを使ってオーバークロックを試してみた。OSの起動は4.0GHzでも可能だったが、「CINEBENCH 11.5」のベンチマークが完走しなかったため、今回は3.6HGzと3.8GHzの2つのプリセットでオーバークロックの効果を確認することにした。ちなみに、今回チェックに使用したCPUはもともとあまりオーバークロック耐性が高いとは言えず、他のマザーボードでオーバークロックした際も3.8GHz〜3.9GHzが限界だったことを考えると、プリセットでのオーバークロックはなかなか優秀と言えるだろう。
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デフォルトのCPU-Zの結果 |
3.60GHzにオーバークロックした場合のCPU-Zの結果 |
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3.80GHzにオーバークロックした場合のCPU-Zの結果 |
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●CINEBENCH 11.5にてオーバークロックの効果をチェック
「CINEBENCH11.5」を使ってオーバークロックの効果を確認すると、CPUスコアは2.66GHzから3.60GHzでは4.84ptsから6.20ptsと約30%、3.80GHzでは6.55ptsと約35%スコアが上昇した。この結果はクロックの上昇率である35%、40%近い数値で「CINEBENCH11.5」のCPUベンチマークではCPUのオーバークロックの効果が非常に高いことがわかる。
次にOpenGLのスコアを確認すると、2.66GHzから3.60GHzでは53.04fpsから61.02ptsと約15%、3.80GHzでは64.05と約20%で、CPUスコアに比べると上昇率は低下するものの効果があることがわかる。
●オーバークロックによる消費電力の違いを確認
次にオーバークロックによる消費電力の違いについて確認してみた。アイドルはOSが起動してから10分放置した間の最小消費電力値、CINEBENCH最高は「CINEBENCH 11.5」のCPUとOpenGLテストをした間の最大値をそれぞれ取得した。
まずアイドル時の消費電力を確認すると、3.60GHzで約15W、3.80GHzで約17W増加していることがわかる。さらに、CINEBENCH最高では3.60GHzで約60W、3.80GHzでは約70Wと大幅に消費電力が増加した。今回はバラック状態でのテストであり、テスト時間も短いため特に問題は発生しなかったが、本格的にオーバークロック状態で運用する場合は冷却に注意する必要あるだろう。
●SATA3(6Gbps)の性能を確認
WesternDigital製のSATA 3.0(6Gbps)対応ハードディスク「WD1002FAEX」を使って、オンボードのSATA 3.0(6Gbps)ポートの性能を確認してみることにした。以前お届けした「6Gbps対応SATAケーブル転送速度比較テストをやってみた」と同様、キャッシュに収まるデータの場合はSATA3.0(6Gbps)の効果がでるのか確認。ベンチマークテストは「CrystalDiskMark3.0」を使用し、テストデータのサイズは50MBのみとしている。
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CrystalDiskMark 3.0、50MBの結果(Marvell SE9128に接続 |
CrystalDiskMark 3.0、50MBの結果(Marvell SE9120に接続) |
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「X58 Extreme6」にはMarvell SE9120とMarvell SE9128の2つのコントローラチップが搭載されているが、Marvell SE9128に接続したほうがシーケンシャルリード、512Kリードとも多少高速な結果となった。ただし、いずれのコントローラに接続した場合でもシーケンシャルリードは300MB/sを上回る結果で、キャッシュに収まるデータならハードディスクでもSATA3.0(6Gbps)の性能が発揮できることが証明されたことになる。
|高い拡張性と最新プラットフォームに対応したLGA1366対応マザーボード「X58 Extreme6」
ここまで「X58 Extreme6」の各種機能やオーバークロック設定項目などを中心にくまなくチェックしてきた。LGA1366は今後もしばらくは変更がなく、Intel最上位として安心して使えるプラットフォームのため、導入を検討しているユーザーも少なくないだろう。また既に初期LGA1366プラットフォームを所有しているユーザーの中にも、USB3.0やSATA3(6Gbps)といった最新のインターフェイスを使いたいと考えている“買い換え組”も多いだろう。
そんなユーザーに最適なモデルが「X58 Extreme6」だ。ご紹介したように、USB3.0やSATA3(6Gbps)といった最新のインターフェイス規格に対応するだけでなく、12ポートのSATA、IDEやFDDといったレガシーポートを搭載するなど、手持ち資産も活かせる極めて高い拡張性を備えている。ハイエンド構成に対応し、豊富な設定項目やASRock独自の機能を装備した「X58 Extreme6」は完成度の高いお勧めの1枚と言えるだろう。
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