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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.60 ハイエンドマザーに見るASRock 真の実力
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チップセットに「890FX」+「SB850」を採用。USB3.0も搭載した「890FX Deluxe4」

 次はチップセットにAMDの最新チップセット890FX+SB850を採用したSocket AM3対応マザーボード「890FX Deluxe4」をチェックしてみたい。SB850によるSATA3(6Gbps)と、NEC製チップによるUSB3.0ポートを搭載した、AMD系CPU用のハイエンドマザーボードとなる「890FX Deluxe4」の主な仕様は以下の通り。

ASRock
【890FX Deluxe4】 市場想定価格17,000〜18,000円前後
・AMD 890FX+SB850チップセット
・AM3ソケット
・メモリ DDR3x4
・拡張スロット PCI-Express2.0(x16)x3/PCI-Express(x1)x2/PCIx2
・ATI Quad CrossFireX、3-Way CrossFireX、CrossFireX対応
・GigabitLAN x1(Realtek RYL8111E)
・7.1ch HD Audio Codec(Realtek ALC892)
・SATA3(6Gbps)ポートx2(Marvell SE9120)
・RAID対応SATA2(3Gbps)ポートx6(SB850)
・リアUSB3.0ポートx2
・フロントUSB3.0ポートx2

 「890FX Deluxe4」は、「X58 Extreme6」同様、コンデンサにすべて日本製の高品質導電性高分子コンデンサ「ASRock DuraCap」を採用し、電源は8+2フェーズ構成。電源部はヒートパイプ付きのヒートシンクを搭載し、さらに冷却性能を高めるため交換用のファンも付属されている。
 インターフェイスに至っては、NEC製USB3.0チップを2基、さらにSB850に加えて、Marvell製SATA3(6Gbps)チップを1基搭載するため、SATA3.0(6Gbps)ポートは計8ポート。FDDやIDEなどのレガシーインターフェイスも装備されている。

ASRock CPU周辺部。電源部分は8+2フェーズでノースブリッジと電源部分はヒートパイプ付きのヒートシンクが装着されている
ASRock ASRock
ヒートシンク部に搭載可能な回転数5,000rpm の4cmファンも付属しており、放熱効果をさらにアップする事ができる
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メモリスロットはDDR3 DIMM×4 PCI Express(x16)スロットは3スロット用意され、ATI CrossFireXに対応する
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USB 3.0チップNEC製「D720200F1」はリアパネル用に1基、フロントパネル用として1基の計2基を搭載
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内部SATA3(6Gbps)ポートはSB850による6ポートに加えて、マザーボード下部のMarvell SE9120による2ポートの計8ポート。さらにIDEポートも1ポート搭載
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マザーボード下部にはフロントUSB3.0用のピンヘッダを配置。さらに、「Dr.Debugポート」、電源スイッチ、リセットスイッチも用意されている
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CPUスロット脇に配置されている「ASRock UCC」チップ。AMDのAdvanced Clock Calibration(ACC)機能をこのチップで実現する 「X58 Extreme6」と同様にPS2ポートを2ポート搭載。USB3.0×2、USB2.0×6、eSATA×1、IEEE1394×1と拡張性は高い。もちろん、CMOSクリアスイッチも用意されている
ASRock ASRock
マニュアル類とドライバCD。付属するマニュアルはQuick Installation Guide、BIOSセットアップガイド、Instant Bootマニュアル、Intelligent Energy SaverマニュアルとフロントUSB3.0の推奨デバイス一覧。マニュアル類はすべて多言語化されている 付属品はSATAケーブル×4、SATA電源変換ケーブル×2、IDEケーブル、FDDケーブル、バックパネル、フロントUSB3.0パネル、オプション冷却ファン、ファン交換用の小型ドライバ



BIOSのオーバークロック設定を確認

 オーバークロック目的でAMD系のCPUを購入する場合は倍率ロックフリーのBlack Editionを購入することが多いだろう。それ以外のCPUでオーバークロックする場合は、やはりCPUクロックやPCI-Expressクロックを調整する必要がある。ローエンドのマザーボードの場合は詳細なオーバークロック設定がない場合もあるが、ハイエンド系「890FX Deluxe4」には当然のことながら豊富なオーバークロック設定が用意されている。
 また、「890FX Deluxe4」にはオーバークロック率を選択してオーバークロックするプリセットも用意されているため、これを使うことで目的のクロックまで簡単にオーバークロックできるようになっている。

ASRock
オーバークロック設定画面。詳細なオーバークロック設定が可能
【主な設定項目】
CPU Frequency:150MHz〜500MHz
PCIE Frequency:75MHz〜250MHz
CPU Multiplier:x0.5(100MHz)〜x31.5(6300MHz)
NB Frequency Multiplier:x5(1000MHz)〜x31.0(6200MHz)
CPU Voltage:0.6000V〜2.0000V(0.125V刻み)
DRAM Voltage 1.250V〜2.065V

ASRock ASRock
オーバークロック率を指定して設定。こちらで指定した倍率にあわせてCPU Frequencyなどが自動で調整される 倍率ロックフリーのBlack Editionを使えば、CPU倍率を変更したオーバークロックが可能となる。設定が簡単なためオーバークロックを考えるならBlack Editionがお勧めだ



「890FX Deluxe4」を使ってシステムを構築

 ここからは「890FX Deluxe4」を使って実際にシステムを構築し、オーバークロック率を選択したオーバークロック、UCCによるコアアンロックのテスト、さらにSATA3(6Gbps)の性能について確認していきたいと思う。今回用意したテスト環境は以下の通り。


オーバークロック動作やコアアンロックはCPU、マザーボードメーカーの保証外となる行為で、最悪の場合、パーツを破損するおそれがあります。そのため、あくまで自己責任で行ってください。何か問題が発生したとしても、メーカー各社、販売代理販売店、編集部は一切の責任を負いません

●今回の環境ではオーバークロック率20%まで動作

 今回はオーバークロック率を25%に設定するとOSの起動は完了するものの、「CINEBENCH 11.5」を完走することが出来なかった。そのため、10%(3.52GHz)、20%(3.84GHz)の2つの設定でオーバークロックの効果を確認することにした。

ASRock ASRock
デフォルトのCPU-Zの結果 オーバークロック率10%(3.52GHz)のCPU-Zの結果
ASRock オーバークロック率20%(3.84GHz)のCPU-Zの結果

●オーバークロックによる消費電力の違いを確認

 次にオーバークロックによる消費電力の違いについて確認してみた。アイドルはOSが起動してから10分放置した間の最小消費電力値、CINEBENCH最高は「CINEBENCH 11.5」のCPUとOpenGLテストの最大値をそれぞれ取得した。
 まずアイドル時の消費電力を確認すると、オーバークロック率20%でも6W増加とあまり増加していない。Phenom IIは省電力時、大幅に動作クロックとCPU電圧を下げるためあまり影響がないということだろう。
 高負荷時の場合は、オーバークロック率10%の時は2.9Wとほとんど消費電力が増えていないものの、オーバークロック率20%時は22.6Wと大きく増加している。これはオーバークロック率10%の時はコア電圧にほとんど変化がないのに対して、オーバークロック率20%の場合は1.408Vへと向上しているためこのような結果になったと推測できる。



●「ASRock UCC(Unlock CPU Core)」を使って隠されたCPUパワーを復活
 Phenom II X3 720 Black Editionが発売された頃、AMDのAdvanced Clock Calibration(ACC)機能を使って無効になっているCPUコアを復活させる方法が話題になったが、AMD8シリーズではこのACC機能が削除され、コアのアンロックが不可能になってしまった。
 しかし、ASRockではこの機能を別チップ化した「ASRock UCC」を開発。この機能によって、ACCを搭載していないチップセットでもコアのアンロックが可能となった。ちなみに、ASRockからはAMD 480X CrossFire+SB600という旧チップながらAM3に対応した「M3A UCC」というマザーボードも発売されているが、こちらにもUCC機能が搭載されている。「ASRock UCC」を使えば、AMD 8シリーズだけでなく、このような旧世代チップセットでもコアアンロック機能を有効にすることができる。
 今回は2コアの「Phenom II X2 555Black Edition」と3コアでL3キャッシュが無効化されている「Athlon II X3 445」を使って「ASRock UCC」機能を試してみることにした。

ASRock ASRock
「ASRock UCC」を有効にするには、起動画面で「X」キーを押すか、BIOS画面で「ASRock UCC」を「Enable」にすれば良い
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「Phenom II X2 555 Black Edition」のコアアンロックの結果
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「Athlon II X3 445」のコアアンロックの結果

 「Phenom II X2 555 Black Edition」のCPU-Zの結果を確認すると、プロセッサ名が「Phenom II X4 B55」になり、さらにCoresも「4」となり、4コア化されていることがわかる。
 また、「Athlon II X3 445」では、プロセッサ名は「Phenom II X4 B45」へと変わり、Coresが「4」となるだけでなく、L3キャッシュも復活していることがわかる。これは、Athlon II X3にはPhenom II系のDenebコアの機能を無効化した製品とAthlon II X4系のPropusコアの機能を無効化した製品が混在しており、今回テストした「Athlon II X3 445」はDenebコアを無効化した製品だったということだ。
 このように「ASRock UCC」を使えばコアだけでなく無効化されているL3キャッシュも有効化させることができるようになる。
 「ASRock UCC」を使って、無効化されているコアやL3キャッシュを有効にできるかは、完全に運次第となるが、対応CPUを持っているなら試してみるといいだろう。

●SATA3(6Gbps)の性能を確認

 次に、WesternDigital製のSATA 3.0(6Gbps)対応ハードディスク「WD1002FAEX」を使って、SB850のSATA 3.0(6Gbps)ポートの性能を確認してみることにした。テストには「CrystalDiskMark3.0」を使用し、テストデータのサイズは50MBのみとした。

ASRock CrystalDiskMark 3.0、50MBの結果

 テスト結果を見るとシーケンシャルリードは450MB/sを超え、512KBリードでも360MB/sを上回る非常に高速な結果となった。SATA3(6Gbps)を使うなら現状、SB850を搭載したマザーボードを選択するのが最良と言えるだろう。
 また「890FX Deluxe4」を使うなら、是非SATA3(6Gbps)に対応したハードディスクを用意したいところだ。



遊べるAMD系ハイエンドマザーボード「890FX Deluxe4」

 ここまで、AMD系ハイエンドマザーボードとなる「890FX Deluxe4」をチェックしてきたが、非常に高速なSATA3.0(6Gbps)、USB3.0といった最新インターフェイスを搭載しており、Phenom II X6と組み合わせれば、まさにAMD系最高性能のマシンを構築することができる。さらに、敢えて2コアや3コアといったミドルレンジのCPUを購入して「ASRock UCC」を使ってコアを復活させるという自作ならではの楽しみ方もできるマザーボードとなっている。



総評:変態からの脱却。
ASRockだから成し得る正統派ハイエンドマザーボード


 今回はASRockの「X58 Extreme6」「890FX Deluxe4」をチェックしてきたが、いずれも豊富なオーバークロック機能、SATA3.0(6Gbps)やUSB3.0といった最新インターフェイスへの対応、8+2フェーズの電源回路、日本製長寿命コンデンサの使用、ヒートパイプを採用した高性能の冷却機構といったハイエンドマザーボードを購入するユーザーが望む機能はしっかりと押さえられている。さらに世界初となるフロントUSB3.0をはじめ、「Smart Switch」「InstantBoot」といったASRockの独自性も随所に見られ、「非常によくできている」というのが素直な感想だ。正直に言うと、ASRockといえばやはりローエンドかつ“変態”マザーボードというイメージが強かったが、今回のテストを通してその考えを改めなければいけないだろう。
 “変態”マザーボードを可能にしたASRockの高い技術力によって作られたハイエンドマザーボードは、まさに「正統派」といえる製品に仕上げられていた。

機材協力:マスタードシード株式会社
ASRock
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X58 Extreme6
・2010年9月発売
・実勢価格税込25,000〜27,000円前後(2010年11月エルミタ調べ)
製品情報(代理店)
製品情報(メーカー)
890FX Deluxe4
・2010年8月発売
・実勢価格税込17,000〜18,000円前後(2010年11月エルミタ調べ)
製品情報(代理店)
製品情報(メーカー)
 
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