|
|
|
|倒立型モデルの代名詞、RAVEN待望の新作「RAVEN RV03」
内部正圧スタイルで非常に優秀な冷却能力を見せた「RAVEN RV02」。それを上回る冷却性能を実現するというのが「RAVEN RV03」だ。それでいてE-ATXサイズのマザーも搭載可能となるなど、随所に進化が見られる。発売は年明け1月と、もうしばらくの辛抱だが、価格は約15,000円前後と魅力的な設定なのもうれしい。
|
|
室内にあった製品版サンプル。フロントにはゴールドのラインが入る。賛否はあったようだが、ひとまず製品版はこれで確定とのこと。内部のエアフローはご覧の通り。最大で180mmファン2基と120mmファン7基を搭載可能となる |
|
|
|
両サイドパネルを開けて内部を確認。ボトムの180mmファン「Air Penetrator SST-AP181」2基が強力に吹きあげる構造。このファンは、わざとずらして装着することで、一番最適なエアフローを実現したという。また、向かって右サイドにはHDD類が搭載できるスペースがある。このスペースはエアフロー的に反対面とは隔離され、VGAやCPUの熱が伝わりにくい構造に。またメンテナンスホール部分には120mmファンが装着可能だ |
|
|
他の「倒立型」ケースと同様に、トップパネルを装着。ユニークな設計の通気孔を設け防音効果を発揮する。エアーの唯一の"出口"となるために配慮した結果のデザインという。なお、通常リアとなる背面には当然ながらインターフェイス類がない。そのためか、意外に奥行きを取らない構造となっている |
|
|
|開発中のCPUクーラーは4モデル
|
セールス主任のViVi Tseng氏。COMPUTEX TAIPEI 2010では編集部も会場でお世話になった。日本語も堪能で我々英語に弱い記者にとっては非常にありがたい存在だ |
|
編集部: では、少し話題を変えて「SST-HDDBOOST」について。今年1月の発売以来、SSDブームも手伝って非常に好調なセールスを記録したと思いますが、今後もこの手のギミックアイテムは継続してリリースされるのでしょうか?
Tony氏:
あります、とだけお答えします。申し訳ないのですが、現時点ではこの新しいプロダクトについてお話することができません。
編集部:
なるほど、それでは発表を楽しみにしたいと思います。期待してよさそうですね。では、もうひとつ気になっているCPUクーラーについて。ロープロファイルサイズのモデルなど、いくつか興味深いモデルがありますが、あまり市場に対して積極的な印象を受けません。そのあたり、いかがでしょうか?
Tony氏:
そうですね。「SST-NT01-E」でも「SST-NT06-E」でもそうですが、今までのモデルは基本的に自社のPCケース製品にいかにマッチしているかが重要なポイントでした。そういった意味では今後はユニバーサルな、SilverStone以外のPCケースでも十分使用できるようなモデルは検討中です。
編集部:
個人的にはPCケースが独特の形状なので、せめてそれにあったCPUクーラーが出てきてほしいという気持ちはあります。具体的にサイドフローやトップフローといった案はあるんでしょうか?
Tony氏:
この案件は7月に立ち上げたばかりです。現在は市場のあらゆるCPUクーラーを検証している段階ですね。ただひとつ言えるのは、ヒートシンクの技術はかなり成熟している印象を受けました。違いを見出すには搭載ファンなのではないか、という点に着目しています。また、CPUクーラーをメインで扱うようなメーカーの製品はやはり出来がいい。ですので、それらメーカーの製品といかに違いを出すのか。パフォーマンスなのかルックスなのか、静音性か、価格か。いかに差別化を図っていくかを模索中といったところです。今のところ言えるのは4モデルを開発中ということでしょうか。
編集部:
なるほど。こちらも製品化を楽しみにしています。CPUクーラーの話が出たので、関連して冷却ファンについて。やはりSilverStoneといえば徹甲弾ファンこと「Air Penetrator」ですね。こちらも話題となって売れた製品ですが、現在のモデルのほかに異なる口径のモデルの予定はあるんでしょうか?
(※2010年10月現在、120mmと180mmモデルが販売中。120mmモデルには先日4種類のLED発光タイプが加わっている)
|
「Air Penetrator」お馴染みの風船を使ったデモの様子。今回のイベント会場でも、もちろん実施されていた。新製品としては140mmモデルの発売も近いという |
|
Tony氏: 現在、140mmモデルの試作品を開発しており、発売に向けて準備中です。
編集部:
普段、取材で秋葉原を回っていても非常に評判が良かったと記憶していますが、80mmや90mmモデルを希望する声も聞かれました。そのあたりは?
Tony氏:
そうなんですか、それは嬉しいですね。ただ「Air Penetrator」は構造上、どうしてもある程度の口径が必要です。サイズによってファングリルのピッチを最適に調節してから製品化するのですが、今度の140mmも5パターンの試作品を作ってテストしました。ただ、今後はさらに小さな口径のモデルも検討していきたいと思います。
|
|
11月初旬から中旬にかけて発売となる「RAVEN RV02-E(Evolution)」。「RAVEN 2」の改良モデルで、大まかに言うと外観デザインは「RAVEN RV02」で中身が「Fortress SST-FT02」というイメージ。電源スイッチの形状やHDDのマウント方向(縦に)、3基の180mmファンが「Air Penetrator SST-AP181」になった点などが変更。ブラックモデルも用意される。予価は約22,000円ほど |
|
|年末に向け最安クラスの80PLUS GOLD電源を発売へ
編集部: では最後になりますが、電源についてお聞きしたいと思います。現在のところSilverStoneでは80PLUS SILVER認証までの製品が販売されていますが、80PLUS GOLDの投入予定は?余計なお世話ですが、ほぼ主要なメーカーは80PLUS GOLDモデルの投入が完了しつつありますが。
Tony氏:
ええ、そうですね。当社の製品も、もうすぐ発売される予定です。「STRIDER GOLD」シリーズです。
|
|
SilverStoneが満を持して市場に投入する80PLUS GOLD電源ユニット「STRIDER GOLD」シリーズ。750W〜1200Wまでの4モデルが展開予定となっている。写真はサンプル品で、製品版では外装の素材が変更。もう少しザラザラとした質感の筺体となるという |
|
編集部: 具体的な発売予定は?
Teresa氏: 11月にはマスプロダクションに入ります。ですので発売は11月末から12月上旬予定ですね。
編集部: もうすぐですね。ラインナップを教えてください。
Tony氏: 750W/850W/1000W/1200Wの4モデルです。品質ももちろんですが、いわゆる大手メーカーの80PLUS GOLD電源と比較してかなり競争力のある価格で市場に投入できるはずです。
編集部:
なるほど。単刀直入に言うと「安い」ということですね。具体的にはいくらくらいでしょう?
Tony氏:
う〜ん・・・そうですね・・・。ハッキリとしたことは言えないんですが、ひとつの目安として750Wの「ST75F-G」で約17,000円前後、850Wの「ST85F-G」で約19,000円前後といった感じでしょうか。為替相場にもよりますが、アメリカでは人気のAntecやCORSAIRとも競合可能な価格設定にしたつもりです。
編集部:
価格が安いという点は嬉しいですね。どうしても80PLUS GOLDというと高価な印象が拭いきれませんし。戦略的な価格設定とのことですが、ユーザーにとっては大歓迎です。
|
|
イベントで熱心に解説するTony氏の手には、ファンレスの80PLUS BRONZE電源ユニット「Nightjar」シリーズ「SST-ST50NF」が。今のところ2011年Q1(1〜3月)の投入が予定されている |
|
|まさに、これから数カ月は目が離せないSilverStone
今さらだが、毎年6月の「COMPUTEX TAIPEI 2010」では、様々なメーカーの新製品がお披露目される。そして、丁度今ごろ。夏も過ぎ、各社が年末商戦の準備に入るこの段階で、一斉に発売が始まる。そんな新製品発売ラッシュも、毎日秋葉原を取材する我々から見ると、10月も中旬を過ぎたここ最近は、少々落ち着いてきた印象である。
ところがである。SilverStoneに限っては、これからが新製品の発売ラッシュ。さらに、これから数カ月の間にRadeonの新モデルやIntelの“Sandy Bridge”が発売されるのは、ほぼ間違いない。購買意欲をかき立てるだろう新製品が続々とリリースされる見込みだ。そんな中、PCケースだけでも数種類に及ぶ大型製品が、最高のタイミングでの発売を控えるSilverStone。絶好のタイミングでの発売スケジュールと言えるだろう。
「Temjin」「Fortress」「Raven」の新製品を見る限り、いずれも正統な進化を遂げており、それぞれの良さが十分に出ている印象を受けた。インタビューを終えて、メーカーとしての開発に懸ける熱い想いに触れ、マーケット分析から一歩踏み込んだ「使ってもらえるもの」を作りたいという意欲的な姿勢を感じることができた。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|